:: おふろのおもいで
2017.09.11 (Mon) 21:45

湊「いっい湯ーだーな〜(*´ω`*)♪」

遥「………(T_T)」

湊「ん?」

遥「…お前、そんなに風呂好きじゃないだろ」

湊「うん」

遥「ならなんで…」

湊「遥と入るのが好きなんだよ」

遥「(T_T)…」

湊「違う!別に裸が見たいわけじゃ…いや見たいけどそうじゃなくてっ;」

遥「もういい」

湊「(´;ω;`)」

遥「…風呂なんて大したものじゃないだろ」

湊「んー…俺が遥とベタベタしたがるのはそりゃ甘えてるんだけどさ、昔ずっと我慢してたってのもあるんだよな」

遥「昔…」

湊「そうそう。ほら、中学の修学旅行覚えてるか?」

遥「………?」

湊「嘘ぉぉ忘れちゃったのぉぉ!?(´;ω;`)」

遥「……あぁ…」

湊「ほっ(^^;」

ーーー

がやがや

先生「おーい。これからの予定を話すから聞いてくれ。バスが旅館についたら部屋ごとに移動だ。風呂は先生方が部屋に順に呼びに行くから、ちゃんと時間守って入るように」

はーい!

女「ディ〇ニー楽しかったね!」

女「お土産もいっぱい買えたし、あとは寝るだけだもんね」

湊「あれ。眠いのか?」

遥「…別に」

湊「普段あんなに遊ばないもんな、お前(笑)」

遥「今日だって遊んでない(怒)」

湊「でも飯早かったからちょっと腹へったな。なんか買ってくればよかった」

女「小宮くんお腹すいたの?お菓子あるよ(^^)」

女「私も持ってるから食べて食べて(^_^)」

湊「え、いーの?ありがと」

男「俺も減った!」

男「甘いもんでもいいからくれよ!」

女「あんたたちはやだ(T_T)」

女「ガムでも噛んでれば?( ´_ゝ`)」

男「なんだよケチー」

女「えーと…桜井くんは?」

遥「(ぷいっ)」

女「あ」

湊「いらないみたい。ごめんな(^^;」

遥「(。-ω-)zzz」

湊「ったくもー、いらないならいらないってちゃんと言えばいいだろ?」

遥「ふん…」

〜〜〜

男「うおお見ろよ!テーブルにお握りある!」

男「夜食なんて気が利くじゃねーか!」

がつがつ

湊「あ、いーな。俺ももらお」

男「お前さっき女子に菓子たかってただろーがっ」

湊「たかってねーよくれたんだよ!腹へってんだからよこせっ;」

遥「(T_T)」

湊「……ほら。お茶くらいは飲むだろ?」

遥「……ずずっ…」

湊「うん、まぁまぁだな。たくあんうまい」

男「やっぱ米食わねーとだめだよなー」

遥「(夕飯食べただろ…)」

ガラッ

先生「おーい、風呂の時間だぞー」

男「ほーい。行こうぜ!」

男「女湯いきてー!」

先生「覗いた奴は学校に強制送還だからな?」

男「くっそー!」

湊「あ、俺これ食ってから行くから先行ってていいぞ;」

男「おう」

男「行くかー。おい、桜井」

遥「…先に行け」

湊「Σ」

男「なんだよお前もかよ。んじゃ」

湊「いやっ、お前も行ってていいって。すぐ追いつくし…」

遥「食べるくらい、何分もかからないだろ」

湊「(なんでこんな時に限って優しいんだよぉぉぉ!!)」

遥「…?」

湊「…えぇと…実は」

遥「ん…?」

湊「実は、俺……他人と、風呂に入れないんだ…(´;ω;`)」

遥「………え」

湊「潔癖症では決してないけど、その、家族以外の人間は…ちょっと…」

遥「……プールは入ってただろ」

湊「プールはいいんだよっ、水着着てるし!ただ、何も着ないで他人と同じお湯につかるってのが…ダメ、で……」

遥「………」

湊「(さすがに苦しいか…)」

遥「……れも」

湊「へ?」

