:: お家事情2 2019.07.06 (Sat) 22:19 ・成島家 翼「北海道はでっかいどう!だな」 佳「うわぁ…(引)」 翼「やめろ!引くな!(泣)」 佳「んー、じゃ家族からね。兄弟姉妹は合わせて七人かな。ひとりは親戚の子だから、ほんとの兄弟は六人。男女比は男3:女4。あたしは上から三番目」 湊「あれ、三番目なのか。兄ちゃんいるのは知ってたけど」 佳「お兄ちゃんが二番目。一番上はお姉ちゃん。で、妹二人、弟一人、プラス親戚の男の子。そこに両親とばあちゃんじいちゃんで…11人ね」 か「わー、大家族ですね(^^)」 佳「まーね、土地もだだっ広いし。って言っても守山みたいに貸してるわけでもないし、ほぼ畑と農場かな」 凌「農家なのか」 佳「いろいろね。親戚繋がりで酪農やるから牛もいるわ。畑は主にじゃがいもとか…まぁだいたいイメージ通りよ。それは家族総出になるかな。じいちゃんは猟師。だいたいシカ屠ってる」 翼「思った以上にスケールが大きいのだな;」 佳「農業なんてやるもんじゃないわ、朝から晩まで実働時間だし。食べ物には困らないけど、立地的に店がないから逆にそうするってのもあるよね」 湊「店?ないのか」 佳「周辺には何もない。あーでもイオンは結構近いかも」 翼「なんだ、それならいいじゃないか」 佳「だいたい110キロだから車ならすぐだし」 凌「…………」 翼「…………;」 佳「あん?何よ」 湊「世間ではそれを『遠い』って言うんだぞ;」 佳「ちょっとした冗談じゃん。…本州出るまでは本気でそう思ってたのに(・ε・` )」 か「成島さんは北海道を出ておひとりで本州に来るの、不安じゃなかったですか?」 佳「んー、全然ってわけじゃないけど嬉しかったなー。高校の頃はどうしてもコミケに行きたかったから、頑張ってチケット取ったり宿取ったりしてたけど、ここならすぐじゃん?」 湊「いやいや遠いって; そりゃ北海道から来るの考えたら近いけどさ」 佳「もうね、あたしは草原と畑と雪は見飽きたのよ。都会とまではいかなくても、不便のないところに住みたいじゃん」 か「そうなんですか。僕は広い草原と畑も楽しそうだと思っちゃいます」 佳「夏になったら遊びにおいでよ。この異常気象だから涼しいかどうかは保証できないけど、本州ほど暑くないし、畑のとうもろこしおいしいわよー(^^)」 か「とうもろこし…!(゜゜)キラキラ」 凌「そういえば、お前は祭に行くと焼きとうもろこしは必ず食べていたな(笑)」 か「あのお醤油の焼ける匂いでつられてしまいます(´・ω・`)」 遥「……きり、や?(ゴソゴソ」 湊「あ、それルシの兄ちゃんが送ってくれた荷物に貼ってあった伝票か。『成島桐矢』…うん、きりやだな」 佳「そうそう、それがお兄ちゃん。優しいのよー、弟妹におやつ奪われてもいいよいいよって言うしさ、損してる気もするけど」 翼「妹の友達に何かと贈り物をしてくれる辺り、既にかなりいい人だと思うぞ」 佳「お姉ちゃんも優しいかな。おとなしいというか、大人というか。もうちょっとで子供産まれるんだけど」 か「そうなんですか、おめでたいですね(^^)」 佳「うんうん。あたしもついに叔母さんかー。でも姪っこでも甥っこでもかわいんだろうなぁ、できたら美少年がいい」 翼「君はいつも最後で台無しにしていくな;」 湊「でもルシより下の子たちはもっと若くても叔父さん叔母さんなわけだろ?」 佳「そうなるわね。一番下の妹は中学入りたてで叔母さんか…」 凌「年の離れた兄弟姉妹がいると必然的にそうなるな」 佳「あー、みんな上か。遥ちゃんはお姉さんいるけど3つくらいならまだかな」 湊「そういえば俺と夏風と守山は兄ちゃんだな。守山だけ妹」 翼「いいなぁ、私も姉か妹が欲しかった」 佳「あんたは姉派っぽい」 翼「うむ、姉がいい(´ω`)」 遥「そんなのいないほうがいい」 か「桜井さんがきっぱりと断言されているのはちょっと珍しいです(゜゜)」 凌「よほど姉に対していい印象を持っていないようだな」 佳「姉はいないけど弟くんはいるんでしょ?」 翼「うむ、いるぞ」 ・夏風家 佳「なんだかんだ言ってあんたの家が一番謎かも」 湊「確かに」 凌「普通の家ではないからな」 か「お金持ちって…毎日キャビアとかなんでしょうか(・ω・)」 佳「それはないわよ、こいつ庶民舌だから」 翼「何を言うか、私は私がうまいと思ったものを食べているだけだ。