「蓮さん、起きて来ませんね…」

「せやなぁ…」


今日はおばちゃんに頼まれて4人でスーパーの安売り行く予定なんに、いつまで経っても蓮が起きてこない。

「あのアホまた寝坊かいな…謙也、起こしてきてや」

「おん」

謙也がパタパタと階段を上っていく。


「ま、蓮さんですからね」

「大方今日の事忘れて目覚ましかけんで寝たんやろ。…ったく、アイツは「うわぁぁぁあああ!?!?!?」


「「!?」」


突如2階から聞こえてきた謙也の悲鳴。
慌てて財前と二人で階段を駆け上がり、ドアが開いている蓮の部屋に駆け込む。


「どないしたんっ謙也!?」

「蓮、蓮がっ…!!!」


謙也が指差す先にはベッドですやすやと眠る蓮が。


「なんや普通に眠っとるだけやない…です、か……」


財前の声がフェードアウトしていく。
不審に思い俺も眠っている蓮をよく見ると、いつもに比べ何となく幼い。
それに布団の膨らみ方も不自然だ。

ごくっと唾を呑み、恐る恐る布団を捲る。
…と、そこにはいつもとは比べ物にならない小さいサイズの蓮が。


「!?!?」

「蓮が小さくなっとるんやぁああ!!!!」


謙也の言うとおり、あのでかい蓮が幼稚園児くらいの大きさになっている。


「な、何なんやこれっ…」

「と、とりあえず蓮さん起こした方がえぇんちゃいます?」

「…せやな」


戸惑いつつ、蓮の身体を揺する。


「蓮、起きぃやっ!!」


『んーっ…』


小さく唸った蓮の声は高くて可愛らしく、冷や汗がたらりと流れる。
しばらくしてパチッと目を覚ました蓮はムクリと起き上がり、こちらを不思議そうに見てくる。



『くりゃ、けにゃ、ひかりゅ…どーしたの?』


「「「!!!」」」


呂律の回っていない幼児のような話し方…間違いない。



こいつ、幼児に退行しとるっ…!!!




「蓮さん…よぅ自分の身体見てください」

『ふぇ?…ひゃぁあああ!!!!』


自分の身体を見て、事態を把握したようだ。


『な、なんで…?』

「分からん…俺ら来たときにはもうこうなってて…」

『ふぇっ…うわぁああああん!!!!!』

「!泣かんどいてぇな蓮ーっ!!」


本当に子供のように大声を上げ泣き始めてしまった蓮。



ベースは蓮の幼い子供がひっくひっくと赤い顔して泣いている。
…これは正直、



『!ふぇっ!?』

「白石…?」


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