ラブレター事件

「お、花井じゃーん。おは…?どした?」

「………」


朝からテンションの高かった水谷は、いつもと様子の違う花井に気付いた。


「ラ…。」

「?ラ?」

「ラブレター…貰った。」

そう言って花井は顔を赤く染め上げて小声で喋る…乙女のように。


「えぇ!?嘘!見せて見せて!」


花井の手に持っていた手紙を引ったくり手紙の中を覗いた。


「…犬好き、です?」

「…あぁ」

水谷はあれ?等と言いながら何度も見直す。


「犬好き、だな」

「あぁ、犬好きだ」


何度も見直してもそれ以外の何者でもない。


「これ、ラブレター…だよな?」

心配そうに聞き返す花井に「多分」と水谷は苦笑いしつつ言った。


「お、桜井とうとう花井に告白したのか」

「阿部その子の事知ってんの!?」

ひょっこりと現れた阿部が爆弾発言をした。


「おぉ、だってソイツずっとお前のこと見てたからな」

「えっ!?オレ!?」

そうお前、と阿部に指を指された花井は驚く。


「でも、これ…犬好き…」
「緊張でもしたんだろ、本人にでも聞いてみたらどうだ?」

アイツドジだからなと花井から手紙を受け取って内容を確認した阿部は言った。

「………。」



(桜井あまねさん…だよね)
(は、はい)
(これって犬好きになってるんだけど…)
(えっ?あ、本当だ間違ってるー!ごめんなさいっ)
(良かった…本当だったらどうしようかと思った)


 
 


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