03




二郎[今日仕事5時まで?]

[そうだよ]

二郎[じゃあ帰りデートしたい]

[ん、わかった。私がそっち行こうか?]

二郎[俺が迎えに行く!!]

[じゃあ5時30分に近くのスタバで待ってる]

二郎[わかった!]







*****




「なにニヤニヤしてんだよ。二郎」

「あ?」

「てかその口の傷どうした?喧嘩でもしたか?」

「してねぇよ。これは...」

これは先日名前さんにキスした時に勢い余って出来た傷だ。

名前さんには本当に申し訳ないけど
俺と同じところにできた傷を見て少し嬉しくなった。

...あれ?俺ヤバいやつ?

「おーい?二郎?」

「あ?なんだよ」

「だから今日午前帰りだからゲーセン行こうぜ」

「あー...ゲーセンか」

そういや前に名前さんとデートでゲーセン行った時に欲しがってたぬいぐるみがあったな

「あー、いいぜ。」

「おっ!珍しい!いつもは速攻帰ってきて兄ちゃんの手伝い!って言ってんのに」

「別にいいだろ」

「えー!なになにー?今日遊びに行くの?ユミも行きたーい」

「俺は別にいいけど...。二郎は?」

「あ?...まぁ、別にいいけど」

UFOキャッチャーしかやらねぇし、
多分前なら、女が居ることで少し、ドギマギしたり、意識したりしたんだろうけど、名前さんと出会ってから周りの女達が途端にどうでも良くなった。


「おし、決まりだな!」

「やったー!!」


早く名前さんに会いてぇ…



*****




「あれ?その傷どうしたの?」

『え?あぁ、これね、ちょっと、ね』

「結構痛そうだね。飲み物飲むの大変じゃない?」

『死ぬほど痛い!ペットボトルの買ってきたの失敗した。』

「それに少し腫れてるし...」

『あー、まぁすぐに治るよ』

「そんなに目立たなくて良かったね」

『ほんとにね...』

めっちゃ謝ってたくせに、許した途端嬉しそうな顔してたし...。めっちゃ痛い。






*****


「おっしゃー!終わったー!ゲーセン行こうぜ!」

「おう」

「行こ行こ〜!」

「あ。昼飯どうする?」

「ユミお腹すいちゃった!」

「んじゃ、どっかのファミレス入るか〜!」



昼飯とかどうでもいいからはやくぬいぐるみを取って名前さんにプレゼントしたい。



あ、LINE入ってる

[二郎のせいで唇の傷痛いし、馬鹿にされた]

二郎[ごめんって...。まだ痛む?]

[冗談。気にしてないから。二郎は平気?]




うっわ、優しい、可愛い、惚れそう。

あ、もう惚れてた





二郎[俺は全然平気!]

[なら良かった。授業真面目に受けなね]

