リクエスト消化 | ナノ

ここは奈落の花溜りの裏






序盤女攻めっぽいですが、ちゃんと伏黒攻めです。





「……………」




任務を終えて、部屋でスマホをいじっていると、突然襲われるなんとも言えない気分。所謂、性欲が高まっている、というやつだ。





「………クッソ、」






呪霊である名前は体を重ねる必要なんてない。そもそも人間だって子供が欲しいとならない限り、必要無い行為だ。頭では分かっている。けれども俺だって健全な高校生だ。そういう事に興味があったって可笑しくないだろ。





「………っ、」






布団の上で胡座をかいて、自身の性器を取り出すと微かに勃ち上がっていた。





「っ、…ぅ、」






頭の中では何やってんだ、と呆れながらも右手は素直に自分のを扱く。こんな時に浮かぶのはやっぱりアイツの姿だった。





「名前っ、」






頭の中で名前を好き勝手に犯す。アイツはどんな顔をするのか。どんな声をあげるのか。頭の中の名前の肌が暴かれていくのと比例して右手の動きが早くなる。思考が鈍って、強く瞼を瞑って荒くなる息を抑える。




「…ッ、…名前っ、」

『呼んだか?』

「ッは!?」




背中に温もりを感じて思わずみっともない声が出た。慌てて顔を向けると、すぐそばに名前の顔があり、慌てて後ずさる。





『随分と集中していたな。恵』

「は、…はァ?…おま、なんでっ、」

『窓から入った』





名前は親指で窓を指差すと、四つん這いになって俺に近付いた。





『それで?恵は何をしている?』

「っ、」

『この老婆に教えてくれないか?』

「っばか!やめろ!」





名前の右手が俺のを包み、ゆっくりと上下に動かされた。一瞬、息が止まり、我に返って名前の手を掴む。





『私に言えば良かろう』

「ふざけんなっ、」

『呪霊と言えど、交合まぐわうことだってできる』





耳元で吐息を含ませながらそう言った名前に、無意識に喉が鳴った。




『…恵、』

「な、んだよ、」

『オマエは私をどうしたい?』





唇を重ねながらそう言った名前に、俺の理性はダサくも崩れ落ちていった。





∵∵∵






「ぁ、…っ、…ぅ、」

『…愛いなぁ』





恵に口吸いをしながら右手で恵の男性器を上下に扱いて、時々先端を指で弄る。





「おっ、い、それっ、やめろっ、」

『何故だ?気持ちよくないか?』

「ッ、ぁ、」

『嫌なら突き飛ばせばいい』

「はぁっ、…んっ、」






額に汗を浮かべながら苦しそうに眉を寄せる恵にニヤリと笑う。本当に愛らしい。快楽を認めたくないのだろう。以前に此奴は私を抱きたい訳では無いと言っていた。





『本当に愚かで愛おしいな』

「ぅ、…ぁ、…ッ、」





我慢するなら欲望のままに私を抱いてしまえば良かったのに。1人で欲を叶えて。何とも、浅ましく愚か。私が気付かないわけがないだろうに。





『…おっ、気を遣りそうか?』

「うっ、るせぇっ、」

『何を我慢している?』






私の手のひらの中のモノは細かに揺れて、今にも欲を吐き出そうとしているというのに、恵は何故かそれを嫌がっているように見えた。





『………あぁ、なるほど』

「…?………はァ!?」






胡座をかいている恵の足の間に顔を埋めようとすると、頭を掴まれて、そのまま顎を片手で荒々しく掴まれ、視線が無理矢理合わされる。





「何しようとしてんだ。ババア」

『何って…、恵が口内で果てたいと言ったから』

「言ってねぇよ!」

『心配するな。私は血も飲むが精子もイける口だ』

「そんな心配してねぇんだよ!」

『全く…、むーど、というものがオマエには無いな』

「誰のせいだと思ってんだ…!」





吠える恵に唇を寄せて唾液を送り込む。すると恵は苦しそうに喉を鳴らしたが、すぐに飲み干した。




「っな、にっ、すんだっ、」

『面倒でな。前に言っただろ?私の唾液には、』

「…………」





サーっと顔を青くする恵の髪を撫でて、右手を動かす。少しして恵の目が余裕の無いものに変わる。早速効果が出てきたようだ。





『ケヒッ、随分といい様になったな?』

「う、…ッ、…るせっ、…ぁ、」

『気を遣れずに辛いだろう。存分に楽しめ』

「うぁっ、…やめっ、ろっ、」




苦しそうな顔をして、何度か低く呻くと私の右手に白濁液が出されて、震えている恵を見ながらそれを舌で掬い、口に含む。




『まぁ、悪くは無いな』

「フーッ、…ッ、」

『若いな。もう既に勃ち上がっている』





右手を舐めながら左手の人差し指で啄くと、荒く顎が掴まれて唇が重ねられる。





「んっ、…っ、」

『ぁ、…ンッ、』






舌が痛い程吸われ、まだ拙いな、と小さく笑う。まぁそこが愛らしいのだが。





『…ん?』






腰に熱さを感じて首を傾げると、恵の手が私の背中を撫でていた。その手は下へとさがり、足を撫でた。五条の小僧から着させられた黒い布、わんぴーす?とかいうやつを持ち上げながら背中に恵の熱すぎる手が触れた。




『抱きたいか。私を』

「悪いのかよ…、」





眉を寄せながらも熱の篭った瞳で私を睨む恵の頬を撫で、耳元に唇を寄せる。





『何なら、私が抱いてやろうか?』

「……ふざけんな」

『おっ、と』





体が押し倒されたが、この布のせいか痛みはなかった。恵は上着を勢いよく脱ぐと、荒くなる息のまま強く言った。




「俺が抱くに決まってんだろ」

『……お手並み拝見だ』

「言ってろ」





小馬鹿にする様に笑うと、恵は青筋を浮かべて首筋に吸い付いた。首元に触れた舌は熱があるのではないかと思うほど熱かった。そのまま恵の両手は私の足や腹を伝い、黒い布を持ち上げる。





