「君は今日から一人の淑女だ」
「淑女……?」
「そう、レディだ」
 トレーズは少し屈んで、少女の瞳を見た。真剣な青い眼差しで、心臓まで射抜かれる。胸まで響くその声で、少女の胸は高鳴った。
「これからの君は、レディ……そう、レディ・アンだ。もっと、笑っておくれ」

「はい、わかりました、トレーズさま」
 淑女と呼ばれた女は、輝くような笑顔を見せた。それを乞われたからではなく、彼女は本当に心から幸せだったからだ。
 女は今も、その想いを忘れることはない。




魂に誓う想い
(わたしを愛してくれたあなたのためだけに、わたしは生きてゆく)




*

 お題はAコースさまよりお借りしました。
 妄、想、です!
 田舎娘だった彼女を完璧な淑女に教育したのはトレーズ閣下らしいと聞いてつい……


 





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