アニメ版 @


「虎杖私はパーを出すぞ」

「んんっ…!」

「「ジャンケン…!……ポン!」」

「ッシャ!オラー!」

「あー!?」



野薔薇パー出すって言ったのにグー出してる…。虎杖くんもそれを信じたんだね。良い子だ…。



「寿司かー。銀座のいつものところでいっか」

「ザギン!フーッ!」

「俺回転寿司がいい」





私も回転寿司がいいなぁ。高いところだと遠慮して食べれなそう。……まぁ五条先生のお金なんだけど。でも回転寿司の方が礼儀とか何も気にしなくていいんだよね。ほら、醤油とかつけたい派なので。




「あ゛ぁん!?」





わぁ、野薔薇怖い。こんな時の伏黒くんガードですね。分かります。





「カッ!虎杖オマエ本当!カッ!伏黒もなんか言えよ!」

「俺も流石にどうせなら上手い方が…。五条先生の金だし」

『…………』

「なんで苗字は絶望顔してんだよ……」

「カップ焼きそばと焼きそばが別物のように回転寿司も別物なんだよ!」

『………そうだ、そうだ〜』

「……………オマエ俺の後ろで小さく言うならちゃんと言えよ」

「私は寿司が食いてぇんだよ」

「寿司は食事だけ!回転寿司はレジャーなんだよ!遊園地なの!TDLなの!つか釘崎オマエド田舎出身って言ってたけど回転寿司行ったことあんの!」

『……私お腹すいちゃったんだけど、』



私がお腹を抑えると五条先生が回転寿司に意識を向け始めた。しめしめこのまま回転寿司に行こう。




「僕のフェーバリットはスシゴーだが、初めてならリッパズシだろうね。」

「先生分かってんじゃん」

「おいまだ行くとは…」

『伏黒くん寝ないで、今から回転寿司だよ』





制服の袖を引っ張ると伏黒くんはゆっくりと瞼を開けて「寝てねぇ」って言った。そっか、寝てなかったのか。悪いことをした。




「釘崎オマエ……、リッパズシはなぁ、寿司が新幹線に乗ってくるんだ!!!!」

「なはっ…!?」






その後はどんどん簡単に事が運んだ。タクシーですぐに国道沿いの大きいリッパズシに向かった。その間虎杖くんはタクシーの窓から上体を出していたけど、危ないよ?向かいから車来たら上体ドンってなるよ?





『伏黒くんお茶いる?』

「あぁ」

「俺も欲しい!」

「私も!」

『五条先生はお茶でいいですか?ジュース頼みます?』

「なんで僕だけジュースなの?」





野薔薇と虎杖くんは楽しそうにパネルでメニューを選んでいた。その虎杖くんの隣の五条先生はそんなふたりを楽しそうに見ていた。ちなみに五条先生の足が長すぎて机の下が狭い。




『私何食べようかな……はっ!』




私は驚きのメニューに気づいてしまった。突然動きを止めた私に伏黒くんは見向きもしてくれなかった。酷い。





『伏黒くん…!伏黒くん!』

「………………なんだよ」

『そんな嫌そうな顔しないで…!見て!見て見て!』

「しつけぇし制服引っ張るな」





私が指をさした先には、





『おこさま握り寿司セット…!!』

「………………俺は何食うかな、」

『無視しないで…!?』






また伏黒くんの腕を掴んで揺らすと伏黒くんはされるがままに揺れてたけどメニューから目は離さなかった。冷たい、伏黒くん。





「別に頼めばいいだろ」

『一緒に頼もう!』

「なんでだよ…」

『フッ………………1人じゃ恥ずかしい』

「…キメ顔で言うことじゃねぇ」






伏黒くんは眉を寄せてしまった。…仕方ない。おこさま握り寿司セットは諦めよう…。しょぼんとすると虎杖くんと目が合った。なんだなんだ?





「苗字おこさまセット食いてぇの?」

『……食べたかった』

「じゃあ俺も頼もうか?」

『………虎杖くん…!』

「1人じゃ恥ずかしいんだろ?なら俺も頼むよ」

『虎杖くんっ……!!』





なんて良い子なんだろう。どうしたらそんな良い子に育つの。虎杖くんのファンクラブがあったら入りたい。いや、虎杖くんを可愛がる会に入りたい。





「…………虎杖、俺が頼むからオマエは好きなの食っていい」

「え?伏黒おこさまセット食うの?」

「…………………………食う」

「そっか!じゃあ俺は他の食おっと」

『…………………』





私が伏黒くんを見つめると、彼は居心地が悪そうに別の方向を見ていた。





『………頼んでもいい?』

「……いい」

『伏黒くん食べてくれる?』

「食う」

『やった!ありがとうっ!!』





私が笑ってお礼を言うと伏黒くんはチラリと私を見てまたそっぽを向いてしまった。伏黒くんの気が変わらないうちにおこさま握り寿司セット2つ頼まないと。





『プチガチャコインは伏黒くんにあげるからね!』

「要らねぇよ」






結局帰りに私と伏黒くん1回ずつガチャを回した。でも伏黒くんが私の欲しいの当ててた。解せぬ。でも伏黒くんは要らないからって私にくれた。優しい。




『じゃあ私が当てた方を伏黒くんにあげるね』

「………………」




素直に受け取ってくれたから、伏黒くんはもしかしたら私が当てた方が欲しかったのかもしれない。意外と可愛いところがあるんだなぁって思った。



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