「………」

『息を飲む音が私まで聞こえたぞ。オマエ生息子きむすこか』

「もうオマエうるせぇ」





図星を突かれたのか恵は小さく舌打ちをした。仕方ない。恵の言う通り静かにしてやろう。…静かにな。






『…………』

「………腰、…上げられるか、」





たどたどしくそう言って、すとっきんぐとやらを脱がすと、左手で私の腹をなぞり、五条の小僧に渡された肌着の上から胸を撫でた。




「……下着、つけてんだな」

『五条の小僧がうるさいからな』

「………これ買ったの五条先生か」

『知らん』






何に腹を立てたのか知らんが、恵は不快そうに眉を寄せ、背中に腕を回した。外すと私の体を起こして、黒い布と一緒に肌着も床へと落とした。





「……オマエ、隠す気とかねぇのかよ」

『無いな。何故隠す?それに恵は一度私の肌を見ているだろう』

「…見てねぇ」




視線を逸らしながらそう言った恵には思い当たる節があるのか、唇がモゾモゾと動いていた。こう見れば年相応だ。まぁ私から見れば赤子同然だが。





『下も脱いでやろうか?』

「いい。俺がやる」





少し呆れながらも息を吐いて恵の好きなようにしてやる。静かにするとも言ったしな。また押し倒されて、恵の手が胸を包むように動く。





『……』

「………気持ちよく、ねぇのか、」

『静かにしろと言ったのはオマエだろう』

「…………」





不貞腐れた餓鬼の様な顔をする恵に笑うと、恵は大きな舌打ちをした。どうにも可愛らしくて敵わん。恵の右手を取って、導く。





『んっ、…私は、こうされるのがいい』

「……」




教えてやると、恵は言われた通りに手を動かした。けれどもその手はぎこちなくてまた笑いそうになった。





「…あとは、」

『ん?』

「…あとは、どうされるのが、気持ちいい?」






窺うように私を見る恵に小さく笑って、首裏に腕を回す。唇が掠る距離でゆっくりと言葉を伝える。




『手は止めずに、こうやって、』

「…ん、」




恵の唇に吸い付いて舌を絡めると、負けず嫌いなのかすぐに自分が主導権を握る為に恵の舌が私の舌を絡めとった。





『…ぁ、…ん、』





ちょっとした悪戯で唾液を送り込むと、体が離されて恵が怒ったように語気を強めた。




「おっ、まえっ、それやめろ…!」

『気持ちいい方がいいだろ?』






恵は舌打ちを漏らして獣のような瞳で私を射抜いた。その瞳が好きだからこその悪戯だ。





『私はもう入れてもいいんだが…』

「ふざけんな。慣らすに決まってんだろ」

『私にはそんなの必要無い』

「うるせぇ。慣らすっつったら慣らすんだよ」

『……自分だって限界のくせにな』





視線を下げて恵の足の間を見ると、さっきと同じように膨れ上がっていた。呪霊なのだから好き勝手にすればいいものを。本当に馬鹿な子だ。





「痛かったら言えよ」

『痛みなど、』

「痛かったら、言えよ」





強めにそう言った恵に溜息を吐きながら、仕方なく頷く。恵は恐る恐るといった感じで指を滑らせた。




『私のいいところ、教えてやろうか』

「要らねぇよ」





意地らしさが愛おしくて、足を広げてやると、恵は少しだけ溢れた私の愛液を指に絡ませて突起を撫でた。





『んっ、』

「……ここか、」





