00:17 夢よ、よき友よ


夢よ、よき友よ

2011年の年末にどハマりしていた『摩利と新吾』にめらめらと再燃しています。

きっかけは著者・木原敏江先生の特集本『木原敏江・エレガンスの女王』の出版でした。先生へのロングインタビューや萩尾望都先生・青池保子先生との鼎談、そして漫画やイラストの収録、さらに先生の年表などなど読み応えたっぷりの本でした。
こちらを購読して久々に木原敏江先生の作品を読みたくなり、ほかの短編から読み始め、ついに1冊だけだから……と思いながら『摩利と新吾』に手を出してしまったのです……。もちろんついつい全巻読んで泣いてしまい、おまけに夢殿先輩にめちゃくちゃキャラ萌えしてしまい、昔は買わなかった摩利と新吾の連載終了記念特集本『しまりんごスペシャル』も購入しました。

木原敏江先生作品の絵もお話もあふれる詩情も大好きで、歴史物らしい時の流れの描写も最高に好みですが、夢殿先輩を目の前にするとただのキャラ萌えの腐女子になってしまっています。昔はここまでじゃなかったような……。

初読ではとても大人に見えていた夢殿先輩、6年前には完全に摩利派だった私は「夢殿先輩……あんたの気持ちわかるわ……」といったような気持ち(共感?)だったようなのですが、今回読み返すと自分でもよくわからないくらい夢殿先輩が可愛く見えてしまい、夢殿先輩の異母兄弟かひ孫になりたい気持ちでいっぱいです……。
自分が年食ったからそう思うのかもしれないのですが、夢殿先輩めっちゃかわいいですよね……。
彼もまた悩める若者じゃないですか……。
高学歴長身美形(顔がとてもかわいい)で文武両道で政治家の正妻の息子で超ボンボン、しかも性格もいい、おまけに姫カット(かわいい)だけどちょっとざんねんな夢殿先輩……。一生に一度の恋が叶わない夢殿先輩……。

6年前も気に入ってはいたようなのですが、その時自分が夢殿先輩をどう思っていたのかはっきり思い出せなくて不思議です。らくがきもしていたような記憶があるのですがほぼ残っていない……。
何はともあれその時も遥←夢殿にめちゃめちゃ萌えていたようなのに作品を一切かきのこしていない当時の自分に憤りを隠せないので、今回はかいておいてのちの自分を喜ばせたいところではあります。

遥←夢殿やばいんですよ。
序盤の夢殿先輩による遥への執拗なチュー、遥は夢殿のそういう行動はイヤがってるけどそれがなければいい奴と言っているところ(恒常的チュー)、相棒的扱いをされている雰囲気(肩にべったりくっついてるくらいなら遥も気にしていない)、あれギャグとして扱われていますがマジのやつですよね……。
夢殿先輩から摩利へのチューや気持ちも序盤は緩和の要素として扱われている雰囲気でしたが、摩利から新吾への気持ちが描かれるにつれどんどんマジになっていき、ついに肉体関係を……。
裏を返せば遥に対してもマジ恋だったのでは?と思うと1話で夢殿先輩恋破れた後に好きな男のために一生懸命頑張ってるのか……と思うと完全にギャグ扱いだったチューにも切なさが滲むような気がします。
1話めより前の夢殿先輩の人生が知りたいです……。
夢殿先輩の異母兄になりたい……。一生切れない絆をもって夢殿先輩の人生をちょこちょこ覗き見したい……。夢殿先輩、大人への愛想めっちゃいいし結構懐いてくれるのではないでしょうか。
木原敏江先生作品世界の異母兄弟って結構仲良い(仲良いを通り越してる時も多々ある)しめっちゃなりたいです……。
そしてとにかく夢殿先輩が遥と再会する話が読みたいです……。2人とも話すネタはたくさんあると思うので……。夢殿先輩酒めちゃ強いらしいので2人で酒でも呑みつつ……。

