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(会長視点)



くそ、・・・胸中で罵声を漏らす。
ぐるぐると回る頭は誰かにひっかきまわされてるように気持ち悪い。黙り込んだ己を、心配そうに見上げる道哉に居心地が悪くなった。




ちがうちがうちがう!!
叫びたい。俺が好きなのは、道哉ただ一人。道哉だけなんだ。



感情を映さない青い瞳を、確かに悔しく思ったことはある。でも、誰に対しても青い瞳が感情を宿さないのは同じで。あいつは他人に興味がないんだ、と。

安心、して。


・・・安心? ちがう、安心なんかじゃない。そんなわけないんだ。


長い前髪の隙間から覗く、宝石のような瞳。
そう、宝石のように無機物な光しか宿さないそれを美しく思っても、それだけだった。

それだけだったというのに、あいつは・・・!


弟だという桂木稜に向けられた、甘い視線。ただの宝石だった青が、一瞬にして息衝いた瞬間。




ひたすらに、動揺する自分がいた。





あいつは誰のものにもならないと、高をくくって。
でも、やっぱりあいつも人間で。誰かに恋をすることも愛情を注ぐこともあるんだと、感情を灯した瞳に気付かされた。


なんということだろう!




陸、

己の口が、その名を紡ぐことなんてできなかった。



生徒会長?特別視?


俺はただ臆病なだけの子供だ。




その事実に、苦しいほど泣きたくなった。





2010/04/30/


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