アニメ版 A
「臭い」
「臭くない」
「臭い」
「臭くなぁあぁい!」
パンダ先輩は叫ぶと地面に倒れ込んでしまった。白いお腹汚れちゃうのになぁ。
「なんで俺の事…、畜生みたいに扱うんだよ…」
「パンダだからな」
「高菜」
「まんま獣臭だろ」
『…私はあんまり感じないですけど…』
「すじこ?」
『はい。私は結構パンダ先輩の匂い好きですよ。狗巻先輩は?』
「………いくら、…ツナマヨ」
『えぇ!?パンダ先輩が!?……なんという事実…!』
まさかパンダ先輩はただの着ぐるみで中には人間が入っているなんて…!!狗巻先輩は物知りだ。
「絶対余計なこと言ってるだろ棘。…パンダの奴風呂に入れって言っても入りゃあしねぇ」
「濡れるのが嫌なんだよ…、でも俺はオマエらと違って汗かかないし…、臭くないっ」
『汗を…!かかない!?』
中にいる人は人間では無い…!?ロボット!?AIなの!?
「ということがあった。オマエら嗅いでみろ」
真希さんは私に伏黒くんと野薔薇を呼ぶように言うと、言われるがまま2人を呼び出した。すると真希さんはその2人に先輩の匂いを嗅げって言ってた。私も嗅がされたけど、やっぱり全然臭くなかった。
「…………」
「……………」
2人はパンダ先輩の頭の辺りの匂いを嗅ぐと頭を離した。
「別に臭くない。おひさまの匂いって感じですね」
「「『っ!?』」」
まさかっ、伏黒くんの口からおひさま≠ニいう単語が出るなんて…!?
『………伏黒くん、』
「なんだよ」
『しょうがないなぁ…!!』
「は?」
『私の事抱きしめる!?』
「……………………………抱きしめねぇよ」
「恵迷ったな」
「迷いましたね」
「迷ってたな」
「明太子」
「迷ってません!…それにオマエはなんだよ急に」
『なら私が抱きしめていい!?』
「意味わかんねぇよ!」
私が両腕を広げると伏黒くんは私の頭を片手で掴んでそれ以上近づけなかった。多分今、頭に置かれてる伏黒くんの手がパって離されたら私は前に倒れ込んで顔面強打の未来しか見えない。
「それで?俺たちは呼び出したのってこの用事だけですか?」
「あぁ。パンダが臭いか臭くないかの話の為だけだ」
「……マジかよ」
『伏黒くんもマジとか言うんだね!』
「別に言うだろ」
伏黒くんの意外な一面を知れた一日でした。