:: 人間湊と淫魔遥
2017.10.14 (Sat) 23:19

・続くような続かないような


遥「今日こそ…お、大人になってやる…」

遥「人間を堕落させて…仲間を増やすんだ」

遥「まずは女性型になったほうがいいか…。ターゲットは…」

遥「誰でもいい…けど…なるべく、優しそうな奴…」

遥「!」

遥「あいつにするか…」

遥「爽やかそうで…見た目も悪くない」

遥「女には不自由してなさそうだから…がっつかれることもないだろ」

遥「後をつけるか…(バサバサッ)」

〜〜〜

遥「このアパートか…。人間の身分では『がくせい』だな」

遥「午前三時…さすがに寝てるだろ」

すぅ……

遥「ガラスを通り抜けて…」

湊「ん……(。-ω-)zzz」

遥「よし…」

遥「そろそろ女性型になるか」

遥「ん……?」

遥「な、なれないっ…;」

遥「緊張……してるのか…」

遥「訓練通りに、やれば…///」

ごそっ

湊「すー…」

遥「どんな女が好みなんだ…?」

遥「…やっぱり、胸が大きい方が…」

遥「………」

遥「……やめた…」

すぅ……

遥「優しそうな奴を騙すのは、気が引ける…」

遥「もう少し違う奴にしよう…」

〜〜〜

遥「(どうしてこんなことに…!)」

男「おい、何逃げてんだぁ?誘ってきたのはそっちじゃねーか…ひっく…」

遥「(酒くさい…)」

遥「(繁華街を歩いてただけでこんな…)」

男「おとなしくしろって。おら、きれいな部屋に連れてってやるからよ。それともきったねー路地裏にするか?」

遥「!ぃたっ…」

ぐいっ

湊「離せよ。嫌がってるだろ」

遥「!?」

男「んだてめぇは?すっこんでろクソガキが」

湊「もう成人してるっての。酔っ払いはさっさと帰れよ、おじさん」

男「んだとぉ?こいつ……いてぇ!」

湊「帰れって何回も言わせんなよ。小指へし折られたい?」

男「くそ…こいつ………っ」

ばたばたっ

湊「ふぅ。大丈夫?何もされてないか?」

遥「っ……あぁ…」

湊「この辺、夜は危ないから出歩かないほうがいいぞ。女じゃなくても平気で連れ込もうとするし」

遥「………」

湊「…見た感じ荷物とか持ってないけど、もしかして身売りでもしようとしてた?」

遥「!それは…」

湊「俺、邪魔だったかな?」

遥「違う!…その……」

湊「事情は知らないけど、手段はもう少し選ぼうな。何の病気うつされるかわからないぞ」

遥「……」

湊「行くところ、ないのか?」

遥「…ない…」

湊「そっか…。狭くてもいいなら、うちに来る?」

遥「えっ」

湊「そんなずぶ濡れでほっとけないだろ。…あ、余計な対価はいらないからな。家事手伝いで十分だし」

遥「……っ」

ぎゅっ

湊「っとと。なに、どうした?」

遥「(へんだ……)」

遥「(体が、あつい……///)」

湊「ちょっ、おでこ熱いじゃん!風邪ひいてるんじゃないのか?」

遥「(そうなのか……?いや、でも…)」

湊「ほら、おんぶしてやるから。急ぐぞ」

遥「服、濡れる…」

湊「いいから。よっ……と」

遥「(背中、あったかい……)」

〜〜〜

遥「ん……?」

湊「あ、起きたな。ほら、水飲んで」

遥「(ごくっ…)」

湊「熱はまだあるけど、結構下がったな。おかゆあるけど食べるか?」

遥「(おかゆ…?)」

湊「ふーっ。はい、口開けて」

遥「ん……」

遥「(変わった食べ物だな…)」

遥「(でも…薄味でうまい)」

遥「(もぐもぐ…)」

湊「よかったー。うちにたどり着いてからずっと寝てたし、心配してたんだ。ろくに食べてなかったんだろ」

遥「(そうだ……緊張で、喉を通らなくて…)」

遥「(もう昼なのか…)」

湊「食欲あるみたいだから、夜はもっといいもの食べような。ちゃんと栄養とらないと元気にならないぞ」

遥「!服……っ」

湊「あぁ。ずぶ濡れだったから、洗濯して今干してあるよ。代わりに俺のやつ着せたんだけど、ちょっと大きかったみたいだな」

遥「(これも寝汗で湿ってる…)」

湊「ん、汗かいたしもっかい着替えるか。えーと…はい、これ着て」

遥「(ばさっ)」

湊「あ、体拭くやつ持ってくるから待ってて」

遥「ん…」

遥「(前に来た時と同じだ…当たり前か)」

遥「?毛布…」

遥「(あいつ…もしかして床で寝たのか…?)」

湊「はい、お湯で絞ってきたからな。汗でべたつくだろ?背中拭いてやるよ」

ごしごし

遥「(やっぱり……優しい、な…)」

遥「(早めにここを出ていかないと…)」

ぽろっ

遥「!」

湊「え…?」

遥「あ……そ、の、これはっ…」

湊「…いいよ。我慢しないで」

遥「っ……」

遥「(なんでそんな、優しくするんだ…)」

遥「(堕落させようと、した奴に…)」

遥「ふ……っ、ぅう……」

湊「よしよし。大丈夫」

遥「ひ、っく………」

湊「ほら、冷えちゃうからこれ着て。ゆっくり休んでな」

遥「う……っ」

ぎゅっ

遥「(どうし、よう…)」

遥「(こいつと、離れたくない……)」


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