突起を撫でられ、次第に潤いを増すソコは少しずつ水音が大きくなる。恵を見ると分かりやすく嬉しそうにしていた。





「…濡れてる」

『嬉しそうだな。褒めてやろうか?』

「……………」





私を睨む恵に小さく笑い、髪を撫でてやるとその手に擦り寄るから無いはずの心臓が少しだけ動いた気がした。





「指入れるぞ」






わざわざ申告する必要も無いというのに。そう思いながら腹に感じる恵の指に息が漏れる。私が感じやすい体質で良かったな。




『…ぁ、…ん、』





恵の手は探り探りという感じだった。気持ちよさはあまり無いな、と呆け始めると、ある一点を掠めた。





『んぁ、』

「……ここか?」





流石は呪術師といったところか。随分と私の反応を細かく拾うものだ。恵は軽く擦りながら時々、啄く。






『んっ、…ぁ、』

「………えろ、」

『ッ、…あっ、ン、』





熱に浮かされた様に言葉を零す恵に目を細め、ナカに埋められている右手に触れる。






『…もう、少し、上のっ、』

「……」

『ぁッ、…んっ、…っ、』





恵は意外にも器用なようだ。少し教えただけでコツを掴む。そろそろ恵も限界だろうと腕を掴んで動きを止めさせると、不満そうな顔をされた。





『なんだその顔は』

「まだイかせられてねぇ」

『いかせ…?…まぁ何でもいいが、早く入れたらどうだ』

「……ムード、」





視線を逸らして呆れたように溜息を吐く恵に少し腹が立って左手に噛み付く。すると驚いたような顔をした恵が私の頭を撫でた。




「分かったから噛むな」





恵はそう言うと立ち上がろうとしたから、腕を掴んで止める。






『何処に行く』

「は?ゴム取ってくんだよ」

『……ごむ?』

「コンドーム。…オマエの時代には無かったか。避妊すんのに使うんだよ」

『避妊?ならば尚更必要無いな』






呪霊は子を宿したりしない。恵だって分かってるだろうに。そんな恵の腕を引けど、恵は足に力を入れているのか動じない。




『そのままでいい』

「痴女かテメェ」

『私は呪霊だよ』

「知ってる」

『子は宿らない』

「俺の気持ちの問題だ」

『そんなの知らん』

「知らねぇを知らねぇ」




譲らない恵にフーっと息を吐き出す。餓鬼のクセに我が強くて腹が立つ。餓鬼だからこそ、か。





『こんどーむ、というのがどういった物かは知らんが、必要無い』

「生でヤるわけねぇだろ」

『…生でいい』




生、がよく分からんが呟くと、素直で子供な恵はゴクリと喉を鳴らした。ただでさえ、私の唾液を飲み込んで色々昂っている。我慢なぞしなくていいのに。




『……恵』

「……駄目だ。ゴムは付ける」

『…………』




私の腕から抜け出すと、小さな箱を持って戻っきた恵は私の上に馬乗りになり、自身のモノに何かを被せた。





『………』

「不貞腐れるなよ」

『知らん』





そっぽを向くと、恵は呆れなように息を吐いて私の髪を撫でた。まるで私があやされているような気分だ。




「名前、」

『…………』

「…おい、聞けって」

『……………なんてな』

「はァ!?」






恵の肩を押しやって、布団に尻を付けた恵の上に乗って、恵の肩に片手を置いてこんどーむを外し、そのまま腰を沈める。






「っおい!馬鹿っ、やめろ!」

『ぁ、…ンッ、』

