「そんなに冷静な君のことだから、私が死んでもなんにも思わないのだろうね」


彼女は自嘲気味に呟いて、俯いた。それが自身の表情を隠すための行動だったなんて、容易に予想がつく。あぁそうだね。実に簡単な質問だ。僕は神だから君のような下等な人間がそばにいようがいまいが関係ない。僕は僕だけを護り、愛す。よって君は僕にとってなんでもない存在だ。よくわかっているじゃないか。そう言ったら、彼女はそうだよね、そうだよねと繰り返した。君はいま、何を思っているのだろう。…僕には関係ないけれど。だって僕は、君にとって冷静な人間なんだろう?だから僕は君を客観的に見ているよ、なんて。残念だけど、思ったより僕は誰かに何かを決め付けられるのは嫌いなようだ。なぜなら全ての審判を下すのは、この僕でなければならないのだから。彼女にふわりと近づいて、静かに唇を奪う。君が驚いたように僕を見るものだから、潤んだ瞳がよく見えた。


「…その目で僕を見ろ。そして僕を知れ。全てを捧げるんだ」


どうせ棄てるものならば、僕が貰ってあげようか。
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