遥「俺も……嫌だ」

湊「( ゚д゚)」

遥「ひとりがいい…」

湊「……じゃあ、さ。部屋の風呂に、こっそり入っちゃおうか」

遥「そんなものないだろ」

湊「あるぞ。他の部屋に」

遥「……」

湊「この旅館、今日は貸切なんだ。でも全部部屋は埋まってないから、風呂付のところもある」

遥「…ここにいなかったらあいつらが気づく」

湊「そこはほら、タイミング見計らって。風呂っていってもシャワーだけでいいんだしすぐだろ」

遥「鍵は…」

湊「さっき三階確認したらかかってなかった」

遥「…今日でなくても後日バレるぞ」

湊「まぁ、叱られるのは俺ひとりでいいし」

遥「……よくない」

がたん

湊「えっ」

遥「…さっさと済ませる」

湊「……うん」

〜〜〜

ガラッ

湊「上がったよ(^^) 見張りお疲れ」

遥「誰も通らなかった」

湊「そっか。まぁ、鍵もかけてるし音もそうそう漏れないと思うけどな。代わるからゆっくり入ってこいよ」

遥「ん」

バタン

湊「……まさか、こんな悪巧みに加担してくれるとはなぁ」

すとん

湊「ほんとは…」

湊「(一緒に入りたかったな…)」

湊「なーんて。裸見たらそれこそやばいし」

湊「(綺麗な月だな…)」

湊「(風呂上がりのあいつのほうが綺麗かな…)」

湊「Σはっ」

湊「やばい、煩悩を封じないと…」

シャーッ……

湊「……///」

湊「あーくそっ、見てぇよばーかっ(´;ω;`)」

湊「(裸も寝顔も見れるチャンスだって、わかってるのに…)」

湊「(もどかしいな…)」

湊「泣きそ……泣くぞマジで(´;ω;`)」

湊「(……少しだけ、ここで涼んでいくかな)」

湊「(どうせ怒られるんだし、戻るのは…それからでいいや)」

ーーー

湊「帰ってきて何日か後にめっちゃ怒られたっけ(笑)」

遥「誰かが言いつけたのか」

湊「『先生、あいつらが三階から帰ってくるとこ見ましたよ』とか?旅館からも苦情きたんだろうな」

遥「叩かれただろ」

湊「うん、俺が『すみません生理で!』って言った瞬間に体育の先生ブチキレたんだよな。ま、今となってはいい思い出かな(^^)」

遥「よくはない(T_T)」

湊「俺はともかく、遥は驚かれてたよな。だって優等生だもん」

遥「別に…そうでもない」

湊「いや、俺が一番びっくりしたよ。まさかあんな提案にほんとに乗ってくれるとは思わなかった」

遥「……気が向いただけだ」

湊「そ?(^^)」

ぱしゃんっ

湊「今はこうやって一緒に入れるんだもんな。幸せ(*´ω`*)」

遥「………///」

遥「(…あの時、)」

ーーー

ザーッ……

遥「(……なんで、こんなこと…してるんだ)」

遥「(他人と入浴するのが嫌だからって、こんな…面倒なこと…)」

遥「(………あいつ、人と風呂に入れないのか…)」

ごしごし

遥「(知らなかった…)」

ザーッ…

『お前も行ってていいって』
『他人と同じお湯につかるってのが…ダメ、で』

遥「(…何となく、拒まれた気がした)」

遥「(そんなの、めったにないから…驚いただけだ)」

遥「(俺は別に、あいつとなら……)」

ーーー

遥「(こいつとなら、一緒に入ってもいいか…)」

遥「(と、思ったなんて……絶対に言ってやらない)」

ちゃぷっ
ぎゅっ

湊「あー、遥あったかい(*´ω`*)」

遥「うるさい。熱い(T_T)」

湊「ほかほかしててちょっと火照ってるのかわいーなー。よしよし」

なでなで

遥「(…変な、気持ちだ…///)」


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