:: にちじょうろぐ
2018.04.09 (Mon) 22:42

・かっこいいから仕方ない

〜大学構内〜

男「でさー、すげーんだよあいつ。合コンで毎回持ち帰っててさー」

男「マジかようらやましー」

遥「(下らない…(-_-))」

遥「(しかもなんだ…あの服。ズボンがだぶだぶ…)」

遥「(流行りなのか知らないが…似合ってないだろ…)」

遥「(いや、あんなの似合う奴がそもそも…)」

『はるかーお出掛けしよー( ´∀`)ノ』

遥「(……ん?;)」

遥「(……似合わなく、もない…ような…?)」

遥「(所詮は見た目が全てか…)」

遥「(ルックスのいい奴は何しても様になるんだろ)」

遥「………」

遥「………Σはっ」

遥「(かっこいい、と認めてるようなものか…///)」

遥「(別に…そう思うのは俺だけじゃない、から…恥ずかしくなんか…)」

湊「あっ、遥だ!ちょうどよかった、一緒に買い物行」

遥「!///」

だっ

湊「えっ?え、なんで逃げるんだよ!おい!;」


・同格

湊「……」

遥「……」

湊「……参りました…」

遥「ん」

湊「ううっ…また負けた!俺小学生の時は結構強かったのに!近所のじいちゃんに勝てたのに!」

遥「そんなのわざと負」

湊「やめてそれ以上俺のプライド砕かないで(´;ω;`)」

遥「もういいだろ。なんでいきなりボードゲームなんか…」

湊「俺だってたまにはすぱぱんとかっこよく遥に勝ってみたかったの!ほら、次はチェス!」

遥「さっき将棋やった…(T_T)」

湊「将棋は将棋、チェスはチェス!俺黒ね!はい、遥は白」

遥「(´-ω-`)…」

とん
とん

湊「ここか…」

とん

遥「(すっ)」

湊「あっ(´;ω;`)」

とん
とん

湊「ちょ、そんな持っていくな…(´;ω;`)」

遥「勝負にならないだろ(怒)」

とん

湊「あぁ……俺のビショップ…(´;ω;`)」

とん
とん

遥「おい」

湊「ん?……あっ、待って待って逃げるから!!」

とん

遥「……チェックメイト」

湊「へ?あ"っ…なんでそんなとこにいるんだよぉ(´;ω;`)」

遥「(´-ω-`)」

湊「…俺と夏風、どっち強かった?」

遥「別に…どっちも変わらない」

湊「なにそれ負けたことよりショックだよそれ!!(´;ω;`)」


・キョウイソンショウ

晶『もー、ちゃんと体調管理くらいしなさいよ。小宮くんに甘えきりじゃダメだかんね』

遥「けほっ……う、るさい」

晶『はいはい。早く治しなさいよ、じゃあね』

プツッ

遥「けほっ…」

ガチャ

湊「具合どう?んー、まだ熱あるっぽいね」

遥「…なんだ、それ」

湊「これ?卵のおじや。お腹すいてる?少しでも食べたほうが薬も飲めるし、ね?」

遥「食べる…」

湊「食べる?ふーっ…はい、あーん」

遥「……自分で食べる」

湊「あれ。え、照れ隠し…じゃない?嫌がってる?」

遥「………」

『小宮くんに甘えきりじゃダメだかんね』

遥「お前がいなくても、別に…けほっ、食べられる、から…」

湊「いいの、俺がやりたいだけだし」

遥「いつまでも…甘えてるわけにはいかないだろ」

湊「なんで?」

遥「え」

湊「なんで甘えちゃいけないの?」

遥「………なんで、って」

湊「いいじゃん。俺だって遥に甘えるときあるし」

遥「それは……」

湊「ほら、あーん」

ぱく

遥「……困る、から…」

湊「困る…?」

遥「お前がいないと、何もできない奴になるだろ…」

湊「それの何が困るの?」

遥「だから…」

湊「俺は離れないし、いなくなる気もないけど」

遥「そういう問題じゃ…」

湊「だったら、遥がいないと生きていけない俺ってなに?世話焼きたくて、甘えさせたくて、鬱陶しいくらい尽くす湊くんは……遥は、嫌い?」

遥「………はぁ」

湊「ふふ」

遥「…もういい。好きにしろ」

湊「うん。お茶淹れてくる」

ぱたぱた

遥「(馬鹿馬鹿しい。こんなの、今更だ…)」

遥「(……あいつの目、)」

遥「(何が『離れない』だ)」

遥「(離さない、の間違いだろ…)」


・空隙

佳「そういえば今日さぁ、授業中に後ろの席で女の子二人がこそこそ喋ってたんだけど。
『私、実は〇〇くんと付き合ってたことあるんだ』
『え、そうなの?ていうか私今付き合ってるけど』
『マジ?あはは、うける』
あ、〇〇ってのは英文科のちょっと顔がいい奴ね」

翼「というか、それで修羅場にならんのか?;」

佳「遊び人ならしゃーないよね、みたいな会話だったわ。まー、気まずくないのかって聞いてるほうは思っちゃうけどさ(´д`)」

遥「………」

佳「ん?遥ちゃん、どうしかしたの?」

遥「…何でもない」

〜〜〜

遥「(別におかしいことじゃない)」

遥「(自分より前に…付き合ってた奴がいても…)」

遥「(なのに…こんなに、嫌だと思うのは…普通じゃないのか…)」

遥「(…キス、して。それ以上のことも、たぶん…)」

遥「っ…くそ…」

遥「(あいつがそうしてたことなんか、考えたくもない…)」

ガチャ

遥「!」

湊「具合でも悪いのか?バイト行く前に用意していったご飯、あんまり減ってなかったし」

遥「……」

湊「遥?……ちょっ;」

どさっ

湊「え、なんで俺押し倒されてるの…?」

ちゅっ

湊「!?」

遥「(こんなこと、したって…)」

ちゅっ
がぶっ

湊「った!いったぁぁ!なんだよ、いきなり首噛むな…いだだだっ」

遥「(もう、手に入らない…)」

がぶっ

湊「うう…。俺なんかした…?」

遥「っく……」

湊「えっえっ、ちょっ待って泣くなよ何があったの?なぁ」

ぎゅっ

遥「………」

湊「?…とりあえず落ち着こ?な?大丈夫だから」

なでなで

遥「(この手も、唇も…)」

遥「(全部、最初にほしかった、のに…)」


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