「プレイボーッ！！」



五条先生の大きな声で試合が始まった。でも私の出番はまだまだ先。する事ないなー。なんて思ってると加茂先輩が動かず三振で終わった。あの人ピクリとも動かなかったけど大丈夫かな。



「東北のマー君とは私のことよ」

「東北のマー君はマー君だろ」

「マー君投手だぞ」

『マー君って誰？』

「野球選手」

『へぇー』




伏黒くんは物知りだななんて思って相手のピッチャー誰かなと見てみると人じゃなかった。というか、




「どう見てもピッチングマシーンだろーが！」

『野薔薇キレキレだね〜』




ベンチから見ていると野薔薇はキレながらも出塁していて伏黒くんが送りバントをして戻ってきた。





『お疲れ様』

「あぁ」

『わぁっ！真希さん凄い！……………え？』




真希さんの特大アーチは西宮先輩が箒で空を飛んでボールを取った。反則では？



「うわあぁあ！せっこ！！」

「おかか！」

「釘崎戻れー」

『え？いいの？野球って空飛ぶのありなの？伏黒くん』




伏黒くんのユニフォームをグイグイ引っ張って抗議すると、ユニフォームを掴んでいた手を取られて手を握られた。ちがう、そうじゃない。




「だが俺が望むのは投手虎杖との一騎打ちだ！」

「東堂！！」

「この打席俺がホームランを打ったら次回オマエがピッ…！！」

「とっ、東堂…！！しっかりしろ！」





真希さんの投げたボールが東堂先輩の顔に当ると周りから声が上がった。



「ナイスピッチー」

「ナイッピー」

「ナイッピー」

「ナイッピー」

「真希さんナイッピー」

『…野球分からないけど、ナイッピーが今はいい言葉じゃ無いのは分かるよ…』





色々あったけど交流会2日目の野球は2-0で東京校が勝利した。





「……………」

「……………」




そして何故か伏黒くんと東堂先輩は最後まで睨み合っていた。