「ぅ、…ッ、」





悩ましげに眉を寄せる恵の肩に両手を置いて首筋に噛み付く。血を吸うと甘い味がした。





「っぁ、…ぅ、」

『私以外抱けなくなってしまうかもな』

「はぁッ、…おっ、まえっ、」

『ん?』





唇を離して、口の端についた血を舐めとると、背中に小さな衝撃を感じて瞬きを繰り返すと、天井と青筋を浮かべた恵が見えた。





「本当にふざけんなよ…」

『そ、そんなに怒るな、恵…』

「…あ?」

『ちょ、ちょっとした悪巫山戯だろう…』




私の言葉に恵の瞳はスっと細まり、酷く濁り、据わっていた。




「……ぜってぇ孕ませるからな」

『えっ、じゅ、呪霊は、』

「うるせぇ」

『ッヒ、…ぁっ、馬鹿っ、そんな急にっ、』






恵は私の腰を掴むと好き勝手に腰を揺らした。しかも此奴、




「ここだろっ、さっき自分で好きだっつってたもんなっ、」

『ッア、…やめっ、』






器用に私が教えてやったいい場所を的確に突いてくる。宿儺とは違った荒さに目の前が歪む。





『めっ、ぐみっ、やめろっ、』

「うっ、せぇっ、」

『ぅっ、…やぁっ、…ンッ、』

「どうしたよ。何人もの男に抱かれたんじゃねぇのかよっ、」

『んぁッ、まっ、待てっ、〜ッ、』





恵のがナカに出されて体は勝手に搾り取ろうと、恵のを締め付ける。一度痛い目を見せてやろうと恵に右手を伸ばした時、また腰が動かされ目を見開く。




『っは、おいっ、』

「言ったっ、だろっ、孕ませるって、」





射精したというのに恵のは既に硬さを持ち、奥を突き上げた。結合部からは妖しい音が響き、柄にもなく慌てて恵の腕を掴む。




『ま、待てっ、め、ぐみっ、』

「そんなにっ、締めんなよっ、ナカからっ、漏れてるじゃねぇかっ、」






その後は5回も恵は抜かずに気を遣った。若さとは恐ろしいと思い知った。






『だからと言って、私は疲れないがな』

「………疲れた」






うつ伏せで倒れる恵の背中に頬を当てる。汗ばんでいるせいかいい具合に張り付いた。




『………オマエは、温かいな』

「生きてるからな」





耳には恵の心臓の音が聞こえて瞼を閉じる。酷く懐かしい。私にもあったものだ。





「風呂入るぞ」

『……もう少し』

「駄目だ。汗かいてる」





上体を起こした恵に舌打ちをすると、背中と膝裏に手が回されて抱き上げられた。





『細い割に…』

「あ?なんか言ったか?」





低くそう言った恵に素直に口を噤む。どうやら宿儺の器との体格差を気にしているらしいからな。






『……待て、恵』

「なんだよ」

『零れた』

「はぁ?何が………」





ポタポタと雨粒のような音がして恵が視線を下ろすと、私の中に出した己のが床を汚していて、恵は目を見開いた。





『ナカに出すからだ。馬鹿者』

「…………」

『…恵?どうした?』





恵は歩みを早めて風呂場へと私を運ぶと壁に手を付けさせた。





『なんだ?』

「勃った」

『…………猿並みだな』

「うるせぇ」






どうせほんの一時の戯れだ。人間の一生など私にとっては瞬きの間だ。なら、この愛おしくも、愚かな、弱い人間に酔うのも一興だろうと小さく笑った。





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