あ、名前さんに今日午前帰りなの言ってないや...。ま、大丈夫だろ





「おーい?二郎。ニヤニヤしてんなよ。」

「してねぇよ」

「じろーは何食べたい?」

「は?...なんでもいい。すぐ食べ終わるもん」

「んー、じゃあファミレスな」



名前さん、早く仕事終わんねぇかな…


*****


「お、これうまそ。」

「ユミこれにしよ」

「...俺これ」

「えっ、それ食うの珍しくね?」

「べつに」



この前名前さんがこれ食べたそうにしてたから美味かったら教えてあげよ





「あー!食った!!もう3時じゃん!」

「まじかよ!はやくゲーセン行くぞ!」

「えー!ユミ走れないよ〜」

「何急いでんだ?二郎のやつ」



俺はダッシュでゲーセンを目指した




「うっわ!懐かしい!何からやる?ガンシューティングとかいいな、っておい!」

「わり、俺こっちに用あんだわ」

「UFOキャッチャー?」

「おう」

「えー!じろー上手いの!?ユミあれ取って欲しいな〜」

「...え、お前それやんの?」

「やる」

「なんでそれなのー?可愛くないじゃん」

「なんだっけ?ブサカワっつーの?」




別に俺だってこれが可愛いとは思わない。
でも名前さんがこれを可愛いって言ってたからやるだけ。
それに不細工なぬいぐるみでも名前さんが持てば可愛い。名前さんが。





「うわ、下手くそ」

「う、うるせぇ!もう1回!」

「ユミ、プリクラ撮りたーい」

「あぁぁぁぁ!取れねぇ!」



いつもはこんな事に金をかけたりしないけど、どうしても名前さんの喜ぶ顔が見たかった



「おーい、もう5時過ぎてんだけど」

「はっ!?まじかよ!!やべぇ、はやく、とんねぇと」

「お前いくら使ってんだよ...」

「ユミ飽きたんだけど」

「くっそ!これで最後にしないと間に合わないっ!頼むっ!」




*******



『早く着きすぎたなぁ...。あ、ココア飲みたい』

「いらっしゃいませ〜」

『ホット、あ、やっぱりアイスココア1つで』
「かしこまりました」





ホットは飲む時に唇が絶対死ぬな。






『んー!ストロー最高!唇痛くない!』

「あれ?名前ちゃん?」

『ん?あ、お疲れ様です』

「先日ぶりだねぇ。こんな所で1人でどうしたの?」

『あー、えっと彼氏待ってます』

「...そうなんだ。この間の子か」

『あはは...』




この間色々あったんだからどっか行ってくれないかな...。二郎もこの人嫌みたいだし。別に悪い人では無いんだけど…、


「名前さんっ!!」

『あ、二郎』

「ご、ごめ、おまた、せ」

『そんな走ってこなくても良かったのに』

「でも、時間っ、遅れるわけに、いかないし」

『ほら、汗これで拭いて』

「あ、ありがと、」

「...どうも」

「...あ゛ぁ?てめぇはこの前の」

「...ほんとに言葉遣いがなってないね。」

「んだと?」

『はい、終わり!ほら、二郎行くよ。お疲れ様でした』

「いた!!じろー!!」

「いって!なんだよ!」

「なんでユミのこと置いてっちゃうの!?」

「あぁ?」





おぉ、高校生若い。
てか。おっぱいでかっ!二郎と腕組んでるけど
友達かな?


「...ふぅん。遊んでたんだ。その子と」

「っ!!ち、ちがう!違うからね!?いや、遊んでたけどもう1人の男いるし!」

『お、おう。』





すっごく必死な顔して弁解された。

それより…




『二郎、学校は?遊んでたって、なんで?』

「...はぁ?なに?サボるなって?おばさんめんどくさっ」

「今日は、午前帰りで!だからサボってないよ!」

『なら良いけど。』




おばさん呼びはまぁ、しょうがない。
高校生からしたら社会人なんておばさんだし





「てか、おばさんなに?じろーとどういう関係?てか、なんで同じ場所に傷あんの?」

「お前離れろっ!名前さんっ!ほんとに違うからっ!」



いや、なんで二郎が泣きそうな顔してんの?
普通だったら私が泣きたくなるところじゃ?




「なんか忙しそうだから、俺たちでご飯行かない?」

「なんでお前が名前さんを誘ってんだよ。名前さんはこれから俺とデートすんだよ」

「でも君にはそこの子がいるだろ?」

「だから!こいつはちがう!」

「どうかな?」

「あんだと?...あっ!そうだ!これ!」

『え?あっ!これ!』

「欲しがってたから!取ってきた!」

『わぁ!ありがとっ!』

「っ!喜んでもらえて良かった...!」

「はぁ?それおばさんにだったの?ユミにくれれば良かったのにぃ〜」

「...名前ちゃんこういうの好きなんだ」

『好きっ!可愛い!』

「俺も!俺も好き!」

「お前に言ってねぇよ」

「あ゛ぁ?」

「女遊びする奴ってプレゼントで誤魔化すらしいよ」

『え、(それ自分のこと?)』

「ちっげぇっつてんだろ!名前さん!ほんとに違うからね!」





うん、ごめんね、二郎。
お姉さんどう頑張ってもその子みたいに腕組んでも多分、なにも当たらないと思う。…うん、ごめん。てか、二郎意外と女の子と近づけるんだなぁ




「まぁ、顔は良いみたいだから遊んでても無理はないよね」

「お前、いい加減に...」

「えー!じろーユミとたくさん遊んだじゃーん!」

「はぁ!?」

「だって、ユミのこと好きって言ってくれたし、色々なことしたでしょ?」

『「(いや、ないな。)」』

「(こいつ絶対、童貞だろ)」

『(だって二郎童貞だし。)』




同情の目を向けてしまったのは仕方ない…。



「お前!まじで離れろっ!!名前さんっ!」

『うわっ!!』




二郎が慌てた様子で私の腕を掴んできた。



「ほんとに違うよっ!?俺には名前さんだけだから!」

『あの、二郎』

「な、なに?」

『手、(ココア零れるから)離して』

「え、.....」





え?なに?なんで二郎顔面蒼白なの?

.....泣いてる?





『えっ!二郎!?どうしたの!?』

「き、きら、嫌われた...。名前さんに...」

『ん?え?なんで?二郎?』

「お、れ、俺っ!」

『二郎?落ち着いて、今の手を離してって、言うのはっ...』


慌てて説明しようとしたけど二郎はバッと顔を上げて声を張り上げた





「俺が!俺が好きな人は名前さんだけだしっ!名前さんが初めてのキスの相手だし!俺童貞だし!それに、名前さんとしかそういうことしたくないし!できないっ!!前はエロ本で抜けたけどっ!今はなんとも思わないし!名前さんじゃないと抜けなくなっちゃったしっ!俺っ!おれ!!」

『二郎!!!』

「っ!ごめん、おねがい、嫌いにっ、」

『あの、二郎、』

「なっ、なに?」

『まず、私が手を離してって言ったのは、二郎がココア持ってる方の腕を掴んできたから零れると思ったから。嫌いになったわけじゃないし、二郎を疑ってる訳じゃないよ。』

「ほ、ほんと!?」

『うん。ほんと』

「よ、よかったぁ...」

『それでね。二郎さん』

「な、なんでしょうか」

『...ここは公道です。』

「え?.......あ、」


『その、なんて言うか、』



どんまい、二郎くん...



黒歴史決定です。




「こ、こんな俺でも、好きですか...?」


うん。好きだよ。

好きなんだけど...




とりあえずここから移動させてぇぇぇぇぇぇ!!











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