Part 1







俺は村田 人志。

通称 村人な。.......モブって言うな!!!

俺はヨコハマのスタバで働いている。そんなスタバに最近珍しいお客さんがくる。


「...」

「い、いらっしゃいませ」

碧棺左馬刻だ。ヨコハマで知らない人はいないそんな人が別にスタバに来るのは珍しくないと思う。



ただ問題は.....


「.....アイスココア。....ホイップクリーム」


単語だけれどアイスココアにトッピングにホイップクリームということだ。ここ最近通い詰めだ。



「...かしこまりました。メッセージはお書きになりますか?」


ほかのお客様には聞かないが相手はあの碧棺左馬刻だ。前に怖すぎて緊張でメッセージを書くのをすっかり忘れて渡したら


「.....メッセージ」


と、ドスの効いた声で言われてチビるかと思った。それから俺は一応聞くようにしている。


「...書く」

「かしこまりました。」



贔屓は良くないのが分かっているか勝手にいつも以上に書いたメッセージに、丁寧に袋詰めしたココアを手渡すと、直ぐに碧棺左馬刻は店内から出て行ってしまう。



「ありがとうございました〜」

「.....すごいね!村田くん!怖くないの!?」



いや、怖いです。ガクブルです。むしろちょっとチビってます。


「でも、碧棺左馬刻さんってかっこよくないですか〜?」

「えっ!モブ美ちゃんすごいね!!」

「えー!そんなことないです!かっこいいですよね!村田さん!」




いや、怖いです。





そしてとある日に事件がおきた。



『私期間限定の!!期間限定!』

「あ?いつもココアだろうが」

『今日は違うやつ!』

「あ?」

『左馬刻はなんか飲まないの?』

「あんな甘ぇの飲めるか」

『コーヒーとか!』

「...いらねぇ」



碧棺左馬刻の女!?

え!なに!?アイスココアっていつもあの子に買ってあげてたの!?

優しいかよ!!!


『あ、この期間限定のトールサイズ1つと...、ホットコーヒーのショートを2つ!あとは.....ハイビスカスをショート1つお願いします!』

「は?そんなに飲むのかよ」

『そんな訳ないでしょ。入間さんと理鶯さんの』

「...いらねぇだろ。てかハイビスカスってなんだ」

『理鶯さんが飲んでたらめっちゃ可愛い。』

「意味わかんねぇ」



うわ、対応してるモブ美ちゃんが固まってる。碧棺左馬刻のことかっこいいって言ってたもんね。その、…どんまい。






「...左馬刻さんって彼女いたんだ...」

「...あぁ。この間来てたね」

「...でもモブ美の方が可愛くない?」

「え゛、……うん、可愛いよ」

そういうのは自分で言うもんじゃないんじゃ...。というか眼力が怖すぎるよ…。


*****



「...」


お、碧棺左馬刻だ。今日は1人か。


「いらっしゃいませ〜」


はやっ!!モブ美ちゃん立ち直りはやっ!!



「...アイスココア」

「.....アイスココアですね?かしこまりました」

また彼女のかな?モブ美ちゃん一瞬停止したし。



『なんで置いてった!!』

「いっ!名前!何すんだ!」


彼女すげぇぇぇぇ!!!あの碧棺左馬刻の頭をパシーンって!!


『待っててって言ったじゃん!』

「てめぇが遅ぇからだろ!」

『...もういいよ。私アイスココア』

「もう頼んだっつの」

『お、あざーす!』

「...てめぇ。」

『冗談。ありがとう』

「.....っち」




.......え、何今の。

今彼女さんがありがとうって言った時の反応が…


めっちゃ可愛いっっっ!!!!

彼女さんのこと大好きかよ!!!!ありがとうって笑いながら言われた時に俺は見たぞ!!ちょっと顔を赤くして目をそらしたのを!!!


モブ美ちゃん完璧に石化だよ!!!!
もうやめたげて!!


「お、お待たせしました〜」


俺が慌てて商品を出すと

『あっ!』

「...?」

『いつもお兄さんがイラスト書いてくれてたんですね!』

「え、あ、あぁ。そうです」

『いつも可愛いなーって思ってたんですよ!メッセージも書いてくれてるし!ありがとうございます!』

「い、いえ!」




彼女さん可愛い...



「.....」




こっっっわ!!碧棺左馬刻こわ!!!

めっちゃ睨んでくる!!ちょっと会話しただけ!!.....可愛いとも思ったけど!!



『本当にありがとうございます!』

「い、いえいえ!!こちらこそいつもご購入して下さってありがとうございます!」




もうやめて!こわいよ!!隣のセコムが怖い!!



「.....名前、行くぞ」

『あ、ちょっと待って!』

「あ?」

『これ、よければどうぞ。』

「...え、」

『さっきたまたま買ったやつなんですけど...。チョコ嫌いですか?』

「...好きです!!全然好きです!!」

『よかった。』




めっちゃ可愛い!!もう好き!!!



「.....おい」

『ん?』




.......え、

ぇぇぇぇ!!

見た!?今の見た!?

碧棺左馬刻が彼女の手に自分の手を絡めた!

恋人繋ぎした!!!

絶対に嫉妬やん!!なんやねん!!

俺隠れオタクなんだからそういうのやめろ!!

萌えるだろ!!!


「...行くぞ」

『わかった。わかった。じゃあ、お仕事頑張ってください』

「は、はい!」

「早くしろ」

『わかったって!』



.........なにあれ!!!
なんなんだよ!!

俺リア充嫌いだけど...

あんな、あんなことされたら.....


推すしかないだろぉぉぉぉぉ!!!!


俺はもう!!

碧棺左馬刻×彼女さん

推しだよぉぉぉぉぉ!!!



そして俺は休憩中に彼女さんから貰ったチョコを
大事に食べた。


それからというもの碧棺左馬刻が来る時には
必ず彼女さんも来るようになった。


俺は彼女さんとよく話すようになり、



俺は碧棺左馬刻から睨まれるようになった。








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