◎砂木沼の場合

「砂木沼くん」

「何だ、名前じゃないか。どうした」

「えへへ、実はねバレンタインチョコ作ったんだけど砂木沼くんにあげる!」

「私に、だと?」

「うん!」

「バレンタインなどという世迷いごとに現を抜かす暇があったら自主練習をせんか!まったく、ただでさえお前は最近練習をさぼり気味で…」

「…ぐす、」

「なっ!」

「砂木沼、名前泣かせちゃ駄目じゃないか」

「き、基山…」

「名前ちゃんは君のために最近練習を休んで作り方を僕から学んでたんだよ」

「!」

「ヒロト、砂木沼くんは悪くないよ。練習終わってからでも出来たんだもん、不器用な私が悪いんだよ、ごめんなさい砂木沼くん」

「…チョコ、は」

「え?」

「責任持って私が食そう」

「砂木沼くん…!わ、私嬉しい!」

「私も嬉しいぞ、ありがとう名前」





「さて、僕は自分の彼女にぶっかけてもらいに行こうかな」

「…基山くん何か危ないこと言ってなかった…?」

「ぶっかける?よく意味が分からなかった」




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