:: Track 0 to 1, 2017.05.18 (Thu) 23:42 湊「遥ー、こっちきて」 遥「?」 てくてく 湊「俺の隣座って」 遥「…( ̄_ ̄)」 湊「ほらほら。何なら膝の上でもいいよ?」 とすん 遥「なんだ」 湊「じゃーん!」 遥「…?」 湊「アルバムだよ!久しぶりに見ようかなって本棚から引っ張ってきた(^q^)」 遥「Σ!」 湊「ちなみにこれは中学の。こっちが高校の時の。卒アルとかじゃなくて、俺や母さんが撮ったりしたやつね」 遥「中学…」 湊「見てみて!ほら、遥が学ラン着てるの!まだまだ少年って感じでかわいぃぃぃい( ´∀`)」 遥「盗撮だろ(怒)」 湊「だって撮らせてって言ったって断るじゃん(・ω・)」 遥「当たり前だ(`エ´)」 湊「まぁまぁ、もう時効だよ。それより見て、これ。体育祭の時のかな。遥の半袖ジャージぃ(^q^)」 遥「……そっち見せろ」 湊「高校のやつ?いいよ。でも俺の宝物なんだから、気に入らないからって剥がしたりしないでね」 遥「そこまで子供じゃない…」 ぺらっ 遥「おい」 湊「ん?」 遥「なんで一ページ目から…女装…!」 湊「あ……えっと…まぁほら、ね。遥に会えない時とかにさ、よく使っ……Σぐふっ」 遥「アルバムごと燃やしてやる(`皿´)」 湊「ちょっとぉ!やめてやめて頼むからそれだけはっ!ていうか前言撤回してるじゃんっ(´;ω;`)」 遥「そんな気色の悪い証拠を残しておけるか(`Д´)」 湊「大丈夫だよアルバムは汚してないから!ちゃんと手も洗ったから!(´;ω;`)」 遥「(`´)」 湊「怒っちゃった(´・ω・`)……あ、かわいー。ちっちゃい優太と写ってる」 遥「ちっちゃい優太…」 湊「覚えてる?中一の時うちに来てさ、初めて優太に会ったの」 遥「ああ」 湊「優太はまだ三才くらいだっけ。こんなふうにソファに座った遥を珍しそうに見て、よじよじって膝に上ってたな」 遥「(かわいい…)」 湊「よし、守山には絶対見せないようにしよう。…ん、そっちの写真は文化祭のか。一緒に屋台回って、お化け屋敷行こうとしたら遥がすごい嫌がったよな(笑)」 遥「そんなことない……;」 湊「えー、そうだっけ?段ボールのハリボテのやつなのにびくびくしてたじゃん(^^)」 遥「お前があることないこと吹き込むから…(怒)」 湊「『あれって人魂じゃないか?』とか『うわ、なんか今背中撫でられた』とかでしょ?いやー、ビビる遥がかわいくて」 遥「(怒)」 湊「いつだっけ。俺がミスターコンかなんか出て、それが終わるの待ってから屋台行ったら食べたかったやつ売り切れててさ(笑)」 遥「……焼き鳥」 湊「そうそうw遥むくれてたから、代休の日に俺の家で焼き鳥パーティーしたっけ。しかもわざわざ炭火で」 遥「(うまかったな…あれ)」 湊「最初は焼き鳥やってたのに優太と遥はいつの間にかサンマに夢中でさ。まぁ、サンマもうまかったけど」 遥「(懐かしい…)」 遥「Σはっ」 湊「?ね、これ見て。中学の遠足!覚えてるか?」 遥「鎌倉か…」 湊「そうそう。班行動だったけど、顔くらいの肉まん食べたり顔くらいの煎餅食べたり、食い倒れツアーみたいになってたよな( ´∀`)」 遥「(大仏のところで、土産に御守買ったな…)」 湊「優太に土産何買ったっけ。金平糖だったかな…」 ぺらっ 湊「おー、バレー部の地方大会だ。遥が日付間違えて応援に来てくれなかったやつw」 遥「Σ!あれはっ…」 湊「あの頃携帯持ってなかったし、約束は口頭が当たり前だったからなぁ。聞き間違えたんだよね、確か(・ω・)」 遥「お前が紛らわしい言い方するから…」 湊「うんうん、ごめんな。