:: リーマンパロ 幕間
2020.07.25 (Sat) 01:44

・リーマンパロ(回春メランコリー)でトースター買いに行ったときの話


湊「なんで家電量販店ってわくわくするんだろうな」

遥「別にしない(T_T)」

湊「えー。金に余裕があったら俺あれもこれもって買いまくると思うけど」

遥「買うのはトースターだけだ」

湊「見るだけならいいじゃん、ほらほら調理家電も最近すごいのあるんだよ。うち炊飯器はまあまあいいやつ買ってるけど、今のやつ壊れたらもっといいの買いたいなー」

遥「今のでも充分うまいだろ」

湊「そうそう、遥がちゃんと米食べるようになればって高いやつ買ったんだよな。実際炊き上がりが全然違うし、俺も買ってよかったと思ってる」

遥「(米がふっくらしててうまい)」

湊「あっ、これ気になってたんだ」

遥「?鍋?」

湊「自動調理鍋だよ、材料入れるだけで勝手に作ってくれるの。これなら遥でもじゃがいもとか切って肉と調味料入れとけば肉じゃが作れる」

遥「勝手に作るのか…(゜゜)」

湊「そう、煮込み料理でもなんでも。予約調理もできて、朝仕込んでいけば夕方には仕上がる」

遥「朝、生肉なんか入れたら腐るだろ」

店員「!(シュバッ」

店員「こちらはですね、予約調理ですとセットした段階で食材にいったん火が通るようできておりましてその後も腐敗の温度を避けるよう設計されておりますので衛生面での心配がないんです(超早口)」

遥「あ…、そう…ですか(隠)」

湊「へええ、すごいですね。ちなみに二人暮らしだとこっちのおっきいやつがいいですか? こっちはコンパクト用ってありますけど」

店員「お二人様でしたらコンパクト用でも十分ですね、一度に食べ切れる量がお作り頂けます。作りおきとなるとこちらの容量で…(ペラペラ」

遥「(電気屋と服屋の店員は苦手だ…)」

湊「ありがとうございます。また気になるところがあったら教えてください(^^)」

ぐいぐい(遥を引っ張る)

湊「ああいう人ってほんと嬉しそうに喋ってくれるよなぁ。天職なんだろうな」

遥「何言ってるか聞き取れなかった(T_T)」

湊「つい熱が入っちゃうんだな。でも見習いたいよ、俺自社製品のことあんな嬉しそうに話せないもん」

遥「トースターこっちだぞ」

湊「ほんとだ。おお、ひとり暮らし用でかわいいのあるんだな。淡い緑色とか、こういうデザイン女の子好きそうだし」

遥「高い……;」

湊「遥は見た目気にしないもんな。うちの部屋なら白より黒の方が合いそうじゃない? 炊飯器も黒だし」

遥「安くて使えればいい」

湊「えー。せっかくだし、ちょっとくらいこだわらせてよ、値段は安く済むようにするからさ(^^)」

遥「(T_T)」

湊「パン二枚焼ければいいから、大きいのはいらないか。最近のはフライの温め直しとかふっくらトーストできるとか、高機能なやつ多いなぁ。ホットサンドメーカーもオーブンもあるし、パンおいしく焼けるやつに絞って探すか」

遥「それでいい」

湊「昔に比べて俺も朝はパン派になりつつあるし、思いきってスチーム系を…」

遥「安いのにしろ(怒)」

湊「米はこだわるのにパンはこだわらないの?(´・ω・`)」

遥「どうせ朝なんか眠くて味もわからない(T_T)」

湊「そういう理由か(^^;) おいしかったらパッと目も覚めるよきっと。よし、こういう時こそ店員召喚だ。すみませーん」

店員「ハーーーイ!!!(シュバッ」

湊「手持ちぶさただったら違うとこ見ててもいいぞ?」

遥「ん」

てくてく

遥「(どこに行くか)」

遥「(そもそも家電自体そこまで興味がない…)」

遥「(そういえばスマホの充電ケーブル…?が切れかけてたな)」

てくてく

遥「(スマホアクセサリー…ここか)」

遥「なんだこの量…(T_T)」

遥「(どれだ…こんなに多くなくてもいいだろ…)」

遥「値段もばらばら…何が違うんだ」

店員「!(シュバッ」

遥「!(バッ」

店員「?あれ?(キョロキョロ」

たったっ(逃)

遥「(うっかり口に出すとあいつらが寄ってくる…;)」

遥「後であいつと来るか…」

てくてく

湊「ありがとうございました、とりあえずこれは買うので取り置いてもらって…あれ、どした?」

遥「(T_T)」

湊「もう少し見たいので、また後でお願いします」

店員「はい、かしこまりました(^^)」

湊「どしたの? トースターは決めたけど、なんか買うのあった?」

遥「充電器がわからない(T_T)」

湊「そういう時こそ訊けばいいんじゃ? もー、人見知りさんなんだから。充電器ってどれ? スマホ?」

遥「ん」

てくてく

湊「早く充電したいなら高速の高いやつ買うけど、寝てる間ならこういうので十分だな。端子はこれ。トースターと一緒に会計しよ」

遥「(こいつに訊いたほうがすんなり買える)」

湊「でも就活中なんだし、人と話す練習はちょっっっとしとかないとな?」

遥「う……(グサッ」

湊「俺のとこに永久就職してくれればそれでいいのに(小声)」

遥「し、ないっ///」

湊「ええー。遥が肉じゃが作って家で待っててくれるなら自動調理でも何でも買うのに(^q^)」

遥「買うだけ無駄だ(`´)」

遥「(こいつが作ったほうがうまいに決まってる)」

湊「まぁいっか、料理の役取られちゃったらそれはそれで寂しいし。いてくれるだけでいいもん」

遥「ふん…」

湊「トースターは配送してもらうとして、お昼食べに行くか。魚介のマリネとシーフードピザがおいしいんだってさ、地下のレストラン。遥の好きなエビもあるぞ(^^)」

遥「(腹減った…店員から逃げてたせいか)」

湊「ほらほら、ぐったりしてないで行こ。デートなんだからもっと嬉しそうな顔してくれないと」

遥「そんな顔しない(`´)」

遥「………」

遥「(去年は、体を壊してばかりだったから)」

遥「(こいつと街を出歩けるのが、少しは……嬉しい、かもしれない…///)」

遥「(顔には、出してやらない、けど)」

湊「ご飯食べたらどこ行こっかな(^q^)」

遥「(顔に出てるこいつを見るのは、嫌いじゃない///)」


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