41話 心に炎を灯して(完)




『…煉獄さん、』



名前は煉獄の墓前の前に座り込み手を合わせていた。


煉獄の墓前には折れた赤い刀身が供えられていて、名前は合わせていた手を離すと、ゆっくりと刀身を撫でた




『……ずっと貴方をお慕い申しておりました』




静かに名前がそう言うと、クスリと名前は息を零し笑みを浮かべた。



『……この時代ではこう言うんですよね?私の時代では…、私が居た世界では好きですって言うんですよ。』


名前はフーっと息を吐き出し、真っ直ぐに墓石を見つめる。



『……私、本当はこの世界の人間じゃないんです。この世界は漫画の世界で、私はその漫画を読んでたから、全部、…全部知ってたんです。無限列車で猗窩座が来る事も…、貴方が亡くなる事も…』




名前は墓石から目を離すこと無く言葉を続ける。





『…救えなくて、ごめんなさい、嘘を吐いてごめんなさい…、………でも、私は貴方の様な人の弟子になれて幸せだった』




名前は墓石をするりと撫でると愛おしそうに頬を緩めた。



『……私は貴方の自慢の愛弟子です。……そしてもし叶うなら、生まれ変わってもまた貴方の傍に居たい』



立ち上がりばさりと煉獄から託された炎の様な模様を施した羽織を靡かせた名前の髪には赤と山吹色に彩られた髪紐がゆらりと揺れた。




『……その時はちゃんと私に言ってくださいね』





ーーそうしたら私も貴方に返すから





ーー愛しているという言葉を







〜完〜








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