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(春風灯視点)



やあこんにちは!ボクは春風灯。所謂腐男子ってやつだね!腐男子がわからない人のために簡単にいうと、男の子同士の恋愛とかいろいろが気になる人種ってこと。・・・ん?ボク自身はバイだよー!女の子のほうが好きだけど、この学園に居たら「現実に男同士でどうなの?」、とかいう世間的な倫理観マヒしてくるからね。これでも中等部からいるし。できれば女の子の方がいいけど、まあ男の子とも女の子とも恋愛できるよ。ってボクのことは置いといて、それよりも今!なんとこの学園で腐男子腐女子垂涎モノの事件が起こってるんだよ!!
どんな事件かって?聞いて驚け!なんと王道主人公がいないこと以外BL的王道なこの学園に!その"王道主人公"が転校してきたんだ!

俺様な生徒会長、腹黒な副会長、チャラ男な会計に無口な書記や見分けのつかない双子補佐!生徒会と対立するこれまた俺様な風紀委員長・・・!女王様な美化委員長とか武士な文化委員長、天然な体育委員長に変人な保健委員長、電波な図書委員長まで揃ったこの学園。
ここまで揃ってて王道主人公がいないなんてー!と同室の爽やか青少年橘海斗にそう愚痴ったら苦笑された。あーもう!海斗だって王道主人公が居たら絶対"クラスメイトの爽やか美形"ってポジションなんだからね!でも苦笑を零す海斗の一言に、ボクのテンションは上がりに上がって大変なことになった。「そういえば、理事長の甥っ子が転校してくるって噂だよ」鼻血出さなかっただけ凄いと思うんだ、ボク。


その噂の転校生は、ボクの期待したとおり"王道"そのものだった。
なんでも、学内を案内した副会長を落とし、食堂で絡んできた会長に一発拳を食らわせ気に入られ、誰も見分けられない双子を一発で見分け、チャラい会計に説教して惚れられ。どこで知り合ったのか、いつのまにか一年生の中でも問題児兼美形として有名な不良くんを手懐けてたんだ!素晴らしき王道、この目で見れるなんてっ
ちなみに生徒会役員の中で唯一書記だけは転校生と接触してないらしい。ああ、無口書記が王道主人公相手にだけわんこになる姿を早く見たい・・・!でもそれ以上にボクが注目したのは、実は王道くんの同室者だったりする。
王道くんに気に入られ振り回される平々凡々な同室者。最初は王道くんにアタックしてる人たちに睨まれるけど、徐々に総受けに・・・!もしくは生徒会とはまた違う、学園の覇者的な存在に気に入られて溺愛攻め平凡受けに!!幸いなことに、この学園にはその"覇者的な存在"の生徒がいるのだ。三年生で、他の干渉を受け付けない孤高の人。不良らしいんだけど、一度だけ見た姿はそこらへんの不良とか生徒とは一線を画してるとんでもない美形だった。名前は赤崎啓先輩。彼とか相手にどうかなっ!?平々凡々な、同室者の人!!
・・・とか思ってたら、同室者はぜんぜん平々凡々じゃなかった。確かに地味だけど、綺麗な顔をした桂木稜くんは少数ながらファンが居る人物だったのだ。王道くんと一緒に居ることで被害を被りまくった彼は、王道くんの部屋からボクたちの部屋に越してきた。海斗が誘ったらしい。
まあ海斗ってば、どんどん面倒ごとに突っ込んでいく王道くんとかそれに巻き込まれる稜のこと気にかけてたしね。


そして今、ボクは鼻血が出そうなほど興奮してる。え?場所は食堂だよ。なんでって?聞きたい?聞きたいよね!なんと件の無口書記が、稜のことを抱きしめてるんだよ!わんこ!わんこ攻めきたこれー!!


額に傷を負った書記様をみて飛び出していった稜。ボクと海斗が引き止めるのも振り払って一直線に書記様へ突っ込んで行き、稜のこと無視したらいくら書記様でもむかつく!とか思ってたのに、彼は甘えるように稜を抱きしめたのだ。


ああああ無口わんこ書記の相手が稜だったなんて!!萌えるー!!





2010/03/20/


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