VAMPS RAVE

1 VAMPS RAVE


月がのぼり、ようやく頭の芯から眠気が吹っ飛ぶ。しかも今夜は満月と来た。イイね。VAMPにお誂え向きじゃん。
元々オレって夜型だし? 今の暮らしには何の不自由も感じてないぜ。
こうして夜起きて、かわいい恋人と朝までヤりまくって……二人へとへとに疲れ果てて眠りにつく。

な? 別に他の人間と何ら変わんねー生活してんだろ?
と、いうわけで、オレはオレの腕枕ですやすやと眠りこけているオレのかわいい恋人を揺り起こす。

「おら起きろ! 夜だ! 腹減ったヤらせろ!」
「ん〜 あと5分……」

そういうとこいつは口元をむにゃむにゃと動かしながら、オレの胸元に深く潜り込んできた。こんな愛らしい無防備な仕草を見せられると、オレだって鼻の下伸ばしていつまでもニヤニヤしていたくなる。
だが。さっきも言ったとおり、オレは腹が減ってるんだ。こいつにはさっさと起きてもらわないと困る。
こいつが起きて飯を食わないことには、オレがゆっくり落ち着いて食事出来ねぇ。だってそうだろ? それがVAMPってヤツだし。

オレはあの錆びた鉄臭と爛れた交わりを思い出して、舌なめずりしながら腕の中のこいつを起こす。
やっべ。もう勃ってきやがった。いろんな意味で、オレ、限界です。

「なぁ、イイ加減起きてくれよ…… オレ、マジ限界!」

オレはこいつが寝てるのもお構いなしにキスすると、そのまま肌に舌を這わせながらこいつの服をはだけていく。
相変わらず生っちろい肌色してるぜ。もっと栄養のあるものを食わせないとダメか? あーオレってなんて恋人思い!
明日の夜はなんか精のつくものを探して来てやろう。暑いし。なんかこいつってすぐに夏バテしそうだし。なんか普通立場逆じゃね?と思いつつも、オレがこいつを愛してて、こいつもオレのことを愛してて。だからまぁそんな感じで、全てit all okって感じで。
あ? のろけウザイ? ま、実際問題オレ達愛しあってるし。しかたないよな。

かわいい恋人はまだ寝ぼけてるみたいだが、オレの舌が肌を這うたび、ビクン、と体が揺れ、だんだん息が上がってくる。

「んっ……」

暑くなってきたのか、唇を半開きにしてキスをねだるように息をしている。
かわいい…… こいつマジかわいい……
オレは再びキスすると、今度は舌を絡め取りじっくり味わう。
体が自然と逃げを打つから、オレはこいつの脚の間に入り込み、たぎった股間で押さえつける。
ん? なんだ、こいつの股間もすっかり反応してやがる。ズボンに恥ずかしいシミが出来てるぜ?

「んんっ……んむ……」

オレの舌に翻弄されて、こいつもうつろな目を開ける。

「やっ…そんな、に、しちゃ…… “目覚め”ちゃう……」
「なに言ってんだよ…こっちはとっくに、お待ちかねだっつーの」

オレがこいつの下の口目掛けて股間を突き上げると、こいつは思わずといった感じでうっとりとため息をこぼした。
ほら見ろ。こんなにもオレが欲しいくせに。なーにが目覚めちゃう、だ。ま、そんな所もかわいいけどな。

オレはキスをやめると、こいつの首筋にそろそろと舌を這わせる。牙を突き立てるアノ時を思い出してか、こいつの体がビクビクと波を打つ。
「さぁ……そろそろ食事の時間にしようか? オレ、マジで我慢の限界なんだよ。……わかるだろ?」
ジッパーを下ろし、こいつの手を臨戦体制の息子に導くと、こいつはあっという間に耳まで真っ赤になった。
だから、そんなかわいい顔を見せられると、股間直撃なんですけど? ま、イイけどね。お楽しみはこれからってヤツ?

オレがいそいそとこいつのズボンを脱がしていると、こいつがもじもじしながら耳元で小声で言ってきた。

「あ、あの……同じ食事するなら、抱か…れ、ながら……の方が……ぃ……」

最後の方はほとんど聞こえなかったけど、おまえの言いたいことくらいわかってるさ。イく瞬間に“食事”した方が、最高に気持ちイイもんな!

「わかってるって! オレのかわいくてわがままなhoney」

オレはこいつの額にちゅっとキスすると、そのままゆっくりとこいつの中に押し入っていった。肉と肉がぶつかり、絡まり、やがて溶けていく肉の饗宴。

オレの下で悦こびに打ち震える恋人を満足気に見ながら、オレは首を傾け、首筋に髪がかからないよう払いのけた。

「さ、そろそろもうイイだろ?……」
「あっ あんっ イイッ すき……だいすきっ」

こいつはそんなかわいいことを言いながら、最高の笑顔を見せると、オレの首筋に牙を突き立てた。

「あぁ……っ」

たまらなくなって、オレもこいつの中に欲望をぶちまける。
血の匂いとイッた余韻に酔ったのか、こいつがとろんとした目付きで「もっと……」と言いながら腰を振ってきた。
ほんと、マジかわいい……
こんなかわいい恋人に求められて、男冥利に尽きるってヤツ?

オレは舌なめずりすると、こいつを四つ這いにさせ、後ろからかわいい尻をガンガン突きはじめた。

「イイぜ? お前が望むなら、血だろうがなんだろうが全てお前にヤるさ……」
「あぁんっ あっあっあっ」

オレって元々夜型だし? ほんと、かわいくて淫乱なんて、最高の恋人を手に入れたぜ。
強いて難点をあげるとすれば、こいつの“食事(吸血)”が終わんねーと、オレが落ち着いて食事出来ねーことくらいかな?
だってこいつなんか弱っちぃし、ちょっとでもたくさん栄養(オレの血)あげたいじゃん?
そんな感じで、オレ達今夜も愛しあってまーす♪


ー終わりー

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