夢殿先輩の摩利への気持ちも切ないというか、かわいそうないとしい摩利の擬似親になってめっちゃかわいがりたい!と強く強く思っているのに結局それは叶わない夢殿先輩かわいそうすぎではありませんか!?
結局「いい先輩」なんですよね……。
ゆめまりに萌えるかといわれると微妙なのですが夢殿先輩が一生懸命恋してるので……恋……欧州まで来ちゃって「追ってきた……」のところとか「アーッ!!恋!!かっかわいい!!恋じゃん!!」と応援したくなってしまいました……。かわいいです。

あと遥が夢殿先輩のこといい奴だって言ってましたけどほんとになんだかんだいい人ですよね。青太にもすぐほだされちゃうし、おさななじみの姫花ちゃんにも優しい。姫花ちゃんのこと本当に妹みたいに思ってるから「大好き」「かわいい」とか言っちゃう夢殿先輩まじ……何なんですかね……。素直にかわいくて大好きなんでしょうね……。新吾のことも大好き(エロい意味無しで)だし元気で一本気な子をかわいいと思うんでしょうね……。姫花ちゃんが桃太郎先輩と結婚してからもそれなりに会っていたらかわいいなあと思います。
あと摩利を追って欧州に行くために乗ってる船で新吾を追って密航してきた一二三ちゃんを見つけた時もシンパシーを感じて引き取って連れて行ってあげるし……。すでに顔見知りなのもあるのでしょうが、あの場面でシンパシーを感じるってよっぽどですよ。いい奴かよ。

夢殿先輩は正妻の子で、それで父親とおんなじ政治家になるということは彼自身の意志のようですが、その生い立ちがある程度本人の人生を縛ってもいるところが結婚から逃げまくる夢殿先輩の描写でよくわかるのもいいですよね……。1話で同級生だったともだち(遥、飛竜)は2人とも好きな人と駆け落ちしてるのでより際立つ……。

1話からずっといて、摩利と新吾の次にたくさん描かれていて、2人をずっと見ていて、2人のことが大好きな夢殿先輩、もう本作のヒロインなのでは?と思ってしまいます。摩利と新吾に関わる女子もかわいいんですけど、女子よりヒロインでは……?
メンタルたくましいし……(※木原敏江先生作品のヒロインはメンタルたくましいことが多い)
摩利と新吾はどっちかがヒロインというわけではないところも大好きです。

大蔵省勤務を経て政治家になる夢殿先輩、異母兄弟が3人いて自身も異母兄弟を複数作成するようなので夢殿先輩の遺伝子がガンガン受け継がれていく世の中に不思議な気持ちになりつつ……当時の出世した男の甲斐性ってそこな感じします!あと夢殿先輩は女性が苦手というわけではないのは作中でもわかっていたし納得は納得です……。ちょっと摩利似もちろん別人のクール系美女を1人くらいは手に入れてほしいですね……。
そんで男の愛人も囲うんでしょう、わかります……。しまりんごスペシャルでも言われてましたがどのお家でもうまいことやってるんでしょうね。だって夢殿先輩ってちゃんと周りの期待に応えるので……。
まあまあ複雑な生い立ちなのにどこもひねくれてないところもハァ〜本当に育ちが良い……という感じですね……。彼はそんなにせこい人間ではないみたいななんか手嶋純太みたいなこと言われてました……。
別に夢殿先輩は手嶋純太と似ているわけではないのですが、「サポートしてくれる先輩」が大好きになったのは手嶋が大好きになってからかな、とも思います。

今とは違う実在の時代を生きているどの人物に対してもそう思うのですが、現代の人だったらもっと違う人生があったのかもしれないなと思います。

夢殿先輩、長生きしそうですししてほしいです……。
春日夢殿(1889-1970)?
孫なんかたくさんいてそれなりに良い人生であってほしいんですが、そういう人が本当に欲しいものを手に入れられていないのが戦国時代から好きなんです。夢殿先輩。強い人だから強く生きていくのでしょうが、それはそれで悲哀があって、そこが好きです。





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