:: パンケーキと肉
2019.06.05 (Wed) 22:11

・注目の的

湊「ここにいちごとバナナを飾り付けて、と。生クリームとメープルシロップも!」

遥「(休みなのに朝からうるさい…)」

湊「おはよ。今日はブランチです( 'ω')」

遥「ブランチ…?」

湊「遅めの贅沢朝ごはんってこと。見て見て!パンケーキ!」

遥「………」

バタン

湊「待って!遥はフレンチトーストだから!;」

ガチャ

遥「ジャム…」

湊「甘くないいちごジャムね、はい。パンケーキに乗ってるのも昨日大量に摘んだやつだよ、遥が育てたいちご(^q^)」

遥「いちごまでだろ。ジャムは作ってない」

湊「ジャムは俺が昨日ことこと煮て作ったからね。」

遥「(ぱくぱく)」

湊「俺も頂きます。ん〜(*´ω`)」

遥「朝からそんなもの…(´д`)」

湊「朝の方が味覚鈍いから甘いのうまいよ、脳に糖分も届くし。あー染み渡るー」

遥「なんでいきなりそんな…」

湊「昨日なんかの番組でパンケーキ特集やっててさ。甘いものの店って行きづらいじゃん?ほぼほぼ女の子だし、そういう子たちの間に男が来てたら嫌かなーと思って」

遥「(こいつがいても嫌がる女なんかいないだろ)」

湊「遥が一緒に行ってくれたら全然いいんだけどなー」

遥「行くわけない」

湊「専門店じゃなきゃ他にも食べるものあるって。調べとくから今度行こ」

遥「(むっ)」

湊「え、嫌?(; 'ω')」

遥「無駄に注目される…」

湊「ああ…まぁ、かわいい遥がパンケーキ食べないで俺が食べてたら確かに変わってると思われるかも(笑)」

遥「そういうことじゃない(T_T)」


・作戦勝ち

佳「来たわね小宮!守山!早速だけど学生会館に行ってBBQセットを借りて来なさい!」

湊「おい待て急すぎるだろ」

凌「昼休みに呼び出されたと思ったら使い走りとは…」

佳「かりんちゃんは午後休講になったらしいから先に買い出しに行ってもらってるわ」

凌「なんだと」

佳「あんたも後で合流してよ、荷物持ちね」

凌「まさかお前、今から野外でBBQする気か」

佳「え?うん」

湊「…ルシのこういう突飛な思いつきにはもう慣れたわ俺」

凌「俺は慣れないし慣れる気もない。だいたい、BBQセットなら一番近いお前が借りに行けばいいだろう」

佳「ばっかねー、あたしじゃダメなんだって。ほら、昼休みのうちに行ってきて!はよ!」

湊「あれ結構重いし、俺たちの方がいいんじゃないか?…そういや遥と夏風は?」

佳「まだ声かけてないわ、あんたたちがセット借りられなかったら場所は小宮んちになるし」

湊「決定かよ; まぁいいけど。行こうぜ守山」

凌「いろいろ気に食わんが、かりんの買い物を助けなければならないからな。さっさと済ませるか」

〜〜〜

凌「学生会館には(まともな)サークルの部室が多くあるらしいが、俺は初めて入るな」

湊「俺は何回か来たことあるぞ。BBQセットとかテントとか、イベントの備品は学生委員が管理してるはず。普通は研究室とかサークル単位で借りるんだけどな」

凌「その学生委員たちの部屋もここにあるわけか」

湊「確かこっちだったはず」

コンコン
ガチャ

湊「失礼しまーす。文学部の小宮ですがBBQセットを…」

キャアアアアア

女「こここ小宮くんだ!」

女「えっ、あれ守山くんじゃない!?」

女「うっそなんで!」

女「ああっ、お昼食べたからリップがっ…」

凌「突然すまない。BBQセットを借りたいんだが、事前に連絡が必要だったか?」

女「いいえ!だっ大丈夫ですう!(*´ω`*)」

女「倉庫から持ってきますね!」

女「ちょっと前に予算で新しいの買ったばかりなんで!」

湊「俺たちも行くよ。運んでくるのも重いだろうし」

