11
 夏休みだ。
 ほとんどすべての学生が待ち望む最高の期間。そして刹那は今日も今日とてさんさんとした日差しに照りつけられていた。
 当たり前のように練習である。
 関東大会が来週に迫るテニス部に夏休みなどあってないようなものなのだ。

 期間中の練習日程は、朝九時から夕方十五時まで。練習試合などはもっと伸びる場合もある。そしてレギュラーや準レギュラーはおのおのほとんど全員が自主練をして帰る。
 同情を禁じざるを得ない。
 大会に向けた調整が重点的になるため、今まで一応顧みられていた三軍の練習はほとんど自由練になった。練習試合も出るのは一軍、つまりレギュラーと準レギュラーのみだ。

 そんな状況で三軍は二つのタイプに分かれていた。やる気のない連中と、その中で大会への士気が上がり、練習やサポートに精を出す人たち。
 特に三軍をまとめる稲葉先輩は、三年でもう試合に出る望みはないのに、人一倍努力をしていて、刹那は好感を持っていた。
「あ、白凪」
「お疲れ様です。どうしたんですか?」
「ちょっと練習メニューを相談したくてさ」
「わたしにですか?」
 そういう話は選手同士や、もっと上の人たちと話し合っていたのに。どうして急に刹那に?目を丸くする彼女に稲葉が優しそうな太眉を柳型に緩める。
「俺たちもうそろそろ引退だろ?」
「まだひと月もあるじゃないですか。全国も控えているし…」
「もうひと月だよ。それに三軍は全国に出る実力を備えていない」
「……」
「あ、困らせてごめんね。だから卒業する俺たちはもう次代について考えなくちゃいけないってこと」
「はい…」
「だから、やる気がある選手についてはもっとサポートしていかなきゃならない。全国が終わればまた昇進試合があるからね。それに向けて実力の底上げをしたいんだ。関東大会を見て、もっと励もうって思ってほしい」
「なるほど…それでわたしに何を?」
「白凪はすごくよく働いてくれているし、選手のことも細かく見てるだろ?日誌やスコアも読んでるけど、気付いたことをこまめにメモしてくれているし。だから、その白凪に有能そうな選手を教えてほしいなって」

 そんなことを言われても困ってしまう。
 刹那はテニスの実力の差を見抜けるほど実践のテニスを見たことがないのだ。一軍の試合を見るのだって練習試合くらいだし、普段は三軍のマネだ。実力が隔絶していることが分かっても、どの程度差があるのか、どのような努力をすればいいのか、本格的な目線など備えていない。

 だが、稲葉が知りたいのは、やる気がある選手らしい。
 三軍の中で実力がある選手といっても、そんなものは五十歩百歩。やる気があるかどうか、忍耐力があるかどうか、他の選手をサポートできるかどうか。
 その方が重要だ。
 特に新しい一年が入ってくれば、ほとんどがまずは三軍から始まる。その時の新しい指導者となる先輩が今の状態では許されない。

 そういうことならと、刹那は何人かの名前を上げた。
 古豪なので三軍でも最低限きちんとこなす人が多いが、その中で刹那の目から見どころがありそうだと思った人。練習試合の時に私語を発さずにずっと選手を観察している峯岸、誰よりも率先してボール拾いをし、ラケット磨きなどを手伝ってくれる玉川、声が大きく応援の熱量が高い南、刹那が部室を整頓する前から部品がどこにあるか完全に把握し、今もこまめに補充の確認を自主的にしている佐富、いつも最後まで残っている相川。他にも何人か。
 ふんふん頷きながら稲葉はメモをして、爽やかな笑顔を浮かべた。
「いやー、さすが白凪だね。マネの視点があると助かるよ」
「いえ、わたしなんかそんな…」
「謙遜しないでよ。頑張ってるところを見てもらえてるって思えるのは力になるんだよ、俺たち選手にとってね。特に三軍は評価される機会が少ないからこそ嬉しいよ」
「……」
 そうかもしれない。刹那は別に褒められることが目的ではないが、テニスが好きで、テニスが強くなりたくて、テニスの試合に出たい人にとっては、三軍に所属していること自体が実力がないと言われているものだろうから、鬱屈することも多いだろう。
 部活に入って分かったが、部活というものはけっこう残酷だ。
 特に実力主義の立海では、才能や実力が伴わない場合のモチベーションの保ち方を個人に委ねられるため、現実に足掻く人と、足掻けなかった人に分かれるのも頷ける。

