コンコンッ
『あいよー』
「ん、俺や。おじゃますんでー」
『ありゃ、蔵…どもっす』
夜、課題と戦っていると蔵が部屋にやって来た。
次元の差だから
「勉強中すまんな」
『ん、いや大丈夫…けどどうしたん?』
「いや、どうしても一回その…テニプリ?やっけ?ちゃんと読んでみたくて…」
『あー…なるほど』
「こっから持ち出したら読めへんやん?せやから、ちょお読ませてもらってえぇ?」
『おkおk。そこの棚に全巻あるからご自由にお読みくださいな』
「おおきに」
たしかに気になるよねー自分出てる漫画だもん…
どうやら最初から行くようで、一巻を手に取り、ソファに腰掛けて読み始めた。
それを確認し、あたしも勉強を再開した。
割と集中していたのか、時計をふと見れば三時間ほど経っていた。
ペンを置き、大きく欠伸をして背伸びする。
イスを反転させ、何巻まで読んだんだろう…と見てみれば、もう最終巻まできていて。
『はっ早っっっっ!!!!』
「よぅ言われる。謙也みたいやな」
しかも最終巻も読み終わったようで、パタン、と漫画を閉じた。
『…で?ご感想は?』
「…まぁ、青学さんの色んな見れんかった試合もよう分かったし、楽しかった。…けど、なんか俺の活躍少ない気ィするわ」
『そっかぁ?お前多い方だぞそれでも…』
「んー…あ、せや。このテニプリん中で誰が一番人気なん?やっぱ越前クン?」
『いや…今、だとすれば意外に蔵だと思うよもう』
「え、ほんま?」
『うん。前なら跡部だと思うんだけど…あぁああちくしょー跡部様の天下時代がぁああああ』
「…蓮って」
『…ん?』
「跡部クン、好きなん?」
『無論!!におちゃんも好きだけどな!』
「にお…あぁ、仁王クンか」
『うんうん。あぁあの二人は何であんなにかっこいいんだろーあああああ!!!』
両手を頬に当て悶える。
「…ふーん……なぁ、ちなみに」
『ん?』
「俺は?」
『え?』
「俺のこと、どんくらい好きやった?」
『あぁ…いや、その。正直、圏外っす』
「はっ…」
『いやっだからその…私氷立なんで、蔵に限らずだけど四天にさして興味は…』
「…ははっ、なーるほど、な」
『な、なんかすんません』
「別に謝ることやないで。特に怒っとらんし」
嘘つけ。目笑ってないぞ。
「せやけど…新鮮やな。自分に興味がない女子おるん」
『えっ』
「だからこそ俺らも安心して暮らせてるんやけどな…っと」
ソファから立ち上がり、自分の部屋に帰ろうとする蔵。
「…でもな、蓮」
『?』
「俺が跡部クンとか仁王クンよりもえぇ男やってこと、直にわかるで?」
パチンとウインクされ、思わず椅子から滑り落ちそうになる。
「アホ。…ほな、おやすみ」
…アイツは何であんなに自信があるんだ。
無駄に赤面してしまった顔に手を当てる。
正直蔵の跡部におちゃん越えだけはぜっっったいないと思う。
が、今みたいに瞬間瞬間、蔵に照れてるのも…また事実だ。
『…へーんなの』
ま、これこそ二次元と三次元の差だよね。
跡部におちゃんと、今の蔵たちは生きてる次元が違うんだし…
きっと、ジャニーズとかにときめくのと同じ心理だうん。
と無理やりまとめて、あたしは風呂に向かった。
無理やりまとめたのは私の方だねはい。
なんか、きっと蓮ちゃんは三人逆トリして何やかんやでキュンキュンすることあるけど、
それは次元の差だから仕方がない、要は浮気じゃないってことを自分に言い聞かせてる…んだと思う←
自分で書いてて主旨が分かんなくなってきたww
×|×
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