:: 遥とかりんとパンの耳
2013.11.02 (Sat) 01:55

・受っ子が一緒にお風呂
・若干のシリアス


ある日の帰宅途中。

か「あっ。桜井さーんっ」

遥「ん……?」

か「今お帰りですか?」

遥「ああ。……なんだそれ( ̄_ ̄)」

か「あ、これは袋です」

遥「中身の話だ」

か「パンの耳です^^」

遥「耳…?」

か「この先に小さなパン屋さんがありまして、袋いっぱいの耳を十円で売ってるんです。凄いですよねっ^^」

遥「食べ方は……」

か「普通に食べたり、パン粉にしたりですね。パンに塗るものなくても、パン屋さんのパンってそれだけでおいしいんですよ」

遥「……;」

か「あれ? なんか暗くなってきましたね」

遥「ん」

か「あの、途中までご一緒させてもらってもいいですか?」

遥「好きにしろ」

か「はい^^」

てくてく

か「雨降りそうですね。天気予報見てないのでわからないですけど…」

遥「見ないのか」

か「というか、テレビ自体がないので^^」

遥「Σ!?」

か「先輩や桜井さんのお宅で見るくらいですね」

遥「あっ」

か「Σああ! 降ってきちゃいました……あの、なんか強くないですかっ?(゜゜)」

遥「見ればわかる。急げ」

か「雨宿りできそうにありませんし……ほにゃっ、スコールみたいです(> <)」

遥「(濡れて気持ち悪い…)」

か「えと、じゃあ僕、次の角で曲がりますのでこれで…」

遥「っ……いいから来い。家のほうが近いだろ」

か「え、でも…」

遥「さっさとついて来い!(`д´)」

か「は、はい」



遥「うー……」

か「すっかりびしょ濡れですね(´・ω・`)」

湊「遥! うわ、二人とも大丈夫か;」

遥「うるさい。タオル……」

湊「はいはい。ほら、かりんくんも」

か「ありがとうございます。それにしてもひどい雨ですね」

湊「でももう弱くなってたから、通り雨だったんだな。いやー、運が悪かったな^^;」

遥「風呂……(-"-;)」

湊「今お湯ためてる。もう入れると思うけど」

遥「……お前が先に入れ」

か「え!?(OoO;) お、お気遣いなく! 僕は大丈夫ですよっ」

湊「でも、上から下まで濡れたみたいだし入ってったら?」

か「でしたらその、桜井さんがお先にどうぞ? 僕、めったに風邪とか引きませんし…」

遥「入れって言ってるだろ( ̄_ ̄メ)」

湊「あー……んじゃさ、二人で一緒に入ったらいいんじゃ?」

か 遥「Σはっ」



遥「(なんでこうなった……;)」

か「濡れてると脱ぎにくいですね。よいしょ」

遥「(羞恥心…ないのかこいつ……)」

か「服はここに入れればいいんですよね。あれ、桜井さんまだ入らないんですか?(´・ω・)」

遥「入る( ̄_ ̄#)」

か「えっと、じゃあ僕はお先にお邪魔します」

ガチャ

か「ふわ! お風呂が広いです!(゜゜*)」

遥「はしゃぐな」

か「すみません…でも、ちゃんと洗い場があって浴槽も大きいので」

遥「普通だ」

か「僕の部屋のお風呂はもっとちっちゃいですよ。ところであの、どうしてタオル…」

遥「お前こそ隠せ(`д´)」

か「え! だ、だって桜井さんも男性ですよね?」

遥「そういう問題じゃない(怒)」

か「えっと、じゃあ……シャワーどうぞ」

遥「ん」

か「ほぇ、お湯がぬるくてちょうどいいです(´`*)」

遥「………(髪洗ってる)」

か「シャンプーはこれですね。お借りします」

遥「……」

か「……」

遥「……」

か「……ふふ」

遥「なんだ( ̄_ ̄#)」

か「僕、家族や先輩以外の方と一緒にお風呂入るの初めてです。家族も、兄弟がいなかったので特に」

遥「家族……」

か「やっぱり、一緒に入りましたか?^^」

遥「記憶にない」

か「え…」

遥「親は……小学校前に引っ越した。それまでの記憶はろくにない」

か「…そうだったんですか。桜井さんは、おばあさんとお姉さんと住んでいたんですよね。あ、じゃあ小宮さんとだけですね、お風呂^^」

遥「Σ!///」

カコンッ!