「白凪のことも二軍に推薦しておくから」
「えっ?」
 気軽な口調で稲葉が重大なことをポンと言った。
「まぁ、俺からの推薦がなくても上がるのはほとんど決定事項だったけどね」
「えっ!?」
「あれ、知らなかった?由比と仲良かったよね」
「知らなかったです…!部活ではそんなに話さないですし……」
 私生活ではさらに話さないし。一軍と三軍マネだから、話すのは更衣室くらいでしかない。
「部誌もスコアも白凪が纏めてるノートも、基本的に幸村や柳も見てるからね。やる気があるって褒めていたよ」
「そうだったんですか…」
「練習メニューの相談っていうのは、それを見据えた話。本格的なメニューは部長たちが決めるけど、マネもテニスを見る目があるに越したことはない。由比や葛西がその好例だ」

 白凪はテニスには詳しくないみたいだから、と優しい口調で稲葉が言う。
 刹那はスコアなどをつけたり、部誌を書く際に、個人的に気付いたことを纏めるノートを作っていた。例えば冷却スプレーを使った選手の名前を書いておき、怪我に繋がらないように情報を共有したり、定められたメニューより多く練習した選手をメモし、努力している人を共有するだけでなくオーバーワークにならないように心がけたり。また、実力は分からなくとも、体力や柔軟性が上がった選手は数字で分かる。
 そういうノートを置いていても、別に読む人はほとんどいないし、自分の情報整理のために使っていただけだったのだが、まさか幸村たちが読んでいたとは思わなかった。
「細やかな記録が付けられるから、そこにテニスの実践的な視点が加わればもっといいと思うんだ。特に柳なんかは上手くその情報を扱えるだろうから」
「!た、大した情報ではないですが、柳くんの役に立てますかね…?」
「役に立つかどうか決めるのは柳さ。そしてあいつは全ての情報を有効活用する天才だろ?」
 ほんと化け物だよな…と稲葉がぼやいた。だが刹那は聞いちゃいなかった。柳くんの役に立てる……!思ってもいなかった希望にやる気がメラメラ湧いてくる。

「あの、わたし頑張ります!ご指導よろしくお願いします!」
「あはは、やる気があっていいねー」

*

 二軍に上がる詳しい日程は決まっていないが、それまで稲葉が色々と教えてくれることに決まった。まずは知識から。それぞれの筋肉や技術を重点的に鍛えるために効率の良いメニューや、それぞれの技術を伸ばすためのメニュー。今のメニューにどのような意味合いがあるのか。それを覚えたら、それぞれの選手の何が欠けていて何が突出しているかなどを見分けられるようになること。
 目をかけてもらえてとてもありがたいことだ。
 それも刹那の今までの働きを見てくれていた結果だろう。褒められるためにやっていたことではなかったが、結果に繋がって褒められるとやっぱり嬉しい。

 るんるん気分でスキップのような足取りで更衣室に向かう。ふんふん鼻歌まで洩れる。
 お昼休憩だ。コンビニ袋を持って涼しそうな場所を探してさまよっていると、レギュラーの部室から真田の「赤也ァァァ!!!」という爆発しそうな怒声が聞こえた。ビクンと肩が揺れる。だが、爆発しそうな笑い声も聞こえてくる。
 何があったんだ……?
 窓の方からちらっと中を窺うと、真田、幸村、柳の前で正座する切原が見えた。涙を流しそうなほど笑っている由比もいる。彼女とパチッと目が合う。

「あ!白凪さん!」
 彼女が手招きした。でも部室に入っていいのだろうか。ドアがあいて、「やばいからちょっとおいでよ笑笑」と腕を引っ張られた。
 中は二年の有力選手ばかりで、三年レギュラーは見えない。怖。幸村たちが部を支配していることのあらわれなのか?年功序列はどこに?

