「何でイかせてほしいか、ちゃんと言えるよな?」

艶めいた表情をゆっくり湊のほうへ向け、遥はぽってりと熱を持った唇を開く。

「ほし……も、おまえの……っ」

「んー…もうちょっと焦らしたかったけど、俺も早く入れたいからなぁ」

まぁいっか、と触れるだけの口づけをして、遥と位置を変えるように湊がベッドに寄りかかる。自らのウエストを緩めると、遥がこくりと物欲しそうに唾を呑み込んだ。

「上においで。遥も好きに動きたいだろ?」

自分の膝を跨がせるよう誘導し、濡れそぼった場所に先端を付ける。ぬるぬると擦り合わせて馴染ませると、我慢できないと言うように遥が腰を揺らした。

「はいはい。押さえてるから、自分で入れてみて」

立ち上がりきった欲望を手で支えてそう言えば、遥は湊にしがみついて腰を沈ませていく。ぐぷん、とそこが湊の形に広がり、健気にきゅっと締めつける。は、と湊も短く吐息をこぼした。

「もうちょっとかな。ほら、早く」

「あっ、やっあああぁっ!」

痺れを切らしたのか、湊が遥の腰を掴んで一気に引き下ろす。途端に中の粘膜がきつく絡みつき、遥の体がびくびくっと震えた。

「あ、ごめん。イっちゃったか」

自分と遥の腹を濡らしたものをぬるりと手のひらで塗り広げ、全く悪びれた様子もなく湊は笑う。絶頂の余韻に、遥は甘い声をこぼすばかりだ。

「まだ入れたばっかだろ? 俺はイってないし、ゆっくり楽しまないと」

「はぁんっ」

腰をぐるりと回し入れてやると、達したばかりで敏感な内壁がひくりとわななく。湊は楔を抜き差しするのではなく、中を静かにかき混ぜるような動きを繰り返した。

「遥の中、凄い熱くてとろとろで気持ちいいよ」

「あっ、あ、やぁ……っ」

湊の頭を抱え込むようにすがりついている遥は、言葉のひとつひとつに反応を返してくれる。甘い声だけでなく、唯一繋がった部分でも素直に湊を悦ばせた。

「遥も気持ちいい? こんなに絡みついて、ここもほんとに淫乱だな」

「はあ…っ、あっ、あぅ!」

繋がりを軽く揺さぶられるだけでたまらない快感が沸き起こる。もう二度も達しているのに、自身ははしたなく滴を溢れさせた。

「ここに入れてもらえるなら誰にでもねだるのか? 後ろもかわいがってもらわないと満足しないだろ」

「やぁ……、ちが、ぅっ…」

いきなり動きを止められて、もどかしさにもぞもぞと腰が動いてしまう。ぽろりと涙がこぼれ、湊の髪を僅かに濡らした。

「やだ…、おまえが、いぃ……っ」

「ほんとに?」

こくこくと即座に遥は頷いてみせ、湊にきつくしがみつく。もう、と湊は苦笑しながら遥の後頭部に手をやった。

「その言葉、忘れるなよ」

「んん……っ」

そのままぐいっと引き寄せ、欲望のままに唇を貪る。同時に緩く腰を動かされ、舌を絡める音なのか、あるいは繋がりから漏れる音なのか、遥にはもうわからなかった。

「んぅ……ぁっ、んむ…っ」

あまり腰を揺らすとキスが解けてしまうので、激しくは動けない。それでも、しがみついた遥は唇を押しつけてキスをねだってくる。歯を立てたり吸い上げたりと、その甘い舌を湊は口内で愛撫してやった。

