:: 記憶喪失湊と子はる2
2014.08.27 (Wed) 00:50

遥「みなと、これ(´・ω・)」

ばさっ

湊「へ? なんだ、このクマのノート…」

遥「おれとみなとの、こーかんにっき」

湊「こ、交換日記っ?(OoO;)」

遥「まいにちのこと、いっぱいかいてある。これ、ひよこゆーえんちにいったときの、しゃしん」

湊「日付は…先月だな」

遥「こっち、りょこうのしゃしん。おれもみなとも、ゆかたきてる」

湊「ほんとだ。へー、温泉旅行か」

遥「…おもい、ださない?(´・ω・`)」

湊「うーん……なんか、ぼんやりと絵だけが浮かぶんだ。赤いの……なんだろ、脚がいっぱい…」

遥「なんだそれ(´;ω;`) ……あっ。かに!」

湊「そう、カニだカニ。なんでだろ」

遥「りょこういったとき、かに、いっぱいたべた(´ω`)」

湊「そうなのか? じゃあその記憶の断片なのかな…」

遥「もっと、おもいださない?(´・ω・)」

湊「ううん。まだ…それだけ。思い出そうとすると、頭が痛くなるような……実際は痛くないんだけど、そんな感じがしてちょっと怖くて」

遥「ふぇ……」

湊「あ、いや…こんなこと言われても遥が困っちゃうよな。ごめん」

遥「あやまるな。おれ、なんでもおしえられる、から(´・ω・`)」

湊「うん、お願いな。…そろそろ、遥は寝る時間か?」

遥「も、ちょっと。にっき、かく。きょうはおれのばんだ」

湊「そっか^^」

〜〜〜

遥「おれのせいで、みなとがおれのこと、わすれちゃった…(´・ω・`)」

遥「ぜったい、みなとがおれのことおもいだすまで、がんばる。ぜったいぜったい、みなとにはるかってよんでもらう」

遥「よぶだけじゃなくて、ぎゅってして、ちゅーする。ぜったい、おもいださせる(`・ω・)」

かきかき
ぱたん

遥「みなと、ねよ(´・ω・)」

湊「ん? 遥の布団ってこれじゃないのか?」

遥「う、うん。でも、いっしょにねたほうが、おもいだすかもしれない」

湊「そうだな。じゃ、こっちおいで」

ぎゅっ

遥「みなと、おやすみの、ちゅー…(´・ω・`)」

湊「Σへっ? いや…でも、遥も俺も男だし…」

遥「えっ(´;ω;`)」

湊「あっ、泣かないでっ; ほら、ちゃんとするから」

ちゅっ

遥「ちがうもん…(´;ω;`)」

湊「えっ、だめだった?;」

遥「ほっぺたじゃなくて、くちだもん…ふぇっ(´;ω;`)」

湊「俺…そんなことまでしてたのか^^;」

遥「ふぇ……も、いい。ねるっ」

ぷいっ

湊「あっ、遥…」

遥「ぐすっ…(´;ω;`)」

遥「(みなと、はやくかえってきて…)」

〜〜〜

遥「ちゅー、おぼえてないのか…(´・ω・`)」

遥「みなとすいっち、できないのか…(´;ω;`)」

湊「Σいだっ! おいっ、本叩きつけるのやめろよっ(泣)」

佳「うーん、記憶を失った時と同じショックを与えればいい、って守山が言ってたんだけどなぁ」

翼「どう考えても脳細胞を無駄死にさせているだけだと思うが´`」

佳「無意味な死であったと…言わせない、最後のひとつになるまで」

湊「殺す気か(`Д´)」

佳「だってぇ。遥ちゃんがかわいそうで見てられないのよ。なんとかしなきゃって思うじゃない(´・ω・`)」

翼「それはそうだが…」

湊「……遥、あんまりご飯も食べてくれないんだ。遥の好きな味付けがまだわからないせいかもしれないけど…」

佳「うーん、どうしたらいいかしらね…」

湊「交換日記、俺も一応は書いてるけど遥が書くのってほとんど同じなんだ。早く俺の記憶が戻るようにって…」

翼「なんて健気なんだ(´;ω;`)」

佳「あっ(゜゜)」

湊「ん?」

佳「確か、あんたと遥ちゃんが映ってる写真、守山がパソコンに溜めてた気がする」

湊「写真なら、俺のスマホにもあるぞ?」

佳「でもあいつは遥ちゃん単体のも持ってるし、遥ちゃんが来る前の写真もいっぱい持ってるから、具体的にどの辺の記憶まであるのか見てみたら?」

湊「そうだな、遥も気晴らしになるかもしれないし。遥、お出かけしよう」