 闖入者である刹那に向けられた視線に会釈して、由比の耳元で「切原くんどうしたの…?」と尋ねた。腕を組んだ真田から怒気が立ち上るようだった。柳と幸村は怒っていると言うよりは……困っている?
 幸村が目眩を感じたようにフラフラとソファに力なく座った。柳はこめかみを抑えて頭痛を抑えるように手元の紙を見ている。

「っふ、くくく、見てよこれ」
 テーブルの上には何枚か紙が散らばっていた。それを覗き込む。それはテストの答案用紙だった。パッと見ただけで赤いチェックが並んでいて…上の方に『切原赤也』の名前が書いてある。

「ヒデーだろぃ?こいつ、全教科赤点取りやがったwwww」
「は!?」

 全教科赤点!?
 全教科……赤点!?
 え、いや、そんなまさか……。聞き間違いかと思い、刹那は問い返した。

「え、ごめん、なんて?」
「ッハハハ!信じらんねぇよな」
「赤也は全てのテストで落第点を取ったんだよ、白凪さん」
 なぜか幸村が答えた。
 信憑性が増す。聞き間違いではなく、本当に……。

「全教科……まっ、えっ?全教科……」
「やべぇよなwwww」
「さすがバカ也じゃ」
「三強もお手上げだな」
「誠に嘆かわしいことですよ、切原君」
「えっ、ガチで赤点?全部?」
 テストの点数を目をこらすようにして眺める。39点、35点、37点、32点、38点……。ほ、本当に全部赤点だ……。

「まはっ、待っ、ヒョハハハハッ、ひはははは!!!マジかよ!!!切原ヤバっ!!!あは、あはははは!!!!」

 理解した途端、刹那は膝から崩れ落ちた。
 ガチで全教科赤点取ってやがるこいつ!!

「うるさいんすけど!」
「ヒョハハwwwなんだその笑い方www」
「は、初めて出たんだけどこんな笑い声wwwヒョハハはやばいwwwいや切原がやばいwwwま、まって死ぬwwwヒッ、ヒイッ」
 拳を握って床をどんどん叩く。涙も流れてきた。丸井と由比も一緒に爆笑し、切原が不満そうにギャーギャー切れているのがさらに笑いを引き立たせた。
「ツボった、やば、はぁ、ひはははwww」
「笑うなって!テメーバカにすんなよ!!」
「赤也!先輩に向かってその口の聞き方はなんだ!!」
「喋んなってwwwバカはお前だろwwwまって、ひは、む、むり……ひぃ……」

 ゼイゼイと息を荒らげ、なんとか刹那はよろよろと立ち上がった。由比が「だ、大丈夫?ふふっ」とまだ笑いながらも背中を撫でる。
「うん…死ぬかと思った…」
「白凪がそこまで笑っているのを見るのは初めてだな。データに加えておこう」
「わたしも人生で一番笑ったかもしれない」
「人のことバカにして笑うとか性格わりーんだよテメー!」
「赤也。お前が悪いんだろう?」
「うっ…部長……」
 切原はブスーッとしている。刹那が来る前にも散々笑われていたのだろう。
「まぁ笑い事じゃないんだけどね、本当に……」
 幸村がため息をつく。人生に疲れたサラリーマンはこんな感じだろうか。

