眼鏡は最強の武器


いつもの何気ない日常が毎日来るあいつの一言で壊されることになる。


「おっはよう。西浦のお母さんっ」

「お母さんじゃねぇって言ってんだろ…ったく、はよ。あまね」


毎日繰り返されることに、ゲッソリしながらも一応(ここ重要!!)挨拶をしておく。


阿部からには「お前ら、よく飽きねぇでやってやれるな。」そう言いながら、軽く鼻で笑われ、水谷にいたってはあまねに相手にされてない。



もし、したとしても。

「あ、いたんだ。」

ぐらいで、水谷がヘコむだけだ。



「梓〜。次の授業なんだったっけ〜?」


机の中をゴソゴソあさりながらあまねが聞いて来る。

あぁ…。

そういえば、あまねはアイツ等(九組)と性格が似てるんだったな。

女なのに大雑把なヤツだよな。あまねって。

「ちょっと!梓、次の授業なーにって聞いてんのにっ。…てぃっ」

どすっ

「ーーーーっ!」


こいつ…。
"ていっ。"とかあまねは可愛く言ってはいるが、破壊力がハンパない。

叩かれた所を擦りながら、机をあさりあまねの前に教科書を出してやった。

「オーラル?…はぁ〜。あたしあれ、嫌いなんだよな…。」


間抜けな声をあげため息をするあまね。
 
まぁ、そうだよな。前にすっげぇ苦手だって言ってたからな。

すごすごと立ち去って行くあまねを見ながらバックの中をあさる。

お、あった、あった。

次は…え、ー…と。

ん…なんだ、あまねが凄い顔でこっちを見てる?


って、うおぅ!

あまねに肩を捕まれた!?何故!?

「ちょっと!あたし聞いてないよ。梓が…眼鏡かけてたなんて…っ」


…はぁ!?眼鏡って…。

「あたし。大好きだよ。
…眼鏡!!」


あの…。
そんなキラキラした顔で言われても…。


「あたし的には眼鏡をかけた人は三割増しの男前になるんだ。だから!あたしの中では眼鏡は最強の武器なんだよねー」


うわぁ…。
なんか地雷、踏んだっぽいよな、オレ…。


嬉々として語り出すあまねを見てそう思った。

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