現にこの小宮の料理だってお前たちも喜んで食べてるだろう(・ε・` )」 湊「夏風は、夏風が食べたものでできている」 佳「Eat well, live well!」 翼「やめろ!なんだその息の合ったいじり方!;」 佳「んで?自己紹介は?」 翼「ご、ごほん…私は本邸が東京なのでな、今は別荘に住んでいる」 佳「本邸って腹立つわー実家って言えや」 翼「いちいち話の腰を折るな。…まぁ、使用人もいるからひとり暮らしとは言えんな。実家にも年に何度かは帰るぞ」 か「ご実家にはどなたがお住まいなんですか?」 翼「主に弟だな。両親は一年の半分以上が海外だ」 湊「おお、めっちゃ富豪っぽい」 凌「少し話が逸れてしまうが、そもそも実家を出るのに反対されなかったのか? 別荘を自由に使えるとはいえ、長男が離れて住むのはどうなのかと思うな。しかもここは国立大学だろう。富豪に対する偏見かもしれんが」 翼「少なくとも母親はその偏見とやらで合っているぞ。父は割と自由人でな、高校までエスカレーター式で私立をたどってきた私が国公立に行きたいと言ってもちょっと驚いたくらいだったが」 佳「何となくわかるけど、なんで私立やめたの?そこそこには行けたんじゃないの、裏口で(・ω・)」 翼「裏口って言うな!ごほん…私立はな、平たく言ってしまうと私には合わなかったんだ。もちろん、世の私立校が全てそうだとは言わないぞ。私のところが特別だったのもある。しかし、帰り道で中華まんやお菓子を買い食いしながらはしゃいでいた学生をリムジンから眺めているとな、無性に羨ましく思えたものだ」 湊「想像だけど、学校へのお布施とかで先生から個人への対応が変わったりさ、優遇された奴が下位にマウントとったり、とられた方がノイローゼになったり、友達だと思ってた奴が金で豹変したり、そういう感じ?」 翼「うむ、まさに」 佳「うわぁ、金持ちも金持ちで大変よね」 か「なんだか価値観がよくわからなくなりそうですね;」 凌「ある意味では金に『守られている』のかもしれんが、代わりに束縛は増えるだろうな。訊いて悪かった」 翼「いや、気にしないでくれ。一応繰り返すが、世の中そんな高校ばかりではないぞ、本当に」 佳「金持ちってやっぱお坊ちゃんの誕生パーティーとか華やかにやるもんなの?政治家とか呼んでさ」 翼「昔はあらゆる社交の場に連れ出されたり、別荘のひとつに政財界の猛者を招待したりしたものだが、今は全くだ。私がそういうのに向かないのを悟って母親も諦めたんだろうな」 湊「でもお前としてはその方が楽なんだろ?よかったじゃん」 翼「そうだな。長男としてこんなこと言うのも何だが、私は跡継ぎなど興味もないし弟に譲るつもりだ」 か「弟さんておいくつですか?」 翼「今は中学三年だな。受験対策で忙しいようだ」 凌「弟はエスカレーター式じゃないのか」 翼「私もそうだと思っていたんだが、もっと偏差値の高い、進学に力を入れている高校がいいらしい」 佳「あんたが私立ネガキャンしたからじゃないの( ・ε・)」 翼「うっ……だとしたら心が痛いな。しかし希望校は私立だぞ。調べてみたが、結構よさげだ。私のようにはならないだろう」 湊「お前、弟くんと仲良いのか?」 翼「私が家を出る前はよく遊んだぞ。今も月に二度くらいは連絡を取り合うな」 凌「良好だな」 か「お話を聞く限りでは、すごく真面目で優秀な人みたいですね」 翼「地頭もいいが、応用も効くな。何事もそつなくこなせる感じだ」 佳「そんでイケメンなら無敵じゃん。そういや名前は?」 翼「奏(かなで)だ。当時は結構流行った名前らしい」 佳「へぇー。今だと『湊』も流行ってるらしいよ」 湊「やっと時代が俺に追い付いたか(ドヤァ」 遥「………(無言でどつく)」 湊「いだっ…一回言ってみたかっただけだって!;」 翼「そうだ、写真見るか?(ゴゾゴソ」 佳「見たい!でもあんたに似てるならいいや」 翼「どういう意味だ!まったく……うむ、これだ」 湊「あーうん、いいとこのお坊ちゃんてのはわかるわ」 凌「年相応以上に落ち着いているな」 か「でも制服もお似合いですね。これ見ると、中学生なんだなって思います」 遥「(夏風には似てない…)」 佳「うーんイケメン。こりゃ勝てないわ(^^)」 翼「わ、私だって勝てるところくらいあるぞ、ジェンガとか」 湊「言うに事欠いてジェンガかよ;」 ↑main ×
|