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(稜視点)



海斗とともに灯に引っ張られて食堂へ向かう。
その間灯のマシンガントークは止まることなく、引きずられながら海斗と顔を見合わせて笑った。語彙力すごいなあ。

「っていうかホント稜の周りは萌えだらけっ! というか桂木さまの周りが萌えだらけなのかな? あ、違った秋月くんの周囲が王道ネタだらけなんだ! それで桂木さまは脇役! いや、脇役は稜? むしろ桂木兄弟が脇役? なんにせよここ最近の学園は萌えだらけでホントに胸が高鳴りすぎるって言うかもう…!」

半分以上理解できないけどね。


ああ、それにしても陸はどうなっただろうか。譲くんと無事に会えたかな? というか会長はいったい陸を何のために連れて行ったんだろう。何もされてないといいな。心配だ。


「でさ、稜!」
「…ん、なに? 灯」
「いつ桂木さまを部屋につれてきてくれるのっ!?」
「あ、忘れてた」
「ええーっ!?」

大分前にしていた約束。すっかり忘れていたことに、灯から非難の声が上がる。それに苦笑を返せば、灯が意地悪な笑みを浮かべて視線を海斗にずらした。

「海斗が会いたがってるのに!」
「はっ!? ちょ、灯…!」
「へえ、じゃあ近いうちにつれてくるね」

灯に話を振られて顔を赤くさせる海斗。わかりやすい。なんだか微笑ましくなって、灯とにやにやと笑って顔を見合わせる。兄が友人に慕われてるのっていいよね。


……なんて思ってる間に、陸と譲くんたちが修羅場ってるなんて、…予想だにしないよね。





2010/11/8/


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