:: 10年前からの手紙
2017.11.18 (Sat) 18:18

アンジェラ・アキかよ。
それに似たようなことを、遠い昔のクラスでもやっていたのである。

2X歳になったら開けるようにね、と母は言った。
以来、実家の状差しに突っ込んだままだった一通の手紙。今年めでたく2X歳になった私は奴の存在を思い出した。母から封筒ごと送ってもらい、開封したのがついさっきのこと。リアルでも少し書いたが、なんかいたたまれない。でもやっぱり自分はこうだったよな、と実感の持てる文面だった。万が一家族に見られても問題なきよう書いたので、以下にご紹介しようと思う。


『10年後…の自分へ』

『蜜柑はきちんと摂取していますか?ビタミン不足になっていませんか?』

出だしからビタミンCを気にかける人間が世界でどれほどいるだろう。10年前の私は確かに柑橘中毒だった。給食で皆が残すグレープフルーツを食べあさり、担任からフルーツキラーの称号を賜った。

『只今風邪なのでビタミンCは必須ですね』

お前あれだけ食っといて風邪引いたのかよ。

『お腹痛いんでトイレ行ってきていいですか?』

先生に訊け。

『いや本当…D灰の神田って今でも流行ってんですか?ラビュとか』

いや本当って何だよ気持ち悪い。
再アニメ化したから安心していいよ。神田さんはいつだって輝いてるよ。ラビュブームはしばらく続くよ。

『子供はいませんよね?』

うん。

『結婚はしないでくださいね。2Xで結婚とか軽いにも程があるでしょ?』

そんなことはない。
というかたぶん、後半は冗談である。前半は本音かもしれないが。

『〇△覚えてますか?』

ここだけは伏せ字にしておく。別に疚しい単語が入るわけじゃなくて、当時書いていたオリジナルのCPなのだ。〇と△は攻と受の名前が入る。

『〇〇ですよ〇〇。あの自己中心的&O型のポジティブなうざい奴』

覚えてますよ。一時期サイトにも掲載してたし。
自己中以外は湊に受け継がれたのかもしれない。

『部屋の隅とかにどーせあるっしょ?』

電脳空間の隅っこにならね。

『友達は…まさか一人も居ないとかそんな哀しいこと言わんでくださいね。ちゃんと週1でメールしてください』

お前は自分をなんだと思ってるんだ。
今はLINEっていう便利なものが…え?そう、携帯が進化してスマホになったの。え?あ、携帯持ってなかったねすまん。

『遥さんどーなってます?つーか生きてます?』

!?
…( ; ゜Д゜)!?!?

い、いきてますいきてます大変お元気です(震え声)

『いやあなたこそ』

私より遥の安否確認先にすんなよ。蜜柑より先だろそれ。

『元気で楽しく生きているならなによりですね』

謎の上から目線どうした。

『じーちゃんとかばーちゃん父さん母さんを旅行にでも連れていってあげてください』

社会人一年目でそれはちときついです。いつかね、いつか。

『□は…22か。どうですか?少しは性格良くなりましたか?』

□は弟の名前である。
凄く良い奴になったから安心していいよ。あと三年くらいはつらい思いするけど、どうにか耐えてやってね。

『調理師の免許でも取ってくれるといいですね。夕飯が毎日弟の手作りかぁ……まぁいいんじゃないですか?』

同居前提…というより、自分と弟が実家を離れるという予想がこの頃には曖昧にしかできなかったのだろう。

『自分こそ少しは料理できるようになってください。一人暮らしならそこそこになっているかもしれませんね』

甘いな。
このご時世、一人暮らしでも自炊などせずとも食事などどうとでもなるのだ。高いからしぶしぶやるけど。

『父母は…どうなっていますか?未だに一緒に風呂とか入ってんですか?(吐)』

吐くなら言うなや。でもきっとそうだよ。

『友達と…居れば恋人と家族を大切にしてください』

……了解しました。



『P.S.あと20分で授業が終わります。次給食ですよ。昨日まで3日休んでたんですが、昨日伊予柑が出たそうです……💢』

( ´Д`)ハ?


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