Part2









どうも。村田 人志。通称 村人っす...

今日も今日とて俺はスタバで働いている



「あー、平日って暇だよねぇ」

「暇だね。.....そういえば碧棺左馬刻は諦めたの?」

「は?」

「え、怖っ!」

「.....諦めたよ...。」

「そ、そうなんだ...。」

「あんなにデレデレされたら狙う気も失せるっつの!!!」

「ちょ、声っ!」

「今お客さん一人もいないし...」

「た、確かに...」



なんて愚痴を聞いていると、店内にベルの音が響いて慌てて目を向ける。



「ど、独歩ぉ...」

「お前が来たいって言ったんだろ...」

「そ、そうだけどさぁ...ひっ!お、女の人いるっ!」

「え?...あぁ、今ちょうどお客さんいないし、席で待ってろよ」

「ご、ごめん...」

「いいって。頼むの...えっと、」

「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ!!でよろしくっ」

「.......一二三」

「ん?」

「自分で買いに行け」

「えぇっ!?さっきまでの優しさは!?」

「じゃあもっと簡単なのにしろよ...」

「んー、じゃあちょっと待って!」




え、え?なにあの二人!?片方はめっちゃイケメンだし!!もう1人は...なんか、俺と似てる匂いがする...。苦労してそう...


「あれ?モブ美ちゃん?」

「...めっちゃイケメン...」


えぇ...。イケメンなら誰でもいいのかいっ



「私が対応する」

「アッ、はい。」




女の子ってみんなこうなの...?



「いらっしゃいませ〜」


え、声高っ!?


「ひっ!や、ばいっ、ど、どっぽ、」

「わ、わかってるって」

『あれ?一二三さん?独歩さん?』

「「え?」」

『あ、やっぱり!珍しいですね!』

「「名前ちゃん!!」」

『え?なに?どうしたんですか?』

「助かったよぉ〜!!」

『え?とりあえず注文しないんですか?』

「今は撤退が先だっ!!」

『え?独歩さん?』



扉から碧棺左馬刻の彼女さんが現れて、2人組と知り合いなのか話し込んでいた。すると苦労してそうな人が彼女さんの腕を引いて、扉の近くの椅子に連れて行き腰掛けていた。



『あぁ、だからですか...レジで何やってるのかと思いましたよ〜。独歩さんは冷や汗ダラダラだし、一二三さんはマナーモードみたいにガタガタいってるし』

「え、俺らディスられてる?」

「いや、名前ちゃんのは、天然だろ」

『じゃあ私注文してきましょうか?』

「え!?いいの!?まじ!?」

『いいですよ〜。でも長いのは覚えられないので簡単なのにしてください』

「ご、ごめんね、俺が注文すればいいのに、俺のせいだ、俺の、俺の」

『独歩さんは?何にします?』

「え、えっと、こ、コーヒーで、1番、小さいので」

『了解です!一二三くんは?』

「んー!俺っちは!トールバニラノンファットアドリストレットショットチョコレートーー」

『ハイビスカスですね?分かりました』

「うそ!うそうそ!!キャラメルッ!キャラメルマキアートで!!トールで!」

『はーい』




すっごい仲良いけど、碧棺左馬刻は大丈夫なの?



「いらっしゃいませ〜」



え?さっきの声と違うじゃん!めっちゃ声低っ!


『えっと、ホットコーヒーのショート1つとアイスココア1つ、それとハイビスカスのショート1つ』

「「え?」」

『ハイビスカスキャンセルでキャラメルマキアートのトール1つで』

「か、かしこまりました〜」



え、彼女さんはハイビスカスそんなに好きなの?



受け取り口に来た彼女さんに商品を1つずつ渡して行く。


「お待たせしました」

『あ、お兄さん。』

「こんちは」

『お仕事大変ですね』

「人いないからひまですよ」

『あ、確かに』

「名前ちゃん、俺っち持つよ!」

『あ、ありがと』

「ごゆっくりどうぞ〜」



イケメンはそう言って3つある内の2つを持って席へと戻って行った。イケメンは気まで使えるんですね〜…。


クソが。



「にしても名前ちゃんがいてくれて良かったよ〜!」

「ほんとにどうなることかと...」

『2人の顔凄かったですよね〜。スタバなのにこれから魔王に挑むみたいな顔してましたよ』

「「え、それどんな顔?」」

『アイスココアうま〜!』

「アッ無視ですか。そうだよな…、俺の声なんて聞こえてないよな…。会社でも声が小さいとかハキハキ喋れとか言われるし、そうだ、俺が全部悪いんだ…、」

「俺っち紙ナプキン取ってくる〜」

『「え、」』



金髪のイケメンが立ち上がった瞬間にモブ美ちゃんはそそくさとイケメンに近づいていった。本当に抜け目ない…。


「〜♪〜♪」

「なにかお探しですか?」

「え、ひっ!!あ、え、っと、」

「どうかされました?」

「あ、の、ど、どっ、ぽ、」

「お客様?」

『すいません!ほら、紙ナプキン取ったから行きますよっ!すいませんでしたっ』

「あ、う、うん、」


モブ美ちゃんめっちゃ怯えられてるじゃん!狙われてるのバレてるんじゃない!?てか大丈夫!?あのイケメン!!めっちゃガタガタいってたけど!!



『勝手にどんどん行かないでくださいよ』

「ご、ごめんね」

『ガタガタガタガタって携帯じゃないんですからっ』

「え、名前ちゃん俺っちのこと嫌い?」

『違いますよっ!嫌いだったらあのまま放置します』

「「え、」」

『次からはどっか行く時はちゃんと言ってくださいね』

「てめぇも言ってから出てけや」

「「『え?』」」

「なぁ?名前チャンよォ?」

「よ、ヨコハマディビジョンのっ!」

「あー!お久っす!」

「ひ、ひふみ!やめろっ!」

『あの、左馬刻くん、痛い。頭掴まれると、痛いです』

「あ゛ぁ?」

「ひぃっ!!」

「なんで独歩がビビってんだよ〜」

「だ、黙ってろ!一二三!」



修羅場?修羅場ですか!?


「電話もでねぇしよォ?なぁ?おい」

『気づかなかった...。ごめんね、左馬刻さん』

「あ?んで、探しに来てやったと思ったら他の男と優雅にティータイムか?あ゛?」

「ひぃっ!」


怖いよね。碧棺左馬刻のガンつけ。俺も怖い。



『ごめんごめん、左馬刻もなんか飲む?』

「飲まねぇよ!帰んぞ」

『え?でも』

「えー!名前ちゃん帰っちゃうの!?」

「黙ってろ!!!一二三!!頼むから!!」



...あの金髪イケメン、強者すぎじゃね?




「おら、行くぞ」

『はいはい、じゃあまたね!一二三さん、独歩さん』

「また、は無ぇんだよ!早くしろ!」

『せっかちー!』

「あぁ!?」




.....あれ、絶対嫉妬やん?


確実にヤキモチやん?

連絡なくて、探したらほかの男とスタバにいるからヤキモチやいてますやん?



まぁ、うん、あれだ…、





くっそ!!ありがとう神様!!!


しかも帰りもちゃっかり手を繋いでるし!!!



ごーちそうさまですっ!!!!





そして、最後に俺を睨むことも忘れない碧棺左馬刻はやっぱり流石だと思う。













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