:: 犬と子はる
2014.12.05 (Fri) 01:53

犬「くうん…」

遥「いぬ。みなと、いぬだ(`・ω・)」

湊「捨てられちゃったのか。かわいそうに」

遥「えっ(´・ω・)」

湊「ほら。拾って下さいってここに書いてある」

犬「くーん…」

遥「ひ、ひろってあげよ。みなと、いいだろ(´;ω;`)」

湊「まぁ、うちはペットだめなアパートじゃないけど…飼うわけにはな」

遥「でも、さむいからこいつしんじゃうかもしれない。はらだって、へってる…(´;ω;`)」

犬「くんくん…」

遥「ほら、においかいでる。たべもの、ほしいんだ(´;ω;`)」

湊「仕方ないか…。この子の飼い主が見つかるまでな」

遥「うん。よかったな、いぬ(´;ω;`)」

犬「くうん? わふっ(´ω`)」

遥「こい。ごはん、たべさせてやるからな」

犬「わふっ」

湊「そうとなれば、まずは餌と…」

遥「おうち(´・ω・)」

湊「だから飼わないんだって^^; でも首輪とリードくらいは必要かな…」

〜〜〜

湊「こんなんでどうかな」

カチャッ

犬「わんっ」

湊「おっけー? ごはんは…はい、ドッグフード」

遥「おれやる。はい」

犬「わふっ(´ω`)」

遥「たべてる…はらへってたのか(・ω・)」

湊「後でこいつの写真撮って、ポスター作ろうか。大学とかスーパーの掲示板に貼らせてもらおう」

遥「……こいつかいたい(´・ω・)」

湊「それはだめ。俺まだ学生だし、こいつの分までまかなえないよ」

遥「うー…(´;ω;`)」

湊「しかし、こいつ、じゃ呼びにくいよな。名前…遥つける?」

遥「つける。ちょっと、まってろ」

てくてく
ばさっ

湊「五十音表…?」

遥「すきなひらがな、じぶんでえらべ(`・ω・)」

湊「まさかのこいつに任せるのか(笑)」

犬「わふっ」

湊「伝わったの?(OoO;)」

遥「えと……"ん"。だめだ、やりなおし(´ε`)」

犬「くーん…(´・ω・`)」

湊「もう遥がちゃんとつけてやろうよ。な?^^;」

遥「…ぴたごら(´・ω・)」

湊「およそ犬につけない名前だな」

遥「じゃ、ぴーちゃん」

湊「むしろ鳥っぽくない?」

遥「むう。じゃあ…」

犬「くんくん……」

遥「くんくんしてるから、くんた」

犬「わふっ」

湊「いいんじゃないか? 男の子らしいし」

遥「くんたー」

く「(とことこ)」

遥「かわいい…(´ω`)」

湊「まだちっちゃいしな。年は遥くらいかも」

遥「よしよし」

く「わふ」

湊「ポスターついでに、こいつの予防接種とかしてこないとな。あ、くんた」

く「わふ?」

湊「いいか、トイレはここ。ここだ」

く「?」

遥「といれ。でそうになったら、ここにくるんだぞ」

く「(ぷるぷる…)」

遥「?」

湊「あ。やばいっ、こっちこっちっ」

く「わふ…(´ω`)」

湊「危ねー。部屋に撒き散らされたらひどいからな;」

〜〜〜

湊「遥、そろそろ寝よっか」

遥「ねむい…」

湊「歯磨きした?」

遥「した」

湊「じゃあ寝よう」

く「くーん…(´・ω・`)」

遥「あ、くんた」

湊「お前のベッドはこっちだよ。ほら」

く「くぅん…」

遥「くんた、さみしいのか。おれ、いっしょにねる」

湊「まだ子供だもんな。くんたにこの毛布かけてやって」

遥「ほら、くんた」

く「わふ…(´ω`)」

遥「よしよし。おやすみしたな」

湊「くんたはたぶん、俺より遥をご主人様だと思ってるのかな」

遥「おれ、かいぬしか」

湊「うん。明日は朝からお散歩だぞ(笑)」

遥「がんばる(`・ω・)」

〜〜〜

く「わふっわふっ」

遥「ま、まてっ。くんた、まって…っ(´;ω;`)」

く「わふ?」

遥「ぜぇぜぇ…(´;ω;`)」

湊「リードは俺が持ってて正解だったな。遥、引きずられてる(笑)」

遥「つ、つかれた。みなと、おんぶ…(´;ω;`)」

湊「はいはい。くんたはこんなに元気なのにな」

く「わふっ(´ω`)」

遥「さんぽなのに、なんではしるんだ…(´;ω;`)」

湊「遥とお外に出られて嬉しいんだよ。ほら、今もぐいぐい引っ張ってる」

犬「わんっ」

湊「予防接種もポスター貼りも済ませたし、誰か飼い主が見つかってくれるといいなぁ。学生はなかなか飼えないから、やっぱ大人かな」

