「あまね」

「え？何？阿部くん」

いつもと少しだけ違う空気をかもし出していたからほんのちょっぴりだけど…。　
ドキッとした


「…あまね」

「うん」

何を言い出すのかと思ってごくりと唾を飲み込んだ。
「隆也の此処空いてるぜ」
……え、何？これ。

阿部くんは恋人が肩を組むような感じを一人でやっていてその空いている空間をポンポンと叩いた。

……此処に来てくれと言うのだろうか？
　
もし、そうだとしても私は行かないからね！というかさっきまでの私の緊張感を返せ!!

「そんな連れない事言うなよあまねー」

「なんで私の心読めるの!?」

「ん？ほら、オレとあまねは一心同体だから」


ニマニマしながら当たり前だ。と、そんな顔でで言っているか思考が同じな訳がない。

それに私のプライバシーは無視か、無視なのか？


「ハァハァ、あまねの思っていることが分かる、分かるぞー！」

「ひぃぃーっ。此方来ないでぇ！」



(あまね。隆也の此処空いてるぜ。)
(此方に来ないでええ!!)


　
　


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