「ん……」

「ふっ、あぁ……!」

剥き出しの背中に、ちゅっちゅっと湊の唇が落ちる。背筋がぞくりとわなないたところで体の奥まで指を埋め込まれ、遥は浴槽の縁をきつく掴んだ。

「よし、とりあえずこんなもんだな。流そっか」

背中や腰を伝い、流れ落ちてくる泡にさえびくびくと体を震わせるようになった頃、湊は指を抜いてシャワーの湯を出す。ぬるめかどうか手で確かめてから、遥の泡を洗い流していく。
風呂に入ったばかりの時は温かいシャワーが心地よかったのに、今は肌を打つ湯がくすぐったい。湊は小さく笑った。

「敏感だな。ここは気持ちいいかもよ?」

「はぅ……っ」

しばらく触れられなかった乳首に至近距離でシャワーを当てられ、水流が勢いよく穿ってくる。すぐにぷくりと尖り出したそこを執拗に責められ、遥はぐいぐいと湊の腕をどけようとした。

「だーめ。泡残したら困るし、ちゃんと洗い流さないと」

「もっ、いい……からっ、やめ……んぅっ」

湯が当たるたびに、乳首がじんじんと痺れたような感覚を伝えてくる。あ、と湊が嬉しそうな声を上げた。

「遥は感じやすいから、ここいじめるとこっちを汚しちゃうはずだよな」

そう言うなり足を開かれ、露わになった場所に湯が降り注ぐ。ふるりと遥の太腿が揺れた。

「やぁっ、あ、あ……っ」

いつも湊に擦られたり舐められたりしているのとは違う刺激に、遥はぎゅうっと湊にしがみついてこらえる。湯が当たって伝い落ちるたびに、ぴくぴくと遥自身が震えた。

「ん、先っぽのほうが気持ちいいのかな」

「ひゃぁんっ」

遥の反応を窺いつつ、湊は蜜の溢れ出る場所を集中的に責める。その上膝立ちになるよう促され、遥は浴槽の縁を掴んで力の入らない腰を何とか持ち上げた。

「こっちはデリケートだから、シャワーなんかに任せられないな」

「ひあっ、あ、や……ぁっ」

滑りを良くするためだけに使ったので、幸い体内にはあまり泡はない。そこを湊が指でかき出しつつ、前はシャワーで弄られる。前後をそれぞれ責められて、体を支えている膝ががくがくした。

「も……、あらった、だろ…っ!」

泡なんてとっくに流されているだろうに、湊はしつこく悪戯を仕掛けてくる。やってみたかったんだよ泡とシャワープレイ、と小さく呟くのが聞こえた。

「敏感だからついいじめたくなっちゃうし。ね?」

「んんぅ……っ」

ぐいっと顎を取られ、そのまま唇を塞がれる。舌にねっとりと絡みつかれて、遥はただ、されるがままに体を震わせるしかない。

「っふ……んぅっ」

最後にちゅぽんと舌を吸われて唇が離される。キスの余韻に浸り、くったりともたれている遥の体を優しく抱き上げた。

「さーて、入ろっか」

力の抜けた腕を上げても大した抵抗にはならず、お姫様抱っこのまま湯につかることになる。遥は諦めて手を伸ばし、湊の首にしがみついた。

「あったかいな」

「ん……」

背中を起こされ、足をすとんと浴槽の底に下ろす。湊の上に座っている状態だ。

「あ、あったかいってお湯じゃなくて遥が。はぁはぁ、遥の柔らかくてかわいいお尻がこんなところに」

「ひっ!」

ぎゅむっといきなり腰を掴まれ、遥は驚きに目をみはる。触るだけでは止まらなくなった湊の手が、丸みのある柔らかさを堪能するように揉みだした。

「はぁはぁ、たまんない」

「やぁっ、へんたい……っ」

恍惚の表情で男の腰をまさぐる姿は変態以外の何物でもない。湊の荒い息が遥の首筋を掠めた。

「ひゃう……っ」

湊の指がするりと狭間をなぞる。ほぐされたそこがひくりと反応したが、遥はきゅっと閉じようとする。指をねだるほどいやらしい体にはなっていないつもりだった。あくまで"つもり"だが。

