:: チョコレートの魔法
2018.02.14 (Wed) 20:36

・バレンタイン2018


〜催事場〜

佳「わー、これもおいしそう(^q^)」

遥「(そわそわ)」

佳「ぷっ。遥ちゃんたら、そんなきょろきょろしなくても大丈夫よ、浮いてないから(笑)」

遥「(女だらけ…;)」

佳「そりゃ女の子は多いけど、あっちに夫婦もカップルもいるし。あっ、あのチョコかわいい!」

遥「うう…;」

佳「あはは。ささっと選んじゃおうよ、小宮なら何だって喜んでくれるって」

遥「(種類がありすぎてわからない…;)」

佳「やっぱ不動の人気は生チョコかぁ。トリュフもいいけど、こういうプラリネ系もおいしそう…あー、自分へのご褒美ってことで来たけど迷うわぁ」

遥「!」

佳「ん?どうしたの遥ちゃん?」

遥「……」

『魅惑のショコラ「魔女の媚薬」
ひとつ食べればあなたの瞳に惹かれ
ふたつ食べればあなたの唇に焦がれ
ぜんぶ食べればあなたの心の虜になる
意中の彼に、魔法をかけてみませんか?』

佳「わーお。チョコってもともと媚薬だもんね。しっかしどうなんだろ、惚れ薬でも入ってるのかな?」

遥「こ…んなの、効くわけ…」

佳「まぁ、効いたところで小宮はもう虜どころの話じゃないものね(笑)」

遥「……」

佳「気になる?(^^)」

遥「べ、つに…」

佳「そう?(笑)」

遥「……」

佳「買ってってみたら?ほら、パッケージもチョコも割と普通だし、バレないわよきっと」

遥「…試してやる、だけだ…//」

佳「うんうん。後で感想教えてねw」

遥「(ハート型…か。別に、いいか…//)」

〜〜〜

湊「ただいまー。外けっこう寒いぞ。風も強くなってきたし」

遥「ふうん…」

湊「お腹すいた?夕飯の支度するから…っていっても、昼に仕込んでいったからあっためるだけだけど」

遥「カレーか」

湊「やっぱ匂いでわかるよな(笑) 今日はね、ご飯をちょっとかわいくしようと思って」

遥「かわいく……?(T_T)」

湊「よいしょ…ほらほら、見て!かわいくない?」

遥「ハート型…(´д`)」

湊「そうそう、型に詰めて抜いたんだ。この周りにカレーをかけて…でーきた。CMでよく見るから一回やってみたくてさ」

遥「(変な奴…)」

ぐしゃっ

湊「あっひどい!せっかくハートにしたのにスプーンで崩さなくても!(泣)」

遥「食べられないだろ(怒)」

湊「うう…そうなんだけど…そうなんだけど」

遥「(もぐもぐ)」

湊「…ま、いいや。それより、遥にプレゼントがあるんだけど」

遥「(きたか)」

湊「えーと、冷蔵庫のこの辺に…あった」

とん

湊「皿のままでごめんな。ハッピーバレンタイン!ってことで、お手製チョコいちごです(`・ω・)」

遥「白い…」

湊「そう、ホワイトチョコ。溶かしたチョコでいちごをコーティングして固めたんだ。チョコだけだと甘すぎるかなって思って。こっちがビターチョコバナナね」

ぱく

遥「(確かに…そこまで甘くない)」

湊「(´・ω・`)ソワソワ」

遥「…うまい」

湊「!へへ…(^^)」

遥「(このタイミングのほうが渡しやすいか…)」

がたん
てくてく

湊「?」

遥「…ん」

湊「!わーい!遥からのチョコ!!」

遥「うるさい。バイト先で散々もらっただろ」

湊「あれは全部義理だって。本命は断ってきたし」

遥「……ふん…///」

湊「開けてもいい?」

遥「もう開けてるだろ…(´д`)」

がさがさ

湊「わー、かわいい!ハート!ハート型だ!ハート――Σぐふっ」

遥「黙って食べろ!///」

湊「もー、照れ屋なんだから。…ん?これ、123って番号振ってあるね。この順番で食べろってこと?」

遥「!」

湊「味の濃さとか考えてるのか?じゃ、1番いただきまーす」

ぱく

遥「(どきどき)」

湊「ん、おいしー。オレンジピールかな、中に入ってるの。爽やか〜な感じ」

遥「(いや…効くわけない。所詮チョコだろ…)」

湊「え、なに、じーっと見ちゃって。……遥、こうやって見ると目が綺麗だね」

遥「Σ!?」

湊「眼鏡掛けてるのも好きだけど。ちょっと色の薄い瞳とか、レンズ越しなのがもったいないくらい」

遥「い、きなり何言って…///」

湊「ん、もう一個食べよっと。次は2番…」

ぱく

湊「ん!」

遥「Σ」

湊「このガナッシュ、洋酒効いてる」

遥「え………あ、き、らいなのか…」

湊「ううん、好き嫌いはないよ。大人の味って感じでおいしい」

遥「(ほっ)」

湊「どしたの、ほっと息ついて。…遥、ちゃんとリップクリーム塗ってるんだな。冬はよくひび割れてたのに、ぷるぷるだ」

なでなで

遥「触るな…っ///」

湊「えー。キスしたいって思ってくれたのかなーなんて期待しちゃうけど(笑)」

遥「ちがっ…///」

湊「ふふ。あーあ、全部食べるのもったいないな。後に残しておこうかな」

遥「…ひとつ残したって仕方ないだろ…」

湊「ん、それもそうか。食べたくなったらまた遥におねだりすればいいんだし?」

遥「自分で買え…馬鹿」

ぱく

遥「(次は…心の、虜に……///)」

湊「これもうまいなー。中身はキャラメルかな?まったりしててあまーい」

遥「………」

湊「あーおいしかったー。ありがと、遥(^^)」

遥「えっ…」

湊「え?(´・ω・)」

遥「…何でもない」

湊「どうかした?」

遥「……何ともないのか」

湊「?」

遥「…ふん」

遥「(別に…がっかりなんかしてない…)」

ぎゅっ

遥「///!」

湊「はーるか。こっち向いて」

遥「離せっ、夕飯…」

湊「そんな寂しそうな顔されたら離せないって。…辛いものは後でいいからさ。甘いの、もっとちょーだい?」

ちゅっ

遥「やめろ馬鹿っ……///」

湊「お、この辺甘そう(^-^)」

かぷっ

遥「っひ……や、触るな…///」

湊「なんだろ、いつも遥はかわいいんだけど、今日は一段といじらしいっていうかかわいいっていうか…ね、ソファ行こうね(^^)」

ひょい

遥「ちがっ…こんな、つもりじゃ…///」

〜〜〜

遥「Σはっ…」

遥「(゚д゚)……」

遥「ゆ…め……?」

遥「…確か、ここにしまっておいたはず」

ガラッ

遥「(昨日、ルシと買いに行ったチョコ…)」

遥「(魔法なんて、信じてるわけじゃない……が)」

遥「少しくらいは、あてにしてやる…///」

湊『遥ー?そろそろ起きたらー?』

遥「!」

ばたんっ

遥「(寝る前に、渡すか…///)」


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