「なんでこんなに酷い点数なの?幸村くんたちが三人ついて教えるって言ってなかった……?」
「教えたんだよ……。俺たちは出来る限りのことをしたんだ……」
「……」
 真田まで難しい顔で黙り込んでいる。か、可哀想。
「事実、総合点数では前回を遥かに上回っている。全教科に範囲を広げたことで、全教科の平均点数は上がったんだ。……上がったのだが……」
「ッ、ふふッ……全教科ちょっとずつ点数が上がった結果、全教科惜しいところで赤点になったんだ……wwwき、切原さぁ……www」
「柳の予測を上回るとは大物のようじゃのう」
「オレだってめちゃくちゃ頑張ったんすよ!!!数学だって前は12点なのを20点も上げたし!!!!」
「12点wwwwwなんで立海受かったの?」
「クソ、笑うなって!!つかアンタ俺のこと笑える成績なわけ?」
「赤也」
「ハイハイハイハイ!!敬語すねサーセンしたぁ!」
「そうじゃないよ。いやそれもだけどね。白凪さん、言ってもいいかな」
「あ、うん。いいよ」
「白凪さんは二年の総合順位5位だ。つまりここにいる中で、柳の次に賢いんだよ」
「ごっ……5位!?」
 目を剥いて仰天する切原に、ふふんと思いながら頷いてやる。
「はぁ?5位……ウソだろ!?なんでそんな頭いいわけ!?どう見てもべんきょーも出来ない陰キャオタクじゃん!!」

 死ね!
 咄嗟に口から出そうになったのをなんとか飲み込む。
 こいつ…趣味は合いそうだと思ったのに陰キャオタク認定してたのかよ。間違っていないが殺したい。

「ごめんね白凪さん、このバカが……。本当に申し訳ない。赤也、なんでお前はそんなに偉そうなんだ?」
「うっ…」
「こんな点数を取ってそんなに元気なのはどうして?生きてるのが恥ずかしくならないの?」
「生き…w」
 ヒッと喉が鳴って必死に口を抑える。みんなニヤニヤしているが、切原に勉強を教えた三人は他人事ではないのか沈痛な面持ちだ。
「俺は恥ずかしいよ。本当にどうしたらいいのか……」
「精市、あまり気を落とすな」
「そうは言ってもね。赤也の担任と一年の学年主任から呼び出されたんだよ?俺だってこんなことになると思わなかったよ。追試も全国の後にしてもらえるよう頼んだけど、そもそもそんなことを頼まなければならないこと自体が恥ずかしい。勉強が苦手な丸井だって、今が大事な時期だと分かっているから今回は赤点をひとつも取らなかったのに。お前はそんなことも分からなかったのかい?」
「分かってたっすよ……だから三強に教えてもらったんじゃないっすかぁ……」
「大体普段の生活が不真面目だからこんなことになるのだ。常日頃から授業を寝ずに聞き、先生たちへの敬意を払い勉学というものに真摯に取り組めと指導しているだろう!」
「うーっす…」
「なんだその返事は!自分が引き起こした事の重大さが分かっておるのか!!」
「ハイ!すみません!」
 真田の剣幕にも負けずにずっと不貞腐れている切原は大物すぎる。
「とりあえず、これから毎日追試に向けて練習の後は勉強会を開こう。範囲の説明と課題はもらったな?これから毎日課題と宿題を持ってくるように。精市、弦一郎、それでいいか?」
「うん。悪いけど調整を頼むね」
「うげーっ!また勉強漬けっすか!?」
「誰のためだと思ってるんだい?俺だって大会前にお前のために勉強なんてしたくないよ」
「すみません……」