「そうやってぎゅって閉じられるとさ」

湊の低い声が浴室に響く。それだけで頭の芯がどろどろに溶かされていく気がした。

「おっきいので無理やりこじ開けたくなっちゃうな」

「ひ………っあ!」

熱くなった湊のものを押しつけられ、遥は入口に力を入れる。今にも入ってきそうな楔が触れると、ずくんずくんと体の奥から疼きが込み上げた。

「やっ、だめぇ……っ」

「遥って、わざとだめだめ言いながらえっちなことされんの好きだよな。ほら、拒めるなら拒んでみたら?」

湯の中で、湊の先端がぬるぬると入口を探るように動く。それに合わせて内壁がひくつき、拒む力が弱まってしまう。

「やぁっ、あんっ、はい…っちゃ……っ」

体の疼きには勝てず、ほぐされた場所が先端へ吸いつく。あとはもうなされるがままだった。

「そろそろ諦めような」

「ああぁ!」

ひくつく中を奥まで満たされ、きゅうう、と内部が収縮する。少し動かされただけでもねっとりと内壁が絡み、湊の熱をしっかり包んでいる。

「んっ……遥、気持ちいい? 中がびくびくしてる」

「あっ、あっあ……んぅっ、ぅごくな……っ」

湯がちゃぷちゃぷと跳ねるのもお構いなしに、湊は腰を打ちつけてくる。みっちりと覆い尽くした内部を容赦なく穿たれ、さっき入念に洗われた場所も透明な雫を湯に溶かしていた。

「こうやって……中に出す時に腰掴まれるのも好き、だよな?」

「ん、あっ、はあぅっ」

奥まで貫かれたまま、腰をぎゅっと固定される。中の楔を絞り尽くすように締め付けてしまい、湊がくすりと笑った。

「ほんとドMなんだから。ここでしっかり受け止めろとか、そういう台詞好きだろ」

「んぁっ、すきじゃ、なぃ……っ」

体の奥からとろりと溶けるような感覚なんて知らない。それにしては内壁がきゅうきゅうと湊に吸いついて仕方ないのだが、遥はまだ認めたくなかった。

「ほんとに? じゃあ試すかな」

「ふあっ」

くるんと体の向きを変えられ、湊の上に座ったまま背後から手が伸びてくる。きっちりウエストを固定し、ずっ、ずっと楔が抜き差しされた。

「ああっ、ぁっ、あ……はっ、も、でちゃ……っ」

「ん、俺も」

頷いた湊は、かぷりと遥の耳を甘噛みしてくる。熱い剛直で何度となく中を突き上げながら、とびきり低く甘い声を吹き込んだ。

「一滴残らずここに出しちゃっていいよね?」

「だっ、だめっ……あっ、あああぁっ!」

遥は絶頂に達しながら、どくんと中に熱が放たれたのを感じる。その一切を流し込むように、湊は掴んでいた遥の腰をぐっと密着させた。

「ん……出てるの、わかる?」

「やあぁ………っ」

よほど恥ずかしいのか、それとものぼせる寸前なのか、その頬は真っ赤だ。それでもなお、内壁は最後の一滴まで欲しがるように絡みついた。

「も……だめ……ぇ」

くたりと湊に体重をかけ、遥は荒く息をしている。

「お疲れ様。でもこれから、中に出したやつ掻き出さないと」

湊の明るい声に遥は愕然とした。

「やっ、ふざけんなっ」

「だって出さないと遥がつらいぞ? あ、風呂って後始末が楽でいいよな。これからは週一くらいで」

「やらないっ!」

そういえば最近、一緒に風呂に入らなくなったのは以前にもこうしたことがあったからだった。遥は唇を結び、次こそは湊のおねだりに負けないようにしよう、と心に決めた。



***
あほえろスーパーピンクタイムでした。風呂入るといっつもこうらしいよってか湊は完全にそれ目的です。以前はナイロンタオルプレイだったとか何とか(^0^)



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