太陽に焼かれた剣の話





 空を失ったこの手をあなたは抱いた。あなたに認められる資格がこの身にあろうか、ましてや愛情など望めるのだろうか。そう躊躇うこの手をあなたはしっかりと掴んだ。崩れるようにあなたに凭れるまい、と抗っても抗っても、折れざるを得なくないのは、その真剣な眼差しの所為だろう。

 肌を合わせると、少年だった頃を思い出す。あの頃と較べるならば、随分まともな大人になったと思う。ただ、目の前のあなたはあの頃と何一つ変わらない。それがこの心にまた新たな罪悪の感覚を植え付けるのだ。



 熱い。心が汗から融けだすようだ。心が融けてあなたに伝わればいい、一瞬そう思ったがすぐに撤回した。伝わって何になろうや、伝われど解されはせぬ。
 肉体の交合など何になろう。愛していた、愛している、愛しています、こんな言葉に何の意味があろう。あなたへの気持ちが言葉になど出来るはずがないというのに。




Usted fue mi Domingo.




 少年だった男の唇をついて出た言葉は、意味を解されず流れ落ちた。
 いつしか男の脳裏には空が描かれた。燦々と輝く太陽に羽根を焼かれた男の物語をぼんやりと思い出していた。だらんと投げ出しているこの腕は、その焼かれた羽根に相当するだろうか。




*

わけがわかりません。
復活したのかな……


 




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