(未来IF。生徒会役員と陸がなんとなく仲良くなってます。)
「陸せんぱーい、これ食べないのっ?」
「食べないともったいないお化けが出るんだよ!」
「…いら、ない…」
「そんなに好き嫌いしたら細いままですよ、陸。筋肉つけたいならまずは食からだというのに…。」
「…、い、ら…ない」
「陸ちゃん、食べないの? こんなに美味しそうなのにい? あーんしてあげるよ」
「…おなか、い、っぱい…」
「何が腹一杯だ。食え、無理してでも食べろ陸。んな細っこいままじゃ抱き心地が悪い」
「……。」
代わる代わる話しかけてくる生徒会役員に囲まれ、少しだけ眉を顰める陸。今日はもうサラダとスープとパンをひとつ食べたのだ。頑張った自分。あとはデザートにプリンを食べれば食事完了…だというのに。
プリンを遠ざけられ、口元に寄せられるパンやらスクランブルエッグやらなんやらかんやら。正直、胃が限界を訴えている。プリンとは別にもう少しならなんとか入りそうだが、食べようとは思わない。入りそうな気がするだけで入らない可能性もある。から仕方ない。
「陸」
とか思って顔を背けていたら、ぺしりと軽く後頭部に衝撃が走った。次いで聞き覚えのある声。
「、ゆず…むぐっ!?」
「ほら、陸。あーん。」
「おおおい!! あーんになってねえぞ!」
「も、…む、ぐ…ぅ、」
「ちょ、ちょっと! 苦しんでるじゃないですかっ!」
「…む、ぐ、…ん、んぅ…」
「陸ちゃんぺっ! 麻埼! なにやってんの!」
「…ん、…む…」
「陸先輩がしんじゃうっ」
「しんじゃうっ!」
陸の、譲の名前を呼ぶためにあけた口にぐいっとパンを押し込んだ譲。無表情でぐいぐいと片手でパンを押し込み、片手でお手製プリンちらつかせる。慌てる周囲とは裏腹に、その手におさまるプリンを見た瞬間陸がむぐむぐと口を動かし始めた。
「ん、んぐっ、……け、ふ。」
「お、食えたじゃねえか」
「…ゆず、ばか…」
「ほら、プリンやるから怒るな」
「……。」
無言でプリンを受け取る。少しだけ拗ねたような顔をした陸の頭を、笑いながらぐしゃりと撫で回す。からからと笑う譲をよそ目に、プリンにスプーンをとおす。
「…ん、ゆず、」
「なんだ?」
「…あー、ん」
こてん、と首をかしげて差し出されたプリン。それに一瞬目を丸くした譲は、にっと笑みを浮かべると周りの役員達に見せ付けるようにぱくりとプリンに口をつけた。
「甘ぇ…」
「おい、し」
口内に広がる甘味に、ほわんと陸の気が緩む。
そんな陸を眺めて、譲が笑う。
「なんか俺らの存在忘れられてねえ…?」
寂しげにぽつりと呟いた生徒会役員たちであった。
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とおるさま、リクエストありがとうございました!
素敵なリクエストだったのにいかせませんでした…!そして大変遅くなってしまい申し訳ありませんorz
よかったら貰ってやってくださいませ!
101115/ミケ
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