触れるだけに留めていたのは、わずか数秒。撫でていた指を下へと滑らせ、顎を掴むと手慣れた手つきで顔が近づいてきた。決して瞳は瞑らない。真摯な視線を受け止めながら、唇が触れ合う瞬間を、待つ。「…愛してるぞ」「早くしろよ」目と鼻の先で豪炎寺がくすりと笑って、俺達はゆっくりと瞳を閉じた。