わずかな重みと頬に何かが当たっている気がして目が覚めた。

「名前ー、はよう起きいや」

目を開けるとミルクティー色の髪が目に入って視界に違和感を感じる。

「お、やっと起きたんか、おはようさん」

どうやら頬の痛みは目の前の白石がペチペチと私の頬を叩いていたからのようだ。白石は私が目を覚ましたのを確認すると叩いていた手を止めて笑顔で挨拶した。頭が働かない中、とりあえずおはようとだけ返す。

「はよう起きて着替えや。置いてくで」
「う、ん…?」
「アカン、名前寝ぼけてへんか?」

白石ではない声が聞こえて首を動かして顔だけ横を見たら忍足がいた。

「あれ、ここどこ…?」
「お前の部屋やで」

忍足が苦笑しながら答える。じゃあなんで白石と忍足はここにいるのだろうか。だんだん目が覚めてきて、白石が私の上に乗っていることにも気がついた。どうりで重いわけだ。うん、とりあえずあれだ、叫べばいいのかな。

「き、きゃああああ」
「―――――っ、耳元で叫ぶなや」
「あんたがベッドから降りれば済む話でしょっ!!」

グイグイと押して、白石をベッドから降りるように催促するとようやく降りた。私はなるべく距離をとるように壁に張り付く。
しかし驚いたことに今度は忍足が近づいてきて思わず身構えた。

「ちょ、」
「髪、寝癖ついとるで。昨日ちゃんと乾かしたんか?女の子なんやからちゃんとせんとアカンで」

そう言っておそらく寝癖がついている場所をするりと撫でる。
しかし、後から自分のした行動が恥ずかしくなったのか忍足はすまんと言って焦りながらベッドから退いた。

「と、とりあえず!なんでここにいるのっ」
「そんなん、昨日お前が朝起こしに来い言うたからやろ」
「へ?いつ?」
「朝、お前が遅刻してきたとき」
「あ。」

確かに言ったかもしれない。
私は寝起きが悪くて、よく遅刻するのだが、昨日も目覚ましをかけたのにも関わらず遅刻。先生が次遅刻したらテストの点晒す、とか言うから冗談で白石に朝起こしに来てよとか言った気がしないでもない。
でもだからって本当に来なくても。

「え、今何時なの?」
「6時30分」
「は?」
「俺ら朝練あるから仕方ないやろ」

平然と言ってのける白石を殴りたい。

「大体どうして家入れたのよ」
「名前起こしに来た言うたらお前のオカンが開けてくれたで。優しいなあ」

お母さん、何してくれた。お陰で私の貴重な睡眠時間が消滅したぞ。

「とりあえず、はよう準備してくれへんと俺ら遅刻するんやけど」
「知らないし、先に行けばいいでしょ、私もう一回寝るから」
「なに言うてんねん。せっかく俺らが来てやったんやから、行かないとは言わせへんで」
「嫌だ、おやすみー」

白石がうだうだ言ってるけど知らない。布団を被って周りをシャットダウンして寝る準備万端。あと1時間は寝れる。

「寝よったで」
「はあ…仕方あらへんな…こうなったら俺が無理矢理にでも着替えさせて連れてくで」
「は!?」

思わず布団から出て上半身だけ起き上がる。すぐににやりと笑う白石の顔が目に入った。

「さて、着替えよか?」
「やめい!その手を引っ込めろ!」
「着替えへん名前が悪い」
「きゃぁぁあ、こっち来るなあ!分かった着替えるから!着替えるからやめてぇぇえ」
「分かればええんや」

清々しい笑顔を浮かべる白石をやっぱり殴りたいと思った。大体、忍足も何故止めようとしないんだ。

それから毎日彼らが私を起こしに来たため私が遅刻することは無くなった。







秋瀬より相互記念にいただきました\(^o^)/

3-2あかん3-2うぉぉぉ!!
私ならむしろ寝て白石さんに着替えさせられるルートを←
起こされてぇ3-2に…けど私寝起きひどいからなぁ(´・ω・`)

こんな素敵な小説をありがとうございますー\(^o^)/

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