:: お弁当の日
2014.11.17 (Mon) 01:28

遥「あ」

湊「ん? なになに、そんなに俺がかっこいい?(´ω`)」

遥「違う。明日の昼、学食には行かない」

湊「え、なんで? 午後も授業あるだろ?」

遥「その講義でテストがあるから…勉強する。昼なんか食べなくていい」

湊「それでさっきからずっと勉強してんのかぁ。…って、えええ! 死んじゃうだろっ(OoO;)」

遥「一食くらい抜いても死なない」

湊「だめだって、ご飯食べないとどのみち集中切れるだろ。せめてほら、朝コンビニで昼ご飯買ってくとか」

遥「別にいい」

湊「だーめだって(´;ω;`)」

遥「テストが終わってから、食堂でもコンビニでも行けばいい」

湊「テスト前に食べるから意味があるんだろ(´;ω;`) …あっ」

遥「?」

湊「いいこと思いついた」

遥「なんだ」

湊「買いに行く時間ないなら、お弁当作ってあげるよ( ´艸`)」

遥「いい(即答)」

湊「Σ(゜д゜ll)ガーン」

遥「…そんなに、ショックなのか;」

湊「だってぇ…せっかく俺のお手製弁当作ってあげよーと思ったのに…ぐすっ(´;ω;`)」

遥「手間になるからいい;」

湊「え、弁当食べるのも手間なの(´;ω;`)」

遥「…お前の、手間になるから…///」

湊「ずっきゅーん(゜゜)」

遥「変な声出すな」

湊「いやぁ、デレかわいいなと思って(*´д`) 大丈夫だよ、どうせ暇だし。今作っとけば朝は詰めるだけだからさ」

遥「…忙しく、ないのか」

湊「うんうん、平気(`・ω・)」

遥「…まぁ、それなら…」

湊「やった(´∀`) よし、今から仕込みするぞー」

遥「(変な奴…)」

トントン

湊「ふへへ、おかずなんにしよっかな」

ジューッ

湊「やっぱ唐揚げは欠かせないし、卵焼きと…あ、煮物もちょっと入れてあげよう」

ぐつぐつ

湊「あとは…きんぴらとかいいな。むふふ」

遥「(いい匂いがする…(*´`))」

湊「よし、卵焼きとおにぎりは明日作ろ。遥、おにぎりの具は何がいい?」

遥「何がある」

湊「んー…梅干し、おかか、昆布…じゃこもあるよ」

遥「梅干しか昆布」

湊「じゃあちっちゃいの二つ作るな。俺はおかかとじゃこにしよっと」

遥「? 俺は…?」

湊「うん、せっかくだから自分の弁当も作ろうかなって。作ったおかず余っちゃうからさ」

遥「ふうん」

湊「お揃いの弁当ってなんかいいよね( ´艸`)」

遥「べ、つに…///」

湊「あ、飲み物どうする? 保温できる水筒あるから、あったかいお茶持ってく?」

遥「ん」

湊「わかった。俺はどうせ食堂行くからお茶はいらないかな」

遥「ん…? ……! お前、まさかそれ…」

湊「何?」

遥「弁当…ルシたちに、見せびらかす気だろ(`‐´)」

湊「そうだけど?(笑)」

遥「やめろ!」

湊「えー、いいじゃん。別に遥が作るわけじゃないんだし」

遥「そういう問題じゃない…(-"-;)」

湊「まぁまぁ。丹精…いや愛情込めて作るからさ、ちゃんと食べてな(^ω^)」

遥「…残すとは、言ってない///」

湊「はいはい^^ でも無理はしないでな、テストあるんだし」

〜〜〜

佳「あーうまいっ、とんかつさいこぉぉ!(´∀`)」

翼「まったく、君は…。少しはしとやかに食べられんのか(´ε`)」

佳「っさいわね、あんたこそ人参避ける食べ方やめなさいよ、みっともない」

翼「嫌いなものは嫌いなんだ(´ε`)」

か「わぁ、小宮さんのお弁当おいしそうです^^」