遥「くんた、かわいいのに…(´・ω・)」

湊「ルシたちにも心当たりがないか探してもらってるけど、保健所は行かせたくないしな…」

遥「ほけんじょ?」

湊「しばらく犬を預かって、飼い主が見つからなかったら…くんたは殺されちゃうんだよ」

遥「やだっ、ぜったいやだぁ…っ(´;ω;`)」

湊「大丈夫、絶対行かせない。いざとなったら、優太や母さんに頼んでみるし」

遥「おれ、ちらしくばったり、なんでもするから…っ(´;ω;`)」

湊「そうだな。いい人が見つかるように頑張ろう」

く「わんっ(´ω`)」

〜〜〜

佳「くんちゃーん、こっちおいで。ほらおやつよー^^」

く「わふ! もぐもぐ…」

佳「かわいーわぁ」

凌「ああ。このつぶらな瞳といい…癒されるな(´`*)」

か「おとなしい子ですよね、聞き分けもいいし」

湊「で? なんか情報あった?」

凌「いや、(数少ない)友人をあたってみたが誰も…」

か「僕もバイト先の人に聞いてみましたが、他の動物を飼っていたりするみたいで…」

湊「そっか…」

佳「ふふん。見つけたわよ」

遥「えっ(´・ω・)」

湊「マジか!」

佳「しかもちゃんと大人で優しそうな人」

か「どなたですか?」

佳「あたしがよく遊びに行ってるご近所のおばあちゃんよ(´∀`)」

凌「この希薄な人間関係が広まる世の中で、近隣住民とそこまで親しくできるとは…」

佳「まぁね。ていうか学食のレジのおばちゃんのお母さんなんだけど」

か「そうなんですか!」

湊「で? 飼ってくれるのか?」

佳「昔犬飼ってたんだけど、交通事故で亡くなって以来飼わなかったみたい。でも写真見せたらちっちゃい頃によく似てるらしくて、飼ってみたいってさ」

湊「そっか。飼ったことのある人なら安心だな。とりあえず近いうちに、くんたと会わせて…」

遥「……やだ(´;ω;`)」

湊「え?」

遥「くんたのかいぬし、おれだ。くんた、ほかのいえにいっちゃうの、やだぁ…(´;ω;`)」

く「くぅん? ぺろぺろ」

佳「なんだかんだで五日くらい飼ってたもんね。遥ちゃん、離れがたくなっちゃったのかな」

湊「くんたの飼い主は遥だよ」

遥「ぐすっ…(´;ω;`)」

湊「でも、くんたはみんなの犬なんだ。大切にしたいなら、優しい人にくんたをお願いしよう?」

遥「でも…くんた、ほかのいえにいったら…おれのこと、わすれちゃう…ふぇっ(´;ω;`)」

湊「忘れないよ。くんたを助けてあげたのは遥なんだから。きっと遥に感謝してるよ」

く「わふっ(´ω`)」

佳「それに、近所ならいつでも遊びに行けるわよ。くんたのお散歩中に会えるかもしれないし」

遥「ふぇ……、くんたぁ…(´;ω;`)」

く「わんっ」

遥「ぜったい、わすれちゃだめだからな。おれ、はるかだぞ(´;ω;`)」

く「わふっ!(´∀`)」

〜〜〜

湊「今日はご飯なんにしよっか」

遥「しちゅー」

湊「シチュー? ふつうのクリームシチュー?」

遥「うん(・ω・)」

湊「わかった。…あっ」

おばあさん「あら、こんにちは」

遥「あっ! くんたっ」

く「! わふっ(´ω`)」

ぺろぺろ

遥「くんた、くすぐったい…(´`*)」

湊「お久しぶりです。お散歩ですか?」

おばあさん「ええ。この子、とても頭がいいのね。私が疲れちゃうと、それに合わせてゆっくり歩いてくれるの」

遥「むー。おれのときは、ぐいぐいひっぱったのに(´ε`)」

湊「遥は遊ばれてたんじゃ?(笑)」

く「わふっ(´ω`)」

遥「くんた、げんき?(´・ω・)」

おばあさん「毎日すごく元気よ。今日も、ご飯を食べたのに私のおやつのクッキーまで食べちゃって(笑)」

湊「よかったなくんた、おいしいものいっぱい食べさせてもらえて」

く「わんっ」

おばあさん「今度、うちに遊びに来てね。くんたもあなたたちに会いたがってるわ」

遥「うん。ばいばい、くんた」

く「わんっ(´∀`)」

湊「おばあさん、遥がつけた名前、そのまま使ってくれてるんだな」

遥「くんた、いいなまえ(´ω`)」

湊「ふふ(笑) 今度、くんたのおやつ持って会いに行くか」

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