さんじゅうご
『角名くんの体幹凄すぎない?』
「ちっ…」
『こら舌打ち』
月島の舌打ちに名前は月島の肩に手刀を落とす。するとバツが悪そうに視線を逸らす。
『にしてもセンスの塊だね。角名くんは』
「…ソウデスネ」
『でも月島くんなら大丈夫でしょ?』
「………」
『え、何その顔』
月島は顔を顰めて嫌そうに名前を見下ろした。
「……苗字さんて
適当所ありますよね」
『そういう所?』
月島はそれだけ言うと山口の方へと行ってしまった。
「……」
『そういう所ってどういう所だと思う?縁下くん』
「え゛っ…、」
話を振られない為に存在感を消していたが、縁下は逃げ切ることが出来ずに名前に捕まる。
「さ、さぁ…?」
『……そういう所、』
名前は考える様に指を顎に当てて首を傾げる。するとバシりと頭を叩かれ振り返ると烏養が立っていた。
『……痛い』
「始まるぞ」
『私の頭はクイズ番組の回答ボタンなのかな?別に私の頭を叩いてから発言する決まりはないんだけど?』
烏養は名前を無視してベンチに腰をかける。名前はビシリと固まり、額に青筋を浮かべる。
『……この野郎おぉぉぉ!!やってやらぁ!!頭出せや!!!』
「苗字さん!第3セット始まりますから!抑えて!!」
近くにいた縁下が慌てて後ろから名前を羽交い締めにして抑えて、それを見て西谷、田中を筆頭に元気組が煽るように大笑いをする。
「………」
そんな姿を相手ベンチから侑が見ていた。
「見すぎ」
「…見てへんわ」
治に指摘され、視線を逸らし小さく舌打ちをする。
「……サムは腹立たんのか」
「は?」
侑の突然の問に治は眉を寄せると侑は答えを聞くつもりは無いのか治から視線をそらし、名前の方へと目線を送る。
「………ほんまに腹立つ」
ホイッスルが鳴り響き侑はコートに1歩を踏み出した。
運命が決まる第3セットが幕を開ける
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