君に捧ぐ | ナノ
感謝。

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結局私は泉くんにの優しさに甘えて思い切り泣いてしまった。目は赤く腫れ上がってしまって恥ずかしい気持ちになったが、さっきよりはすっきりした気分になった。
 
 
「泉くん…ありがとね。それと変な所見せちゃって…」 

涙で濡らしてしまった服のことも謝る。
 
 
「別に、こずえが元気ねぇと調子狂うからな」 
 
そう言ってから泉くんは悪人のような顔をしてニヤリと笑った。そんな顔も今の私には有り難かった。
 
 
「…泉くん?もしかして遠回しに脳天気って言ってるでしょ!?」
 
「あれ?そうじゃなかったか?」
 

にやり。
そう言って意地悪そうな顔をして笑った。
 
 
「むー。酷くない?女の子に向かって」
 
「あれ、お前、女だっけ?」
 
「んなっ!!」
 
 
ぷっ。
 

「「あはははっ」」 



なんとなく、泉くんなりに元気づけようとしてることに気付いた。


「泉くん、ありがとね。もう平気だから、教室に戻ろっか」
 
 
だから感謝の気持ちを込めて笑顔で言う。
 
 
「おう!」


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