明日の答えを探して。(脱色・日乱)


 死体のように青白い顔で眠るこの少女を、あたしは何度感情に任せて殺しかければ気が済むんだろう。



■明日の答えを探して■



 寝台に横たわる少女を見下ろしながら、今日もそんなことを考えた。
 あの人と幼少時代を一緒に過ごしていたこの子は、あたしの知らないあの人を知っている。あの人も、あたしには見せたことのない顔でこの子に笑いかける。
 そこには二人だけの歴史があって、想い出があって、どう足掻いたって自分には入り込む余地なんて無くて、女としては明らかに自分の方が勝ってる筈なのに、いつもあたしはこの子に劣等を感じている。(それはあの人と想いが通じた今でも続いている心の葛藤)
 この子らのそれが、恋愛感情では無く家族愛のようなものだとは判っている。判ってはいるのだ。

 …だけど、それ故に質が悪い。

 それはどんなモノよりも深くて太く、決して揺れることもなければ壊れることも無い。
 自分の、嫉妬に狂った身勝手な愛とは何もかもが違う。

「……あの人を好きな気持ちなら、誰にだって負けやしないのに…」 

 思い知らされる醜い自分。情けなくて涙が出そう…。

 このやるせない気持ちを晴らす術を持たないあたしは、今日も少女のか細い首に両手を添える。


end

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