か「ほにゃ! 洗面器で叩かなくても…(泣)」

遥「余計なこと言うな( ̄_ ̄メ)」

か「ほぇ…わかりました。じゃあ背中流しますね」

遥「は……?(´`)」

か「よいしょ、よいしょ」

遥「……;」

か「よいしょっ」

遥「……もういい;」

か「えっ、だめでしたか(´・ω・`)」

遥「(子供を労働させてるような罪悪感が…;)」

か「んしょ……体洗ったのでお湯につかりますね」

遥「ん」

か「あの、桜井さんもどうぞ?」

遥「……( ̄_ ̄#)」

か「えっえっ、だってこのお風呂広いですし、僕ちっちゃいし桜井さんもそこまで場所取らな」

遥「なんだと……(怒)」

か「おお怒らないで下さいっ(泣)」

遥「はぁ……」

ちゃぽん

か「あったまりますね(*´`*)」

遥「……ん」

か「誰かと入るとほっとしませんか? なんだか、子供の頃に戻ったみたいで…あっ、まだ大人じゃないですけど^^;」

遥「子供……?」

か「えと、昔みたいに家族とお風呂に入ってるって感じです」

遥「家族と入りたいのか( ̄_ ̄#)」

か「僕は今でもそう思いますよ^^」

遥「なら入ればいいだろ…;」

か「あ…」

遥「?」

か「えっと……すみません。僕、桜井さんには言ってなかったかもしれません」

遥「?」

か「僕の両親は、中学生の時に亡くなりました」

遥「…え……」

か「ごめんなさい、わざと言わなかったわけじゃないんです。お話しする機会がなくて」

遥「……なんで…」

か「…交通事故で。それからは、伯母さんのお家に引き取られました。厳しい人ですけど、優しくて大好きなんですよ^^」

遥「…………」

か「あの……」

遥「……悪かった」

か「ほぇ……」

遥「入ればいいとか……言って…」

か「えっ……あっ、気にしないで下さい! ご存知なかったなら仕方ないですよっ」

遥「(そういえばこいつ……バイトばっかりしてたな…)」

か「そろそろ上がりましょうか? あっ、服どうしましょう(゜゜)」

遥「(パンの耳なんか食べて……)」

コンコン

湊『あのさー。今、濡れた服は乾燥機にかけてるから。着替え持ってきたからこれ着てな。かりんくんも、乾くまでは遥の服着てて?』

か「はい、わかりました! えと、僕お先に上がりますね」

遥「ん……」



か「服がちょっと大きいです…(゜゜)」

湊「ほんとだ。ハーフパンツがハーフじゃない^^;」

か「でも、桜井さん、服ありがとうございます^^」

遥「ん」

湊「あ。さっき守山にメールしたんだ。今やってる講義が終わったらここに迎え来るって」

か「ほぇ! ごめんなさい、いろいろお世話になってしまって(OoO;)」

湊「大丈夫だって。元は遥のおかげだし……って遥? 何やってんだ」

がさごそ

遥「あった……」

湊「へ? マーマレードがどうかした?」

遥「やる」

ずいっ

か「え……あの、僕にですか?(゜゜)」

遥「他に誰がいる」

か「で、でもこれ……未開封でまだ賞味期限もありますし」

湊「まぁまぁ。よくわかんないけどもらっときなよ。遥が人に物あげるなんてそうそうないし」

遥「……パンの耳に塗れ」

か「は、はい! ありがとうございます!(゜゜)」

湊「遥やっさしー( ´艸`)」

遥「うるさい( ̄_ ̄メ)」

か「やっぱり、桜井さんは優しい方なんですね^^」

湊「そうだよ(笑)」

遥「黙ってろ!……///」


***
遥はかりんに対してもツンデレする気がしてならない。

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