 三強と切原から離れ、部室の隅に集まる他のレギュラーたちと刹那がヒソヒソ話している。
「幸村くんも可哀想だな…あんなバカのために」
「部長たちって大変なんだね…」
「つーか白凪って成績いいんだな。幸村や真田より上だろ?」
「いや、そんな、大したことないよ。勉強くらいしかすることがなかっただけ」
「いや、大したことあるでしょ!部活始めても成績維持できるのすごすぎ!しかもこの前柳と話してたけど、テスト勉強とか特にするわけじゃないんだってよ?」
「は?どういう意味?」
「わけわかんないよね、頭いい人の言うことって」
「テスト勉強しねーの?」
「いや、するよ!?」
「???」
「うーん、なんて言ったらいいのかな。えーと…毎日予習復習の他に自主勉強する時間を取ってるから、考査前に勉強時間を増やしたりするわけじゃないってだけだよ。ちゃんと考査前はテスト範囲に絞って対策するから、テスト勉強自体はしてるよ」
「毎日予習復習の他に自主勉強する時間……?」
「え、毎日家に帰ったら勉強してるってこと……?」
「え、そりゃあするでしょ……?」
「な、なんで?」
「なんで……!?え…勉強することに理由とかある……!?え……勉強したいから……?」
「待って待って待って、オレ怖くなってきた」
「丸井、分かるよ、私も怖いよ」
「ちなみに白凪は家でどんくらい勉強してるんだ…?」
「えと…部活に入る前も入ったあとも毎日4時間から5時間くらいかな。サボっちゃうこともあるけど」
「怖ぇ!待って待って待って」
「白凪さんのおうち厳しいとか…?」
「ううん、厳しくはないと思う。勉強しろって言われたことないし…」
「じゃあなんで!?!?怖いよ!!」
「こ、怖いかな……」
「白凪……なにか悩んでることがあるなら相談乗るぜ…」
「別になにも悩みとかないから大丈夫だよ、桑原くん…」
「いや、そんなに自分を追い詰めてるんだ、きっとストレスがあるんだろ?」
「追い詰めてないよ!?あ、ああ〜…そういうことね。えーと、わたしは勉強って楽しいと思ってるし、将来の選択肢を増やしたいと思ってるから、自分で好きでやってるだけだよ。もし他に行きたいと思う大学やなりたい職種が出来た時のために今から成績を維持してる方が効率がいいと思うんだ。……伝わる?」
「勉強が楽しい……」
「将来の選択肢……」
「大学……効率……」
「理解できない人種だということは分かったぜぃ…」

 丸井、桑原、由比は青い顔でプルプル震えている。仁王も刹那をドン引きの目で眺めていた。
 そんなに変なこと言ってないはずなのに……。
 たとえば、今は思っていなくても、将来医者になりたいと思うことがあるかもしれない。そうなってから医学部に合格できるラインまで慌てて成績を引き上げるより、常に高いラインで成績を維持していた方が合格のための労力も時間も少なくてすむ。
 つまり、結果的に常から努力している方が効率がいいはずだ。
 刹那は努力家というよりも、究極的な効率主義者であるために、結果的に努力家になったという方が正しい。

「ふふ、白凪さんは大変真面目な努力家なのですね。好感を覚えます。本来学生とはそのようにあるべきですから」
 柳生だけが嬉しそうに眼鏡をクイッとして微笑んだ。刹那はホッとした。針のむしろだったからだ。
「良かった、柳生くんは分かってくれる?」
「ええ、もちろんですとも。塾などは通われているのですか?」
「小学生の時は英会話塾に通ってたけど、今は通っていないの。そろそろ理系塾と英会話塾をまた探そうと思ってるんだけど、もう少し部活に慣れてからかなぁ」
「生活リズムが変わりますからね。後で私の通っている塾をお勧めしましょうか?成績順でクラスが振り分けられる厳しいところなのでやりがいがありますよ」
「本当?何の科目?」
「今は2つ通っていて、1つは英語が本格的ですね。留学生が講師として立ってくださるので、実践的な会話を学ぶことが出来るのですよ」
「本当?そういうところを探してたの!やっぱり今の時代英会話スキルを取得していた方が、どの業界でも重宝されるものね」
「こえ〜よ〜……」
 いきいきと話し合う刹那と柳生の後ろで、丸井が小さな声で嘆いた。

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