▼ 手つなぎ隊
ど、どうも。
こんにちは私、桜井あまねって言います。
えと、一応三橋くんの…彼女、です。
この間頑張って告白したら三橋くん、ビクビクしながらも。
「オ、オレでよければ、お、お願いっ、します。」
嬉しすぎて思わず三橋くんに抱きついたらウヒッ!?とか言いながらもそのまま受け入れてくれた。ただ単に、動けなかっただけかもしれないけれど。
あれから何もない。
ただ…。
あるとすれば。
一緒に登下校をするだけで何気なく。
本当に何気なく、手とかを繋ごうと思っていたら、三橋くんに物凄い勢いでかわされてしまった。
この日から私は、手を繋いで帰ろうと努力を重ねたのでした…。
………。
「こんなの…絶対ムリに決まってるー!」
手を繋ごうとすると、ことごとく三橋くんに打ち砕かれる。
「三橋くんは私の事。嫌いなの…?」
とうとう、ポロポロと泣き出してしまう私。
三橋くんはその事に驚いたのか、オロオロしだした。
「ど、どうした、のっ!?
あまねっちゃん」
「三橋くんが…。」
「オ、オレが?」
「手繋いでくれないの!」
うわああん!と泣く私にキョトンとしだす三橋くん。
「あまねちゃん、手、繋ぎたかった、の?」
「…うん」
「言ってくれれば、良かった、のに」
「え。」
「はい。」
おずおずと差し出された手を繋ぐ…嬉しい。
(どーして手、繋いでくれなかったの?)
(ウヒッ。あまねちゃん、怖かった、から。)
(あぁ、オーラが出てたからなのね…。)