アニメ版 B
「伏黒ー、私の学ラン知らない?」
「いや知らん」
「名前は?知らない?」
『見てないよ?』
「おっかしいなー、ここに置いておいたんだけど…」
野薔薇につられて私も辺りを見渡すと見慣れた白と黒の姿があった。でもいつもと違うのはその黒が人工的な黒があった。……うん、制服だね。でも野薔薇は気づいてない。
「あ、パンダ先輩私の学ラン知らない?」
「んー、見てないなぁ…」
パンダ先輩、制服、制服がギチギチ言ってる。大きさがあってないって悲鳴をあげてる。今すぐ脱いであげて。
「そっかー、どこいっちゃったのかなー」
『…………野薔薇、目が、目から光が失われてるよっ、』
「やめとけ。苗字も巻き添え食らうぞ」
『なんで…!?』
私は何も悪いことしてないのに!?
「ぐおぅおぉおぅおおっ!」
『容赦ない…!容赦無さすぎるよ野薔薇…!』
野薔薇はなんの躊躇いも無くパンダ先輩を金槌で殴ると先輩は血を流して倒れた。痛い所じゃない。呪骸じゃなかったら確実に死んでる。南無阿弥陀仏。
「おい、スカートも無ぇんだぞ。それは超えちゃいけねぇ一線だろ…!」
すると教室の扉が勢い良く開かれると狗巻先輩がポーズを決めて現れた。足綺麗だなぁ。……え?足?
「高菜!」
『待って野薔薇…!狗巻先輩は人間だよ…!?』
野薔薇は早足で近づくと右手を狗巻先輩の頭上に落とした。
「おかがっ…!!」
「ったくゴミ共が!」
「絵面やば」
『狗巻先輩スカートの下にズボン履いてたんだね。良かった良かった』
まぁ、ズボンなのかパンツなのか分からないけど。野薔薇は狗巻先輩の足からスカートを抜き取ると首を傾げた。
「あれ?これ真希さんのだ…」
『え?じゃあ野薔薇のは…?』
私は血文字を書いてる狗巻先輩の近くに座り込んでタオルで出血場所を抑えてあげると狗巻先輩は顔を少しあげてお礼を言ってくれた。優しい人なんだけどなぁ、悪ノリが好き過ぎる。
「……すじこ、」
『いえいえ。真希さんのスカートよく取って来れましたね?』
「いぐら…、…めんだいご、」
『………絶対真希さん今頃怒り狂ってますよ。もう1発食らうの覚悟しておいた方がいいですよ』
「………じゃげぇ、」
真希さんが居ない間に自分のズボンと交換してきたって狗巻先輩勇者ですね。私の言葉に狗巻先輩は項垂れるようにまた地面に伏せた。
『あ、そうだ伏黒くん』
「なんだ」
『私のスカート履く?』
「頭沸いたか」
『え?この流れは伏黒くんも履く流れじゃないの?』
「どんな流れだ」
私は立ち上がってスカートのチャックに手をかけると伏黒くんは目を見開いて慌てて私の手を掴んだ。
『大丈夫だよ?』
「何も大丈夫じゃ無いだろ!」
『下にスパッツ履いてるし…』
「そういう問題じゃねぇ!」
私が諦めて手を離すと、伏黒くんは安堵したように息を吐いた。伏黒くんは美人さんだからきっと似合うのに。
『それにしても狗巻先輩、足綺麗ですね』
「………高菜?」
回復し始めた先輩は起き上がって自分の足を撫でた。するとフフンと笑って胸を張った。可愛い人だな。
「ツナマヨ!すじこ!」
『ぐっ…!わっ、私だって…!綺麗な足になってあの人を振り向かせて見せるんだから…!』
「いつまで茶番やってるんですか」
伏黒くんの一声でみんなはバラバラと解散になった。狗巻先輩はそのまま廊下歩くんですね。あなたこそが本物の勇者だ。
『………で?五条先生何してるんですか』
「どーもー!釘崎野薔薇でぇーすっ!」
『………もしもし警察ですか?変質者です』
「待って待って!返す!返すから!!警察はやめてぇ!?」
虎杖くんがいる場所に入ると、スカートを履いた五条先生が居た。野薔薇を名乗ったってことは野薔薇のスカートだな。
『野薔薇怒ってましたよ。スカートが無いって』
「やっぱり?」
『借りますって言ったから借りないと』
「あ、そこなんだ?」
「苗字は?伏黒にスカート貸した?」
『貸そうとしたんだけど止められちゃった』
「なんで貸そうって流れになるの?ジェネレーションギャップ?」
「伏黒似合いそうだけどなぁ」
『……………どうにかして履いてくれないかな』
「………………恵に殺されない程度にしなね」
こうして私と虎杖くんの伏黒くんにスカートを履かせよう♂が発足された。
「………なんか今、すげぇ寒気がしました」
「風邪なんて引いたら許さねぇからな」
なんて会話が真希さんと伏黒くんの間でされていたことは作戦を考えている私と虎杖くんは知る由もない。