「だっ……から、あらう……て、ちが……ぁっ」

「これで正しいんだろ? たぶん」

ぬるりと滑る泡の感触のせいで、いつもより指の動きを過敏に感じてしまう。泡を塗りたくるように指先で乳首を弄られ、タオルの下の自身が熱を持った。

「体全部、こうやって洗ってあげる」

「やぁ……ぁっ、んっ」

胸を離れた手が、泡を纏って首筋を撫でる。ただでさえ性感帯なのに、焦らすように手のひらが滑れば腰の奥がずくんと疼く。もう片方の手は腹をなぞって腰骨の辺りへ向かった。

「はぁ……んぅ…っ」

体の外から内にかけて熱が広がる、もどかしい快感に腰を揺らすと、湊がしたたかな笑みを浮かべる。ボディソープを足しながら、ほぼ全身へ丁寧に触れた。

「遥、泡まみれでかわいい」

白いふわふわの泡を衣のように纏う姿は純な子供らしいのに、頬や耳は真っ赤に、白い肌もほんのりと桜色に染まり、どこか妖艶な香りを漂わせる。湊は満足そうに、遥の額へキスを落とした。

「ぃ……から、ちゃんと…っ」

物欲しそうな瞳に熱っぽく見つめられては、湊も少しばかりどきっとする。小さく頷き、遥の前にまわった。

「ほんとに堪え性がないよな。ほら、ここ」

「やだ……っ」

湊はまだ触れていないのに、全身を軽く刺激されただけで中心が反応してしまう。湊に視線で示されたそこは、湯で張りついたタオルを僅かに押し上げていた。
遥はふるふると頭を振ってそこを両手で隠そうとしたが、湊が両膝を掴んでぐいっと開かせる。巻かれたタオルはスカートのようで、こうするとその中身がしっかり見えてしまうのだ。

「うわー、えっろ。これ全裸よりいい眺めかも」

「ぃやだっ、やめ……っんん!」

開かせた脚の間に湊が体を割り込ませ、タオルの結び目を口にくわえる。緩い固結びのそれを歯で器用にほどくと、濡れたタオルがずり落ちて自身の先端が顔を出した。

「この透明なの、水じゃないよな?」

「んぁ……っ」

先端をくりくりと押し込み、そっと指を離す。遥が何も言わなくても、つーっと糸を引いたそれが雄弁に答えを語っていた。湊は濡れたタオルを剥がし、ひくひくと震える花芯じっと見つめる。

「そっ……な、みるなっ…」

「ここは嬉しそうだけど? あ、また溢れてきた」

湊の眼前に晒されていると思うとそれだけで羞恥が高まり、とぷりと快感の証がこぼれていった。

「泡で洗う前に、まずはきれいにしよっか」

「え…ぁっ、やぁ!」

湊が顔を伏せると同時に、生暖かい感触ですっぽりと包まれる。びくりと遥の背が弓なりにしなった。

「あっ、ぁっ、やぁ……んっ、あぁ!」

周りについた先走りを舐めとり、先端をきつく吸われると脳天を突き抜けるような快感が流れる。濡れた黒髪に手を差し込み、遥はびくびくと腰を震わせた。

「あ、っぁあ、待っ……ぁ、あぅ」

「ん……声、凄い響くな。いいよ、我慢しなくて」

浴室中が淫らな声で満たされ、そこに吸い上げたり舐めたりと水音が混じる。鼓膜さえもがその音に犯され、より遥の興奮を煽った。

「もうちょい脚開いて? よいしょ……」

「んっ、ふぅ……あ、あっ!」

ゆっくりと開脚させ、先端から下まで舌を這わせる。後孔の辺りまで唾液で潤されて、遥はぶるりと四肢を揺らした。

「も、やっ……はなせって、あんっ」

ぐいぐいと湊の頭を押しやろうとすると、先端にかぷりと優しく歯を立ててくる。それだけで達しそうになったのを何とか堪えたが、次もやり過ごせる自信はない。なのに。

「こうしないときれいにならないぞ? ここももうぴくぴくしてる」

「ふあぁっ」

くすっと笑いをこぼして、湊は両手を伸ばす。その指先が、さっきの刺激で赤みを増した乳首を擦り上げた。

「やっ、ぁんんっ、だめ……ぇっ、ぁあ」

泡がついたままの乳首をくにゅくにゅと揉み込まれ、その快感が流れ込む場所をじんわり暖まった粘膜が擦り、時に卑猥な音を立てて吸い上げる。頭の芯まで溶かされそうな愛撫に、我慢できるはずがなかった。

「あっ、やぁ……んっ、でる……っ」

がくがくと膝が震え、我慢していたものを全て湊の口内へ吐き出してしまう。それをこくりと飲み下し、残滓まで丁寧に吸い取って、湊はやっと顔を上げた。

「そんなの、飲むな……っ」

何度も経験しているのに、遥は未だに恥ずかしくて仕方ないようだ。湊は唇を避け、火照った頬にちゅっと口づけた。

「そういう顔されると、もっといろいろしたくなるんだけど」

「ん……っ!」

達したばかりのそれに指を絡められ、遥がぎゅっと目をつむる。と、ぬるりと冷たい液体が塗られてすぐにわかった。

「あ、やっ……もう、あぁっ」

「きれいにした後は泡で洗うって言っただろ? まだこんなに硬いよ」

ソープを泡立てるためにぐしゅぐしゅと擦れば、敏感なそこが再び芯を持ち始める。確かめるようにきゅっと握り込まれて、甘く喉を鳴らしてしまった。

「遥、ちょっと椅子から下りて」

「ん、あっ」

遥の手を引いて湊が誘導し、椅子を滑り下りて浴槽の縁を掴ませる。そのまま軽く正座するような形にさせ、尻と足首の隙間に湊の手が入り込んできた。

「まだここは洗ってないし」

「やっ、さわんな……ぁっ」

泡のついた指でぬるぬると狭間を撫でられて、閉じられていたそこが徐々に熱を持ち始め、湊の指にきゅっと吸いつく。明るい場所でそんなところに触れられている状況がたまらなく恥ずかしくて、縁を掴む手に知らず知らず力がこもった。

「繊細なところだもんな? 優しくしてあげないと遥が困るだろうから」

「んぅ……!」

入口を揉みほぐすように押されつつ、指がゆっくりと中へ含まれる。ぬめりを纏った指は奥まで簡単に侵入を果たし、ちゅくちゅくと音を立てて抜き差しされた。

「ひっ、ぁあ、んっ……は…ぁ」

「遥、洗ってるだけなのにさっきから気持ちよくなりすぎじゃないか?」

冗談混じりの台詞と共に二本めの指をぬるんと呑み込まされ、文句を言うために開いた唇から甘い声がこぼれる。

「ふぁっ……っあ、おまえが、んっ……へんな、ことする…から……ぁっ」

「変なことはしてないだろ。体の隅々まで洗ってあげたいだけだって」

二本の指がぐっぐっと奥を突き上げてくると、敏感な粘膜が意思とは関係なく絡みついてしまう。貫かれたと同時に締めつける動作は、もう何度となく湊を受け入れたことで体が覚えてしまっている。
切なく震える内壁をぐちゃぐちゃにかき回され、自身から溢れた蜜が白い太腿にぽたぽたと落ちた。

「あーほら、だめじゃん。きれいに洗ったのに、また汚してる」

「ちが……っ」

違うわけではないが、その原因である張本人に責められるのは何だかおかしい。けれどそれよりおかしいのは、恥ずかしい事実を指摘されたことで体がぞくぞくしてしまう自分だ。


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