でもそんなに仲良しってわけじゃなかったから、来てくれなくても仕方ないかなーって思ってたんだ。ちょっとは寂しかったけど」 遥「その次は、ちゃんと行っただろ…」 湊「うん。綾さんが持たせてくれた差し入れ見た他の友達が『おい、桜井が小宮のマネージャーになったらしいぞ!』ってふざけてたっけw」 遥「あいつか……余計なことを…(`_´)」 湊「恋してる俺としては嬉しかったけどね(*^^*)」 遥「(その後の攻撃がやたら決まってたのはそれでか…)」 遥「(……ん?)」 ぺらっ 遥「!これ…」 湊「え……?あぁ。修学旅行でケンカした時、仲直りに遥がくれた栞だね( ´∀`)」 遥「使ってないと思ったら……(´д`)」 湊「何度かは使ったけど、やっぱもったいなくてさ。そのアルバムの中で、一番大事な写真のところに挟んでおいたんだ」 遥「一番……?」 湊「ほら、これ(´∇`*)」 遥「……これが?」 湊「意外って顔してるね」 遥「こんなの…普通だろ。お前の家で撮ってるだけで…」 湊「うん、格好としては今と変わらないね。ソファに座ってるだけ。…でも、これほんとは続きがあるんだ」 遥「?」 湊「このアルバムって家族が見たりもしてたから、滅多なものは貼れないんだけど…この写真、もう少し下に引き伸ばしたやつが俺の机にあるんだ。そっちがいわば本家。…これね、こうなってるんだ」 ぎゅっ 遥「!手……///」 湊「そう。この見切れてるところで手繋いでるの。今みたいに、指を絡める繋ぎ方で。だからほら、ちょっっとだけ遥が照れてる( ´∀`)」 遥「う……///」 湊「これ、日付見るとわかるけど、遥と付き合ったばっかりの頃のだよ。テーブルに置いたデジカメで、タイマーつけて撮ったんだ。俺、すごく嬉しそうにしてる」 遥「(あ…)」 ーーー 湊「な、写真撮らないか?携帯の画面じゃちっちゃいからさ、これで(*^^*)」 遥「…嫌だ」 湊「(´・ω・`)」 遥「そんなもの残したって…どうにもならない」 湊「なるよ。…きっと、何年か後に見た時、すごく懐かしくなる」 遥「……そこまで続いてるかどうかだろ」 湊「うーん、それを言われると; …でも、その時さく…遥が隣にいなくても、写真を見て『大好きだったな』って思えれば、十分意味はあると思う。もちろん、二人で眺められたら幸せだけど」 遥「…怖くないんだな」 湊「え?」 遥「いい。そこまで言うなら…撮らせてやる」 湊「よかったー。よし、セットおっけー。じゃ、あっち見ててな」 遥「(数年後…か)」 ぎゅっ 湊「いーか数年後の俺!俺は遥が大好きなんだからな!」 遥「!」 湊「ちゃんと幸せになれよ。今も、未来も!」 遥「(……馬鹿みたいだ)」 遥「(幸せなのは……お前だけじゃ、)」 パシャッ ーーー 湊「……遥?」 遥「……Σ」 湊「どうした?ぼーっとして」 遥「…別に」 湊「ふーん?(・ω・)」 遥「……スマホ」 湊「スマホ?」 遥「寄越せ」 湊「へ?あ、うん…ロック解除してからな。はい」 遥「……」 湊「?カメラ…モード…」 遥「……///」 湊「……貸して。セルフタイマー、つけるから」 とんっ 湊「ふふ…なんか、変な感じするな」 遥「はしゃぐな///」 湊「机に置いて…よし。はい、おててちょうだい( ´∀`)」 ぎゅっ 遥「馬鹿……///」 パシャッ 湊「保存、と」 遥「………」 湊「…ありがとな」 遥「うるさい」 湊「ふふ。壁紙にしちゃおっかな〜(^^)」 遥「(…幸せになれ、か…)」 『…怖くないんだな』 遥「(もう、怖くないから…幸せになってやるか)」 ↑main ×
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