凌「そうだな。先に頼む、俺はこの貸出表に記入してから行く」

湊「了解。じゃ、案内お願いできるかな?」

〜〜〜

佳「もしもし、かりんちゃん?うん、もうすぐ守山来るから戻ってきたらそっち行かせるね。え、いいのよ遠慮しないで、キャベツとか重いでしょ、持たせりゃいいって」

翼「中庭でBBQとはまた楽しそうな話だが、学校側の許可はいらないんだろうか?」

遥「学生委員の許可があればいいらしい」

翼「ほう、学生委員か。ラフな生徒会みたいなものだな。リア充が八割、出会いを求めて来たぱっとしない系の男が二割ほどいるんだろうなぁ」

湊「ただいまー。お、遥も来てる!やっほー(^^)」

翼「おお。またずいぶんと立派なものを借りてきたな」

佳「えーめっちゃくちゃいいやつじゃん!何よ、先週漫研で借りた時はぼろっちいの寄越したくせに!陽キャ共めι(`ロ´)」

湊「あーうん、ルシがなんで俺と守山に借りに行かせたのか、入ってすぐわかったわ;」

遥「こんなの、ひとりで運んできたのか」

湊「いや、そこの角までは守山も一緒だったけど。かりんくん心配だからって珍しく走っていった」

佳「うむ、確かに守山がダッシュしてんの見たことない」

翼「では私たちはこれの組み立てと…」

佳「飲み物とか箸とか、売店で買えるもの買ってこないとね」

〜〜〜

か「わー、網もプレートもおっきい!お肉いっぱい焼けますね(^^)」

凌「今は液体の着火材があるのか、便利だな」

湊「だろ? よし、火も起こしたし焼くか」

佳「いい感じに夕方だしね。飲み物ついでくよー」

翼「堂々とアルコール飲んでいいものなのか…?;」

佳「うち構内でも禁酒じゃないし。だったら先に教授が死ぬわよ」

湊「反乱起こすよな。あ、俺もビール」

佳「はいはい」

遥「鶏肉…」

湊「鶏?こっち置いとくね」

佳「牛!うっし!」

凌「うるさい。かりん、何がいいんだ」

か「えっと、僕もお肉がいいです」

凌「わかった」

ジューッ…

翼「講義終わりの学生がみな羨ましそうに眺めていくのはちょっと気分がいいな( ´∀`)」

佳「ふっふっ、スーパーで食材買ってきたら混ぜてあげてもいいわ」

湊「…にしても俺たち、端から見たらなんの集まりかわかんないだろうな;」

か「それは、確かに(;^^)」

凌「学年がおおよそ揃っているとはいえ、学部も男女比もまちまちだからな」

翼「男女比が一番の謎だが、たとえ成島がいなかったとしてもかなり不思議なグループにはなるな;」

ひそひそ
女「あれ何?小宮くんはわかるけど、他…」
女「さあ…バイト先が同じとか?」
女「あの茶髪の子かわいくない?ほら、エビ焼いてる子」
女「かわいー。でも女の子…にしては背高くない?」
女「やだ、あれは男の子でしょー(笑)」

遥「こっち見るな…(`Δ´)」

か「マシュマロもあぶっていいですか(キラキラ」

凌「好きなだけやっていいぞ(*´ω`)」

湊「そのエビもう食べれるよ遥。殻剥いてあげる(^^)」

遥「自分でできる( `д´)」

湊「この前自分でやってぼろぼろにしてたじゃん。足も尻尾もむしり取っちゃうんだから…ほら」

遥「…(ぱくっ)」

佳「うっまいいい!白飯い!(がつがつ」

翼「訊くタイミングを逸してたが、その炊飯器どこから調達したんだ;」

佳「サークルにはなんでもあんのよ。米はコンビニで買ったけどさ」

か「焼肉にはごはんですね(` 'ω')」

女「見て!守山くんが飲んでるやつ…」
女「うっわー、ウイスキーのロックじゃん」
女「全然酔ってないよね、すごーい」

凌「(烏龍茶なんだが)」



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