遥「おでかけ…?」

湊「守山の家に行って、遥と撮った写真見せてもらうんだ^^」

遥「おれとみなとの、しゃしん…(´・ω・)」

湊「旅行のカニみたいに、なんかのヒントになるかもだし」

遥「ん。いく(`・ω・)」

〜〜〜

翼「守山の家というか成島のアパートは、ここから大学へ向かう途中だったな」

遥「! じどーはんばいき!」

湊「ん?」

佳「この自販機? どうかした?」

遥「ふゆに、みなととさんぽしたとき、じゅーす、かった(`・ω・)」

湊「そうなのか?」

佳「何買ってあげたか、覚えてないの?」

湊「んー…冬なら、たぶんあったかいものだよな…」

遥「みなと、おもいだせ。じっくりの、やつ…」

湊「う……!」

佳「小宮っ?」

湊「なんか、頭が…」

翼「おい、大丈夫か!」

湊「あ、ああ。でも…思い出せそうなんだ。こ…」

佳「ココア?」

湊「いや、名詞じゃなくて。副詞……ことこと、か?」

遥「(´・ω・)!」

湊「じっくりことこと…あっ、コーンスープか!」

遥「うん……っ(´;ω;`)」

湊「当たった? よかった^^」

翼「少し時間はかかるが、なんとか思い出せるところまで来ているらしいな」

佳「よっし、早く守山に遥ちゃんとのメモリーを見せてもらわなきゃ」

〜〜〜

凌「子はるの写真は確か、このフォルダに…」

佳「うわ、何よこのかりんフォルダって。小五、中二、高一…キモッ(´д`)」

か「ほぇ? なんですか?」

凌「いや、なんでもない。…勝手に見るな(O_O)」

湊「お前こそちょいちょい暗黒面見せんのやめろよ;」

佳「さっさと写真見せなさいよショタコン」

凌「それが人にものを頼む態度か。…これだな」

カチカチッ

遥「! これ、おれがりょーやに、ひろわれたときの…(゜゜)」

湊「へ?;」

佳「そうだ、あんたが外にゴミ出してる時に、遥ちゃんがひとりで出ていっちゃった時のだわ」

か「はい。先輩がここへはるかくんを連れてきたんでしたね。ほら、牛乳飲んでます」

湊「そんなことがあったのか…」

佳「で、そんな非常時にもちゃっかり写真撮ってるあんたって…」

凌「何を言うか。これがいつどこでこうして役に立つかわからないだろう」

か「はい、さすが先輩ですっ^^」

カシャッ

凌「いい笑顔だ」

佳「ちょっとっ、次の写真一覧っ!」

凌「(´`)……これだ」

佳「あっ。これ…小宮がバイトだからあたしが遥ちゃんを預かってて、この部屋に来てみんなでお昼食べたんだよね」

遥「たまご、すーぷ(`・ω・)」

か「はい、炒飯と卵スープを作ったんです。その後はるかくんがお昼寝して、起きてからサンドイッチの作り方を教えたんです」

翼「なんだか、無駄に昼寝の写真が多いな;」

凌「天使だ」

遥「かりんとさんどいっちつくって、つぎのひ、みなとにあいさいべんとーつくった///」

凌「愛妻弁当だと…」

佳「食いつくとこはそこかい(´д`)」

か「あ、そういえば小宮さん言ってましたね。バイトの日に、はるかくんにサンドイッチ作ってもらったって^^」

湊「サンドイッチ……ん、なんか…丸くて赤いのが…」

遥「みなと、がんばれ」

湊「そうだ…ミニトマトが、丸ごと…」

佳「丸ごとっ?」

か「はるかくんが使っているプラスチックの包丁だと、切れなかったんじゃないでしょうか」

佳「そっか。それで丸ごとなのね」

遥「ん。みなと、おもいだした?(´・ω・)」

湊「ぼんやりだけどな。確か、紙も入ってたような…」

凌「サンドイッチにか」

湊「そんなわけあるか!; 手紙だよ」

遥「おれ、かいた。あいさいべんとー、たべてって(´;ω;`)」

佳「よかったね遥ちゃん、ちょっとでも思い出してもらえて^^」

遥「ん。ぜったい、ぜんぶおもいだすまで、がんばる(´;ω;`)」

凌「天使だ…(カシャッ)」


***
この非常時に凌也だけが仕事をしてくれない感…(・ω・)


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