凌「彩りもいいな。どうした、節約に目覚めたのか」

湊「違う違う。かくかくしかじかで…」

佳「なるほどぉ。どうりで遥ちゃんがいないと思ったわ(´д`)」

翼「おい、なんだそのぴかぴかの卵焼きは! うまそうじゃないか!」

湊「やらねーぞ」

翼「うちのシェフのディナーよりうまそうだな(´・ω・)」

佳「当たり前だけど遥ちゃんの好物ばっかりね」

凌「ポテトサラダまであるのか。ずいぶん凝ったな」

か「これだけおかずが多いと、作るの大変じゃありませんでした?(´・ω・`)」

湊「自分用ならここまでやらないけど、遥のためだと全然苦にならないよ(´ω`)」

か「ほぇ、なるほど。確かにそういうものですよね、料理って^^」

佳「いーなー、明日からあたしの分も作ってよーう(´д`)」

湊「自分でやれ(´∀`)」

翼「私にも五目いなり弁当をだな…」

湊「なんで俺がお前のために手間暇かけるんだよ^^;」

か「僕も頑張らなきゃです^^」

凌「弁当か…考えてみると奥が深いものだな。俺も作るか」

佳「ありがとー守山\(^0^)/」

凌「お前にとは一言も言ってないが´`」

〜〜〜

パカッ

遥「(OoO)…」

遥「(なんだこの輝き…)」

遥「(おかず…六種類だと…;)」

遥「ん?」

カサッ

『テスト頑張ってね!』

遥「…///」

遥「…ばか///」

榛「おーい、ちょっと訊きたい問題が…んっ?」

遥「Σ!」

榛「あれ? お前、自宅通い…じゃないよな?」

遥「こ、これは…;」

榛「いいっていいって。皆まで言うなよ、わかってるから(^_^)」

遥「え?」

榛「よかったな、料理上手な彼女がいて」

遥「………;」

榛「へー、うまそうだな。俺の彼女もたまーに作ってくれるけど、危なっかしいからつい手伝っちゃうんだ^^;」

遥「…;」

榛「せっかくの手料理食べてんの、邪魔するのも悪いしな。また後で訊きに来る」

遥「あ、あぁ…;」

遥「(完全に誤解された…;)」

遥「とりあえず食べるか…」

ぱくっ

遥「!」

遥「(うまい…(*´`))」

遥「おにぎり…」

ぱくっ

遥「昆布か」

もぐもぐ

遥「(唐揚げがうまい…)」

もぐもぐ

遥「お茶…」

ごくっ

遥「(幸せだ…(´ω`))」

遥「Σはっ」

遥「……///」

遥「(こんなに満たされた気持ちになるなら…まぁ、悪くない、か…///)」

遥「(……なんだか…少しだけ、顔が見たくなったな)」

周りの人「おい、桜井がなんかうまそうなもん食ってるぞ!」

周りの人「くそぉ、あんなうまそうな弁当…久々に見たぜ(´;ω;`)」

周りの人「しかもあれ、彼女のお手製って話だぜ」

周りの人「マジかよ! あいついかにもな草食系っつーかむしろ興味なさそうなのにちゃっかりしてやがるな!(゜゜)」

周りの人「食いてぇぇ(泣)」

と、実は遥が思っている以上に周りから誤解を受けていたのであった(笑)

〜〜〜

湊「お帰り。テストどうだった?」

遥「まぁ…できた」

湊「ってことはばっちりだな(´ω`)」

遥「……これ」

湊「あ、弁当箱な。洗っとくよ」

遥「……うまかった。全部」

湊「へ」

バタバタッ

湊「え、ちょっ待っ…」

湊「あ」

パカッ

湊「空っぽだ…」

湊「……へへ…( ´艸`)」


***
弁当というのは少なからず誰かの愛情が詰まってるものだと思う。……食べたい(´・ω・)


prev|↑Log|next

↑main
×
- ナノ -