手触りが良い白くふわふわしたバスタオルで滴る雫を拭き取りながら、お気に入りのピンク生地にかわいい黒レースの下着を身に付けて寝室へと向かう。白を基調とした壁にワインレッドのカーテン。電化製品は全ch視聴可の大画面HDTVが備え付けられている。とにかく至り尽くせりで、この一部屋だけで十分生活できそうな設備。
先にシャワールームから出ていた彼は温かそうなカーペットの上でごろ寝していた。どうやら雑誌を見ているらしい。ほっそりとした無駄のない筋肉、細身の体つきではあるけれど男らしい背中を惜しげもなく見せ、下はスポンサーメーカーから贈られたロゴの入ったトランクスのみ。嫌味なほどに様になっているから意地らしい。


「何読んでるの?」

「ンー?」


隣座り込んで訪ねればアイガードをしていないディランとご対面。いつもはオールバックにして結んである、くすんだブロンドは少し湿気を帯びていて遠慮なしに前へと垂れ下がっていた。それを少し鬱陶しそうに後ろへ掻き上げているものだから無意識な色気が発せられて、見ているこっちはクラクラする。
すると雑誌に向いていた目が、ふ、と此方を向いた。いつもなら隠れてる瞳が真っ直ぐ私を見つめ、その後すぐに下へ移動した。


「随分セクシーな下着だね名前、まさしくミー好みだよ」

「ありがと、私もディランの背中好みだよ。男らしくてドキドキしちゃう」

「ユーって子は…ほんと、適わないよ」


にやり、何だか艶のある笑い。御機嫌なディランは冗談なのか分からない声色で私の耳元に顔を寄せた。そのまま起き上がった彼の脚の間に引き込まれて後ろから抱き締められる。えぇ、私はとっくの昔に惚れてる。
チームメイトには決して見せない彼の不適な笑みに妙な優越感と刺激を感じる。少し軋んだディランの髪が首筋を擽り、彼の唇は私のうなじへと向かう。妙な息遣いだとか這うように触れる指だとか、クラクラする。息が荒れて部屋に響く声も、ディランのいつもより掠れた声も。






「続きはベッドの中だよ名前」


すぐ隣にキングサイズのベッドがあるのは何故か、聞くのは愚問というものだ。二人一緒に雪崩れ込んだベッドの周りには理性を歯止めしていた何かが投げ捨てられた。





Leady GaGa/poker face

20110108 杏里



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