:: にちじょうろぐ
2017.10.26 (Thu) 22:06

・効能

湊「ただいまー。うあー疲れたぁ…」

ぎゅっ

遥「(T_T)」

ぺしっ

湊「ひどっ。なんでぇー(´;ω;`)」

遥「邪魔だ」

湊「ぎゅってするとストレスの1/3が消えるらしいよ。ね、俺を助けると思ってさ(´・ω・)」

遥「……さっさと済ませろ」

湊「へへ( ´∀`)」

ぎゅっ

湊「うーん幸せー」

遥「(こんなことで幸せになるのか…(T_T))」

湊「ついでにちゅーも…いてっ」

遥「調子に乗るな(怒)」

〜〜〜

遥「(´д`|||)…」

遥「散々な一日だった…」

遥「(テキスト忘れた…図書館の印刷機が壊れた…学食で数量限定品が売り切れた…釣りをもらい損ねた…)」

遥「(しかも……)」

ザーッ…

遥「(傘忘れた…;)」

遥「(朝、あいつに持っていくように言われた…のに)」

遥「(どうせ買っても売店に行くまでに濡れる…走って帰ればなんとかなるか…)」

湊「あ!おーい遥っ( ´∀`)」

遥「!お前…午後授業なかっただろ…」

湊「うん。買い物して帰って掃除してたら雨降ってきてさ。まさかと思って玄関見たら遥の傘あるんだもん、びっくりした。はい、これな」

遥「わざわざ、持ってきたのか…」

湊「?うん(・ω・)」

遥「……馬鹿」

湊「あ、ひどっ。いーよじゃあ、俺ひとりで帰…」

ぐいっ
ずるずる…

湊「え、え?なになにっ?ゼミ室…って、空き教室?ここ入っていいの?えっ?;」

バタン
ぎゅっ

湊「!」

遥「(今日だけだ……こんなの…///)」

湊「もー……そんなかわいいことしちゃうの?」

ぎゅっ

湊「なんか弱ってる?大丈夫だよ、よしよし」

なでなで

遥「(あ……)」

遥「(そうか……これ、が…)」

遥「(落ち着く……///)スリスリ」

湊「あの……さ。かわいいのはいいんだけどな、ここまだ学校だし、その、そういうことされると…」

遥「!」

がばっ

遥「さ、さっさと帰る……///」

湊「秒速で離れることないのに(笑)……うん。早く帰って続きしよ」

遥「つ、続きなんかない!///」

湊「えー?そんな物欲しそうな顔で言われてもなー…いてっc(>_<。)」

遥「うるさい!ふん……」

湊「あ、待って待って!ちゃんと帰るから!;」

遥「(あんなに、嫌な気持ちだったのが…すっと消えていった…)」

遥「(あいつがしょっちゅう抱きついてくる訳が…少し、わかった気がする…)」


・愛言葉

『おばあちゃん……』
『守らなきゃって思った』
『おばあちゃん?【タマまっしろけ】』

『家族を守る 愛言葉』

遥「……」

遥「…………」

遥「(そういえば…一か月くらい電話してない…)」

遥「………」

プルルル……

綾『はい、桜井でございます』

遥「…もしもし」

綾『あら、遥?…あ、ちょっと待っててね…(ごそごそ)』

遥「?」

綾『ええと、うちに来る猫で、私がカルちゃんって呼んでる子、いるでしょう?あの子のお名前覚えてる?』

遥「……パスカル…」

綾『そうね、そう。…ごめんなさいね、急に』

遥「いや…」

綾『実は、この前詐欺に遭ったものだから』

遥「えっ……」

綾『あぁ、大丈夫よ。私もね、おかしいと思って晶に代わってもらったの。そうしたらすぐ切れたみたいで』

遥「;……」

綾『あなたのふりしてたのよ。おばあちゃん、妊婦さん転ばせちゃった、って。あなた、私のことおばあちゃんなんて呼ばないものね、ふふ(笑)』

遥「(かけてきた奴が馬鹿でよかった…)」

綾『晶ったら怒っちゃって…「流産させたぁ?今すぐ説教に行ってやるから場所教えなさい!どこにいんのよ!?」なんて怒鳴ってね。あとで警察に電話してくれたけど』

遥「詐欺なんか…本当にかかってくるのか…」

綾『ご近所でもあったそうよ。北海道のカニが当たったとか、還付金が戻ってくるとか…。詐欺に注意っていうチラシもよく入ってくるわ』

遥「はぁ…」

綾『晶がいてくれるから安心だけどね。いつ何が起こるかわからないから、晶と合言葉を決めたのよ。ほら、CMでやってたでしょう?遥はどうしましょうって言ったら「クイズにすれば?」って言うから考えてみたの』

遥「(それであんな問題を…)」

綾『ああ、ごめんなさい。せっかくかけてきてくれたのに、あなたからのお話を聞いてなかったわ』

遥「……いい。元気なら、別に」

綾『え?えぇ、元気だけれど……あなた――』

遥「正月には、帰る」

ピッ

遥「(姉貴がいるなら、心配ない……か)」

〜〜〜

湊「ぷっwww」

遥「…どこに笑う要素があった(T_T)」

湊「いや、猫の名前つけたの絶対遥だと思ってw」

遥「別に…名前なんて呼べればいい(怒)」

湊「うんうん、頭良さそうな名前な。…しっかし、綾さんとこにもきたのか、詐欺。悲しい世の中だな」

遥「お前の家は…」

湊「うちは別居してるから余計心配だな。でも父方なら家同士は近いし、優太もよく遊びに行ってるから大丈夫かな。母方はばあちゃんしかいないけど、施設入ってるみたいだし。…綾さんは桜井だからお父さんのほうだろ?お母さんのほうって…」

遥「母方なら親が住んでる」

湊「遥のお母さんお父さんと同居なの?へー、初めて知った。じゃあマスオさんみたいな感じか」

遥「もともとは母方の店だ。親が継いだ」

湊「えーと、呉服屋だっけか。なるほど、納得」

遥「(カレーうまい…)」

湊「まぁ、綾さんはしっかりしてるから大丈夫だな。もっとしっかりしてる晶さんもいるし」

遥「うるさいだけだ…(T_T)」

湊「……ね。俺たちも合言葉決めとこう」

遥「必要ないだろ」

湊「俺は遥の声でわかるけどさ、遥はわかる?」

遥「………;」

湊「だから、俺かどうか怪しい時は合言葉を言えって言って。そしたら俺が、」

遥「(すきすき…)」

湊「すきすきはるにゃん!って言うから( ´∀`)」

遥「……」

湊「あれっ、驚かないの!?」

遥「(予想そのままで何とも思わない…)」

湊「ま、いいや。そういうことだからよろしく!」

遥「(´-ω-`)」


湊「…んん、待てよ。そもそも俺のふりして遥に電話かける第三者がいる時点でまずくね?バレてんじゃんいろいろ!( ̄▽ ̄;)」


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