栄口君の場合


やった。栄口君だ!!
栄口君優しいから私好きなんだよね。
 
 
 
「桜井さん、大丈夫?」
 
「うん、平気だよ。栄口君優しいし、私は大歓迎かな」
 
笑顔で言う私。そうしたらいつの間にか栄口君の態度が急変した。 
 
 
「へぇ…?じゃああまねはオレのこと好きなんだ?じゃあさ…キス以上のことしちゃう?」 
 
 
 
…あれ?
 
「栄口君?」
 
「なに?あまね?」 
 
貴方は本当に栄口くんですか?そう聞きたかった。そんな訳ないよね、あの優しくて自分が採ったフキにちゅうしちゃうくらい無垢な野球少年があんなこと言う訳ないじゃない。そうよ、これはきっと夢。
 
 
「夢じゃないよ?」
 
 
夢じゃなかったあああ!!
あの優しくて天使なジェントルマンな栄口君は何処に行ったの!?
 
 
「ほら、ポッキーくわえて」
 
「むー…。」
 
栄口君怖い…。 
 
「ハァー…ほら、オレはいつものオレだろ?」
 
「う〜・・・。」
 
「そんな目で見るなよー?」

潤んだ瞳+上目遣いってヤバくないか!?
 
 
「桜井さんほーら。おいしいポッキ―食べないの?」
 
 
あ、いつもの栄口君だ、あれは夢だったのね!!

「ポッキー食べる」
 
「じゃあハイどうぞ。」
 
モグモグ
 
 
 
「…?」
 
「どうしたの?あまね?」
 
「栄口君は食べないの?」 
「オレは、いーの」
 
 
モグモグ…。
 
ちゅう。
 
「ありがとうね」
 
「………。」
 
 
 
 
 
(やったぜ、あまねからキスしてもらっちゃった)
(ずり―!!)
(なんか文句あるの?)
(イエ、何も!!!)
(…?何話しているの?)(あまねはいいんだよ〜)
(・・・。)

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