「ん、は……。いっそ、こっちにもテープ貼りたいよ」

「あっ!」

遥は湊の肩に爪を立ててこらえる。こっち、と湊がそっと遥自身をなぞり上げたのだ。

「それからここも、俺だけしか受け入れないように、な」

「んあぁ!」

ずん、と熱い楔で奥を突き上げられ、そこがぎゅっと湊に絡む。それは拒否ではなく、もっともっととねだるように厭らしく湊を誘うものだ。

「それなら違和感も強いから、遥が嫌でも俺のこと思い出してくれそうだし。あぁ、逆に疼いちゃうかな?」

「はぅ……っ」

今度はゆっくりと中をかき混ぜられて、先程の強い刺激がほしくてたまらなくなる。後ろで快感を得られないと、挟まれた自身をつい湊の腹へ擦り付けてしまった。

「遥がその気になったら俺も我慢できないなぁ。トイレとか教室でこういうことしちゃうかも」

「はぁう、あっ、あぁ……!」

腰を両手で掴まれ、前後上下に揺らされる。中を突かれる角度が変わっただけでも内壁がうねり、更に湊の言葉がなけなしの理性をどろどろに溶かしていく。

(こんなの……、学校で、したら……っ)

「っん、何考えてんの? ここ、きゅって締まったけど」

「や……っ」

ぐっと湊自身の質量が増し、狭い内壁がみっちりと覆い尽くされる。その中をずりずりと擦られて、摩擦が強い快感を生んだ。

「んっ、あぁぁっ」

「さっきの、期待しちゃった? 大学でもこうやって犯されたいって思うの?」

違う、と言うべく首を横に振っても、貪欲な体は湊の言葉に反応して熱を求めてしまう。校内の一室でこうして抱かれる様子が一瞬だけ脳裏をよぎり、遥の体が熱くなった。何もかもお見通し、と言うように湊は笑う。

「それも楽しいかもな。狭い部屋で、一生懸命声をこらえてる遥を強引に抱くのもなかなか、ね。それとも、俺をくわえてる恥ずかしいところ、みんなに見てもらう?」

「やっ、やだぁっ……そんな、ふあぁ!」

ぐりっ、と感じるところを強く突かれ、遥は白い喉元を反らして喘ぐ。

「嘘だって。見せてやるわけないだろ。まぁ、しばらくここにはテープ貼るけどさ」

「ぁっ、あんっ」

両方の乳首を摘み、くりくりとねじるように先端を揉み込む。遥自身からとろりと蜜がこぼれ落ちた。

「俺もそろそろ限界だし、本気で動くよ?」

耳元で囁かれると同時に、手の跡が付きそうなほど強く腰を掴まれる。それを勢いよく揺さぶられ、遥は湊にしがみついて吐息をこぼした。

「はっ、あぁぁ、んっ……く、あっ」

ずぶずぶと楔を抜いては呑み込まされて、頭の中までぐちゃぐちゃにされる。ただただ体の内を焦がす熱が恋しくて、遥も夢中で腰を揺らした。

「っん……、遥の中も、びくびくしてる。ここにいっぱい、出してあげるよ…」

「あっ、あぁ、もっ……でちゃ……っ、はぁっ」

感じる場所を狙ってがつがつと穿たれ、絶頂感がだんだんと迫ってくる。奥を抉られて、何度も何度も楔を抜き差しされると腰から下がとろけてしまいそうだった。

「遥……出すよ、っ……」

「やっ、だめ……あ、ああぁっ!」

湊自身がぐっと膨らんで、遥もついに果ててしまう。熱いものがどくどくと中に注がれる感覚に、遥はぶるりと体を震わせた。

「ぁ、あつぃ……っ」

湊のものを引き抜かれれば、白濁がとろとろと内腿を伝い落ちる。その様子を湊が満足げに見やった。

「それがテープの代わりだな。奥まで中出しされるたびに、俺のものなんだって自覚して」

まだ息の整わない遥に笑いかけ、湊はそっと唇を重ねる。己の甘苦い独占欲を、少しでも味わわせるように。



***
長かった……(´д`)
とりあえず湊の独占欲が凄まじいものであることを示しました。彼にとっては中出しが基本です(酷いww)


↑main
×
- ナノ -